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『SHIROBAKO』に学ぶ〜結果を出したいなら関わる人を変えてみよう〜

『SHIROBAKO』といえば、問題児の高梨太郎&平岡はだれもが印象に残っていると思います。

まだ観ていないという方、『SHIROBAKO』については過去記事を参照ください。※本記事にはネタバレ要素を含みます

高梨太郎は、空気が読めない、謝らない、報告しない、でもアニメが好き。平岡は、その逆で、空気も読める、頭もいい、優秀、そしてアニメ好き。でも現実にぶつかって、くすぶっている。ふたりともアニメが好きという点は共通していますが、スキル的には真逆の存在として描かれています。

平岡の心の葛藤

平岡は夢を持ってアニメ業界に入るも、くすぶっていました。20話「がんばりマスタング!」での演出の円さんとの喧嘩は名シーンですよね。

平岡の態度に最初は大人な対応をしていた円さんも、平岡の態度にカチンときた円さんは平岡に容赦なくブチギレます。

平岡「円さん リテイク乱発して 自分の首絞めてるって分かってます?」
  「こんな言い方降りられますよ」
円「降りて結構 むしろ降りてくれよ」
平岡「ああ?」
円「降ろせって言ってんだよ」
 「こいつ いらねえわ」
平岡「それどういう意味っすか?」
円「お前がドヤ顔で連れてきたアニメーターな 全員 まるまる使えねえんだよ!」
 「どいつもこいつも落書き出してきやがって」
平岡「じゃあ 自分で連れてこいよ!」
  「職務放棄してんじゃねえよ!」
円「ホント お前何もないよな」
平岡「はあ?」
円「なんのために制作やってんだよ!」
「いっつも いっつも つまんなそうな顔で」
「雑な仕事で手ぇを抜いて!」
「あれやった これやったって自慢するけどよ」
「お前の仕事っぷりで キャリアになると思ってんのか?」
「ならねえよ! 笑わせんじゃねぇ!」
平岡「はあ! 演出が進行に責任転嫁してんじゃねえよ!」
  「上から目線で空威張りすんな!同い年だろうが!」
円「年は関係ねえ!」

『SHIROBAKO』20話「がんばりマスタング!」より

この後、暴力沙汰になりそうな中、直前で興津さんが止めにはいります。会社がピリつく中、社長の丸川さんが平岡のフォローに入るのですが、ここのシーンの丸川さん、めちゃくちゃいい人なんですよね。


丸川 「僕が若い頃は こういう荒事は日常茶飯事だったけど」
  「今どきは珍しいね」
(中略)
丸川「図星だったんだよね?」
平岡「うっ」
丸川「だから腹を立てた」
平岡 「はあ〜」
丸川「見当違いのことを言われたんなら どうでもいいはずだよ」
平岡 「はあ〜 もういいっすか?」
丸川「あした から来ない?」
平岡 「あっ…」
丸川「な〜んてことはないよね? 平岡君」

『SHIROBAKO』20話「がんばりマスタング!」より

ここのシーンでは、平岡は辞めることを決めていたように思います。何度も会社を変えてはいますが、平岡はアニメ業界は辞めていないんですよね。普通、何社かアニメ業界で壁にぶつかったら業界を変えたりしそうですが、それでも平岡は辞めていないんです。自分に言い訳しながら業界に残っています。それはアニメが好きだから。

あと、この後すぐに円さんに謝る平岡のシーンがあります。実は素直さを持ち合わせている。

ちなみに、20話は喧嘩の後にパジャマ姿のえまっちのシーンもすこぶる可愛いので必見です。ピリついた空気から癒やされます。特にマスクをつけるときの髪をかき上げて耳が見えるシーンがたまらなくいいです。

平岡の変化の兆し、救いとしての高梨太郎

その後、平岡が救われるのは22話「ノアは下着です。」。いい意味で空気が読めない太郎が平岡を誘って、中華料理屋で二人で飲み会をします。高梨が平岡の原点であるアニメが好きということを思い出させるシーンです。


平岡「なんになりてえとか 何やりたいとか そんなものはとっくに捨てたよ」
高梨「えっ とっくにってことは前はあったの?」
(平岡の過去ブラック職場で心を病んでいく回想シーン)
高梨「大ちゃんはバカじゃないよ!」

『SHIROBAKO』22話「ノアは下着です。」より


ここでのやり取りで、平岡は救われたのではないでしょうか、

「別に 俺どうせこれ終わったら辞める」と言う平岡の発言にも、ちゃんと仕事やりきってから辞めるという、そこはかとない真面目さが残っています。本当に駄目ならすぐに辞めそうなものです。

ここで、平岡は自分が思っていた最初の夢を思い出して、原点に立ち返ったと思います。キャラクターとしては正反対だけど、根っことしては同じアニメ好き。平岡と高梨はバディなのです。

劇場版での平岡の変化、葛藤の克服

そして、劇場版では、この2人がバディを組んでアニメ企画を提案しにいくシーンがあります。

ナベ長から劇場版を作る相談をされた宮森は、悩んでいる中、ムサニを辞めた高梨と平岡に出会います。高梨と平岡が一緒にアタックスに企画を提案にいく途中でした。しかも企画を5つも携えて。。。

高梨が楽しそうに宮森に話をする中、やれやれといった表情で平岡がまんざらでもない顔をしているシーンはとても印象的です。

自分の葛藤が、高梨太郎という心配になるくらいのポジティブな存在と一緒にいることで解消されたように思います。

平岡「助かった ありがとう ムサニ なんかうまいこと回ればいいな」
(中略)
平岡「やりたいことがあるなら とにかく何かジタバタしないとな そうしないことには 何も始まらないし 何も変わらない と思ってる 俺は」

『劇場版『SHIROBAKO』より

ここは感涙のシーンで、平岡が立ち直って前を向いていることがはっきりとわかる瞬間です。

人は本当に何かやりたいことがあっても蓋をしてしまいがちです。そして、そこを自分のメンタルだけで抜け出すことは難しいと思います。だからこそ関わる人を変えることで行動することができます。

誰と会う、誰と話す、誰と仕事をする、誰と遊ぶのかを意識してコントロールすると、結果につながっていくのではないでしょうか。

もし、自分の中でうまくいかない、どうしていいかわからないときは関わっている人がいけないのかもしれません。

他人はメディアです。Twitterで情報収集する人とTVで情報収集する人の意見が噛み合わないように、触れ合っている人間が違うと話が噛み合いません。もちろん、合目的のみで関わる人を選ぶ必要はないですし、過度な他責はいけません。心地よい人と一緒にいるのもいいと思いますが、自分が変わりたい、なんか違うと思うのであれば、今まで関わったことがない人と関わってみるといいかもしれません。

平岡のように優秀な人がくすぶっているのはもったいないので、ぜひバディを見つけて欲しいと思います。

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