フリーランス日記のコピー

ふりぃらんす日記 season02

朝七時の起床

正確には7:12の起床。7:00ぴったりに目覚し時計は鳴るけれど、スヌーズ機能で「起きなかった事にする」

5分置きにけたたましく電子音が鳴る。これを計三回聞いたら起き上がる、というのが日課。実はこの最初に目が覚めてから12分間が自分の音楽制作にとってとてもとても重要な時間で、むしろこの12分間しか創作していない、と言ってもいいくらいだ。

睡眠から明けたこの貴重な12分間は、実は脳内では何時間分にも相当する事が起こっている。起きている時に3時間かかっても出てこない曲のアイデアが出てくるからだ。

前日の寝る前に、予め作ってある「こういう曲を作るぞリスト」を眺める。ただ眺めるだけ。この時には何のイメージもない。ただの文字だけ。どんな曲がいいだろうなぁ、程度にしか考えていない。意識が途切れる瞬間まで、今まで聞いてきた様々な音楽が脳内で再現される。それらのものは朝起きた時には全く覚えていないのだけど、朝起きるとそれらがいい具合に脳のフィルターで濾されて、自分なりの新しいものになって、塊となって降りてくるのだ。

音楽家は、アイデアをひねり出すのが作業の9割を占める。どんな曲にしようか、という「きっかけ」が出るまでが大変なのだけど、私はこれを毎晩夜に行っている。つまり、目が覚めて12分間でその日の音楽家としての仕事は終了してしまう。

あとは、昨晩から朝にかけて時間をかけて固められて出てきたイメージを、可能な限り忠実に再現する、というだけ。私の場合データ制作をしている最中に、思っていたものと違う形になることは殆ど無い。

嫁にはよく「コンコンと湧き出る」と言われ、毎日毎日新しい曲を作り呆れられるが、別に湧き出ているわけでは無い。見方を変えれば、睡眠時間を利用しないと曲が作れない、才能の乏しい音楽家とも言える。

このやり方だと、生活の乱れは創作の不作に直結してしまう。ちょっと崩れただけで次の日は何も浮かばないという、かなり薄氷を踏むような毎日。一人で寝る環境でしか起こらない。幸いにして妻も一人でしか寝れない人なので無問題だが、もしかしたら、他の創作家も同じなのかな?

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