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おんがくのつくりかた 6

何買った?

ブラックフライデーも終わり、サイバーマンデー?みたいな、決算セール延長戦、閉店詐欺的なセールが続いておりますが、DTMerの皆さんいかがお過ごしでしょうか?
新たな音源を手に入れて、テンション上がって作曲で徹夜、なんて人も多い時期です。今年は史上稀に見る暖冬で、もうすぐ12月だというのに、東北ですら暖房が要らないほどです。なので、風邪をひいて寝込んでしまう、などという人はあまり居ないように思えますが、あなたはどうですか?

Twitterでは、「ブラックフライデーなんかに振り回されるもんか」というようなつぶやきを繰り返す私ですが、ここで改めて申し上げますが、単純な嫉妬が為せる技です。低コストでの生活を心がける私には、Spotifyのオケ音源などとてもとても手が出ません。少しずつ買い集める、というタイプのものではなく、あれらは「全てを一斉に差し替えなければ違和感しか生まれない」というものですので、とすると…いったいいくら使うんだ?歳を越せるのか?などと考えてしまうので、手が出せないのです。なので、別に個人を指し示すわけではなく、単純に羨ましく見ています。ただの負け惜しみで「音源が良くてもいい音楽が作れるとは限らんのやでええ」などと吠えておりますが、内心は…、ちくしょー、羨ましい…というのが本音。

様々なメーカーが様々な音源やプラグインでしのぎを削ります。それらを、「そんなに使いこなせるのか?」などという議論はここでは辞めましょう。そもそも、人間が思う「欲しい」とは、様々な感情が交錯するものです。

今年は妙な年

なんだかよくわかりませんが、今年は大変たくさんのものをいただく年でした。これまで活動を続けてきて20年近く、奪う事こそあれ(!)、いただくことは無かった。一度も。そういう、いわゆる「資金提供」が相次ぎました。なので、「今年は一つも音源を買わないぞっ」と決めていたのに、手元には次々と新しい音源が舞い込むという、よくわからない年です。別に私自身が強く望んだわけでもありませんが…運が良かったです。ありがたく使わせていただくと共に、その期待に添えるよう、日々鍛錬する心づもりでおります。

そういうわけで、実はブラックフライデーで何も買わなくても、新たな音源が手に入っていたのです。改めて欲しいものがあるわけでもなく、ただ、私にとって、「呪いの鍵」であるiLokキーを、3度目の正直として購入した程度です。(これが最もリスキーでしたが)

作曲力のレベル上げ

新たな武器を手に入れたら、振り回したくなるものです。音源も買ったらすぐに使ってみるべきでしょう。発表するかしないか、作品にするかしないかは別にして、まず使ってみましょう。使わずに眠らせておく、なんてそんなもったいないことをするなど愚の骨頂です。使いましょう。使いましょう。音楽は「レベル上げ」が必要です。RPGではフィールドを歩けば敵が出てくれます。しかも、自分のレベルに合った敵が出てくれます。なんと優しい世界でしょう。いきなりとんでもない強い相手が出てきて、ぶっ飛ばされる、と言うことはゲームの世界ではあまりありません。でも、現実世界は厳しいものです。特に音楽の世界では、「同業者」はとても優しいけど、「購入者」はとてもとてもとてもとても厳しい相手です。

生徒にはよく言うのですが、講師の私など、しがない地方でほそぼそと音楽を生業にしている人間です。そんな人間のレベルを「すげえ」などと言っていてはいかんのです。相手は世界です。そして、音楽の世界は等しく「みんなプロ」を相手にする世界です。

中学校の文化祭で喫茶店をするような感覚で「プロを目指す」と言っている生徒も多いのですが、その甘さに喝を入れます。この日本は、これから成長するであろう若者に対して、世界で最も厳しい国だと言えるでしょう。投資という考えが未だに浸透しきっていない。なんの蓄積も経験も無い若者に、いきなり即戦力を要求するような社会です。

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