いのちの車窓から/星野源

僕は星野源のエッセイが好きだ。
深夜1時頃、自分の部屋で一人、ベッドに横たわってゆっくりページをめくるのが好きで仕方がない。
特段面白い出来事が書かれているわけではないが、星野源が感じた世界が目の前に現れてしまう。思い浮かぶ、ではなく現れてしまう、としたのはまさに不可抗力的に現れてしまうからだ。
目で見たもの、心が動いた様子を気取らずそのままに綴られている。それが星野源のエッセイである。

文章を書くというのは承認欲求に直結している部分がある。こう書くことでこう思われたい、そんな思いが溢れる文章に多く触れてきたし、自分が文章を書くときもそうであった。

しかし、星野源は飾らずに素直に書いている。

承認欲求を醜いと感じてしまう僕にとって星野源のエッセイは心が洗われる本なのだ。

自分もこんな文章を書けるようになりたいと思いながらまたページをめくった。

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