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創作と収益化

最近noteを読んでいると、この部分での悩みや考えが多く書かれているのを目にします。

実際にやってみてわかりましたが、文章を書くことができれば、それを出版したりインターネットに載せることは簡単です。
しかし、それを収益と結びつけるのは殊の外難しい。というより全く別の問題です。

従来、作家と出版社は完全な分業体制でした。
作家は作品を作り、出版社はそれを売れる形にして売る。
生産者と流通業者の関係です。
流通業者は、販売チャンネルや販売するためのノウハウを持っていますから、売れるコンテンツがあればそれをいかにして売るかが仕事になるわけです。当然売れる作品でないと営利企業として成り立たないし、売れるかどうかわからないものではリスクになります。そうすると、例えば新人賞などで勝ち抜いた作品や、すでに知名度のある芸能人の作品など、出せば一定数の販売が見込めるものしか、基本的に扱わないのは当然です。
漫画などは、よほどの売れっ子でない限り、ページ単価いくらの家内制手工業の状態が当たり前で、ほとんど制作コストに見合わないと言います。
連載を継続できて、ある程度のファンを獲得できていると判断された場合に、ようやく単行本が出版されて、そこで初めて、それまでの経費を回収できるかどうかというのが現実のようです。

さて、私を含めて、ここで悩んだり考えたりしている作者としてはどうしたら良いのでしょう?

私は経営者でしたし、商売人でもあったし今でもそうでしょうが、本を書き始める前から、どうやって売るか? ということはずっと考えていました。

オフィシャルサイトを作り、フェイスブックページを作り、ツイッターの新規アカウントを取り、報道各社にプレスリリースも送付しました。
とりあえず個人で出来そうなことは一式やってみましたが、どうもそれが販売に結びつくかというと、そうではないようです。要するに売れていません。
「破産のススメ」自体は、コンテンツとして価値のあるものです。例えばすでに苦しい状況の会社を畳むのであれば、できるだけお金を節約して手元に残すためのヒントも書いてありますし、これから起業しようとするのなら、最初からパラシュートを持って始めて、やろうと思えば最初から現金を作るために会社を潰すことも可能です。
ただしその情報が知られないことには、存在しないのと同じです。それから、どうも情報として存在しているというだけではダメなようです。

人はどんな時に情報を選ぶかを考えてみると、やはり評判をあてにすることが多いでしょう。
映画でも書籍でも音楽でも、あの映画はすごい、あの本は面白い、為になる、あの人のあの曲はカッコいい、素晴らしい。
ではそれはどこの誰が発信しているのか?
やはり大手メディアが発信しているわけで、それが拡散していくわけです。
言い方は悪いけど、情報操作ですね。
だから、いざお金を払って買ってはみたけど、なんでこんなものが? というものも少なくないでしょう。
長いこと、メディアの広告宣伝にさらされていますから、多くの人は、評判で選択するしかなくなっています。

さあ、どうしましょう?

要するに、面白いとか為になるという評判を、多くの人が知ればいいわけですよね。
我々個人も、今はインターネットというツールは手にしているのですから、それをどう使うか? というアイディアをひねり出せば道は開けるかもしれません。道具は使いようですから。

こう言っちゃなんですが、雑誌のほとんどは広告収入で成り立っています。
だからあんなに安く売ることができる。もしも広告がなかったら、雑誌は軽く今の3倍の価格になるんじゃないですか? ということは、その中身は製品やサービスのヨイショ記事で溢れかえっているとみて間違いないでしょう。そういう観点で雑誌を見れば、明らかにそうだと思える内容が大量に詰め込まれていることに気がつくと思います。

ならば創作をしている個人同士がインターネットでヨイショしまくるというのはどうでしょう?

ただ創作をしているだけではなく、それぞれに発信するための拠点を持っている人がほとんどですから、みんなで結託して、それぞれのメディアでお互いをヨイショしまくる。もちろんダメだったり自分に合わないものを褒めちぎるっていうのはおかしいけれども、読んだり見たりしていいと思ったものは、お互いに評価して発信したっていいじゃないですか。
Amazonで売っているものは積極的にお互いにレビューを書くとか、できることはたくさんあるはずです。

ここで気がつくのは、自分の創ったものをヨイショするのは気がひけるということ。
だからお互いにヨイショするなら、多分割と簡単で気楽にできる。

長い箸ですよ。

そうすることで、それまでは自分の周りの知っている人にしか知られなかった情報が、内容についての評価とともに、自分の外に相互に拡がっていく。

むしろ弱小の個人創作者がやっていくには、相互扶助のような仕組みを自分たちで作るしかないんじゃないかと思うんですよ。
お金ないけどできることはある。
そして大作家の作品を大企業が大々的に資金をつぎ込んで宣伝するのとは全く違うアプローチの方法があるはずです。

考えれば簡単な話なんですが、経費がかからないなら、何万部も売れなくたって、結果としての利益は大きくなります。

例えばAmazonで電子書籍の例を考えてみましょう。

Amazonでの独占販売だと、ロイヤリティーは70%です。
一部500円で販売すると、ざっくり350円の利益です。
一般的に出版社から売られる書籍の印税率は10%と聞いています。
ということは、価格が同じなら7倍売って同程度。逆に言えば我々個人は7分の1売れれば収益は同じということです。

実際に出版社から本を出したとしても、売れっ子でない限り、最初のロットは1000冊とかで、それっきり増刷なしなんてことも多いようです。
1000円の本を1000冊売り切ったとして、手取りいくらでしょう?

100円×1000冊=10万円

計算してみりゃそんなもんですよ。

対してAmazonだと、それを単価500円の本で、286部売れば同じパフォーマンスです。

そしてもう一つ。

一般的に紙の書籍を正規のルートで出版するとなると、かなりの時間がかかります。
ところが電子書籍なら、毎月一冊出版することも不可能じゃない。というか書くのが早い人なら楽勝でしょう。

そして書いたものは売られ続けるわけで、書いたら書いただけ積み上がっていきます。
そのどれかを読んでファンになってくれた読者は、きっと他の本も読んでくれるでしょう。

一年かけて、仮に十冊を出版したとして、翌年からそれぞれのタイトルが一年かけて150部づつ売れたとします。

350円×1500部=52万5000円

かなり現実的な数字だと思いますがどうでしょう?

もちろんこれでは専業としてやっていかれるはずもないのですが、副業として考えている人の方が多いでしょうし、さらに本はひたすら書き続けていけばいいのですから、五年後十年後はどうでしょう? 100タイトル出していて、ファンもいて、そのうちのいくつかはちょっとした評判になっているとか。そして今よりもっとインターネットでの評判の方がウエイトが重くなるでしょうし、長い時間続ければ続けるほど、Googleなどでの検索の上位に出てくるようになりますから、先々副収入として馬鹿にならない金額になってくるはずです。

さてと、まずは長い箸作戦、ご賛同いただけるようでしたら始めませんか?


サポートする代わりに、こんな本を書いたり、こんなことをしている奴がいるよーって触れ回っていただけると助かります。