このままだと台車に乗せられて運ばれていくらしい
もし今家の中で倒れてしまったら、ワタシを運んでくれるのはガラスの腰を持つ家人ではなく、子になるだろう。
そう思ったワタシは、何気なく「もし母が倒れたら、子が一生懸命運んでな?」と軽い気持ちで子にお願いをしてみたところ、その言葉を聞いた子に、爽やかにこう言い放たれた。
「大丈夫。引きずって運ぶから」
いやいやいやいや。
せめて頑張って持ち上げてはくれませんか?
たとえ持ち上げられないと確信を持っていたとしても、建前だけでも「頑張って運ぶわ」という答えがワタシは欲しかった。そんなに堂々と「子に引きずられる未来」を目の前に提示してくれる必要は無いと思う。あまりにも切ない現実。
そして、子よ。
それを聞いたワタシには、キミに聞いておきたいことがある。
もしかしてワタシを引きずる時にキミが持つのは、ワタシの両脇ではなく両足首ではなかろうな?「お姫様抱っこをしてくれ」だなんてそんな無茶なことは言わないけど、せめて、せめて頭だけでも持ち上げてやってはくれないだろうか。
「いやいや、頑張ろうや…」
「だって重すぎて無理やろ?」
「そうかもしらんけど、鍛えたらいけるやろ?もう大きさ一緒くらいやし」
「えぇー(とてつもなく嫌そう)」
「それに、仮に外まで運ぶとして、引きずったらズルズルになるやん?」
「あぁ、それは台車に乗せるから大丈夫!(キリッ」
おんぶの前に出てくる選択肢が台車…
いや、台車の前に引きずられてるけどさ…
「いやいや、台車で脱力した人間運んでたら、救急車の前にパトカーくるで?」
「あっはっは」
笑いごと……なのか?
そもそもうちにある台車は小さいから、倒れた人間を乗せて運ぶとしたら、はみ出した手や足なんかが地面に引きずられるのは確実。台車に乗せてもズルズル……。
いや、乗せられる際にぶつけられたり、段差で落とされるリスクを考えると、おとなしく引きずられて行く方がまだ傷が浅いような気がしてきた。
「台車、痛そうやから乗せんといて…」
無理に運んでくれとはもう言わない。
むしろ、救急車がくるまでその場に放置しておいてください。よろしくお願いします。
とまぁ、そんなふざけたことを言っているけど、本気でそろそろ何とかしないといけない。リングフィットだフィットボクシングだと、手元にあるにもかかわらず、なぜかワタシが起動するのはそれ以外のものばかり。
どんどんと大きくなる体と、小さくなる洋服。そして、最近では眼鏡までもが縮んできているような気がする。
そして、それよりもなによりも。一番ヤバイと感じさせたのは、先月からランニングを始めた家人の体重が減ったことで、家人よりもワタシの方が受けている重力が大きくなってしまっていると判明したこと。
今まで子が中にいるときですら逆転したことが無かったのに、どういうことだ(そういうことだ)。これはワタシの中で、超えてはいけない一線だったのに。ダメだ。このままではダメだ。
と言う事で、夏までに5キロ。なんとしても落としたい。
今日からフィットボクシングとリングフィットのどちらかをすることをここに宣言します!絶対に痩せるぞーー!
それだけ落としてもまだ元通りにはならないけど。
贅沢は言わない…
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