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事実は一つ。そして解決の道は長い。

今回の安倍元首相襲撃事件でとにかく不可解だと感じたのは、
まだ安倍氏が手術を受けていると報じている間に犯人供述が大方メディアによって報じられたことでした。

あまりにも早すぎないか?というのが、第一報を聞いた時の感想です。

私は7時間の時差のある場所に住んでいるので、どうしても日本の報道が遅れて耳に届きます。それでも、あの日はなぜか5時に目が覚め、起きたついでにスマホを手にして事実を知りました。
ですので、比較的オンタイムで事件を知ったわけです。

記憶では、襲撃があった2時間後あたりで既に犯人が安倍氏と統一教会との関わりを「誤解」し、起こした事件と供述している、と報じられていました。

長くに渡り準備をしていた犯人からすれば、してやったり!もう思い残すことはない、と逮捕に及び、供述もスラスラと事実を述べることはあり得るかもしれません。

しかし、彼はスナイパーではありません。さらに、数々の苦しい境遇から怒りを覚え衝動的に安倍氏を襲ったわけではありません。

これらの心理状態が事件後の彼をどう動かしたかは興味があります。

が、私が供述内容や報道の速さに疑問を持ったのは、このような国民的に有名な人物を公然の場で殺害に及んだ犯行にしては事情が短絡すぎる、と個人的に思ったのでした。そして伴うメディアの報じ方もサラッとしすぎでした。

そして何よりも、旧統一教会のせい、安倍氏が同教会に関わっていた、という理由説明が短絡的すぎるところが引っかかりました。

怨恨、というものは非常に深い感情です。時間が経てば経つほど深みにはまります。人一人を殺したところで払拭できるものか?と。

私はもし、これが本当の供述ならば、山上容疑者はもっと饒舌にものを語っていると思います。矢継ぎ早に止まらないほど今までの思いの丈を話し続けていると思います。

しかし、人というものは、特に世間で理解が苦しむ問題を抱えている人は、自ずと理解してもらえないだろうという落胆があるため、なかなか真相を他人に語らないのが常です。

母親がある宗教に加担していて、それで私たちは本当に苦しい思いをしてきました。本当にあの教団は悪の根源です。私は当初教祖の殺害を予定していましたが、ガードが硬くやり遂げることができませんでした。ある日、その教団の会合に安倍氏がビデオレターを送った事実を知りました。そこで、私は彼への憎悪が増し、犯行を計画しました。安倍氏の政治活動に異議のあるものではありません。

犯罪理由は100件に百通りの理由があるとしても、一度のビデオレターの主をよく調べずにターゲットにするのは怨恨払拭すれば全て終わる、と感じている犯人にとってはかなりのリスキーではないか、と思いました。

一発目をかすめたから2発撃つ、という反抗は、まさしく殺害を目的とした行動です。行動に迷いはない。

山上容疑者は、この計画について、将来のリスクを考えられないほど追い詰められていたのでしょうか?身銭を切っても殺害したい、殺害すれば、全て治る、と思った相手だったのでしょうか?

私はこれらの疑問が引っかかって、今でもこの供述内容を鵜呑みにできないのです。

かといって、陰謀論のような、どこぞの国、もしくは団体の後押しがあったなどとも考えてはいません。

それを突き止めるのは私たち素人の仕事ではないからです。

この解決は、調べる者、裁く者が真剣に取り組めば取り組むほど時間がかかると感じています。
今はともかく、あくまでも警察が真摯に安倍氏の死を受け止め、追及し、そこから容疑者の罪を採択するよう願うばかりです。


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