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ブルー・ブラッド

ダニーは出勤前に妻と口論してしまう。
同僚の刑事にも罵りの言葉を吐いてしまった。
数時間後の現場。
不意に銃声が聞こえダニーは銃をかまえる。階段から銃を手にした男が降りてきた。ウォウォウ、彼は口をすぼめ何度か男に警告するが、男は止まらない。ダニーは発砲し男が倒れる。撃たれた男を介抱しながら、ダニーは男が警官だと気づいた。
刑事ダニーは警官を撃ったのだ。

手順にまちがいはなかった、と自分に言い聞かせることがある。
自分の言動のためにが誰かが倒れている、事実の前で。
望まないことはなぜ起きてしまったのか。
朝にささいな口論をした、それが厄災を呼んでしまったか。
何かのせいにしたいが、誰も救われない。
自分に落ち度がないことを証言してもらいたいか。
その日彼(私)は冷静ではなかったのではないか。

「人生は安全な基地から始まる冒険の連続」これはダニーの父である本部長が、彼の母から聞いた言葉だそうだ。
ブルー・ブラッド シーズン3,第8話 冒頭
安全な基地から始まったはずの冒険の途中
交差する物語が急に悲惨な結末を迎えることがある
なかったことにできない

ダニーの父は「境界線を突破する娘」をカーテン越しに家で何百遍も
待つことしかできなった。
無事に帰るように祈り、帰ってきたら寝ているふりをした。

カーテンが揺れている家々のある街
微笑ましい父の姿をして待っているものは
何の影だろう
犯してしまった過ちのために
今日いのちを絶たれる者がいる
帰らないとわかっているのに
カーテンの揺れる家々がある

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