見出し画像

子どもと楽しむ《マティス展》@東京都美術館

こんばんは。
毎日編み物をしながら暮らしたいアランアミです。

先日記事にしたマティス展。


子どもと観たマティス展

小学生の娘と幼稚園児の息子も一緒に観に行きました。
今日は子どもと一緒に楽しむという視点でマティス展の感想をお話ししていこうと思います。

1冊の絵本から

菊池敦巳・国井美花『子どもと絵で話そう ミッフィーとマティスさん』2013, 美術出版社

娘が1歳くらいの時に購入したマティスの切り絵とミッフィーがコラボした絵本。
この絵本のおかげで子どもたちにとってマティスは「切り絵のひと」でした。
しかしこの展覧会で切り絵に出会えるのは後半。
「切り絵はまだ?」と何度も聞かれながら展示室を進みます。
ようやく辿り着いた切り絵の展示。
「これ絵本にあったよ!」
「大きいね!」
絵本の中の作品の実物が目の前にある喜びを感じている様でした。

息子とブロンズ像

息子は彫刻作品に関心があったようで「これ、前も見たことあるなー。」と感想を呟いていました。前に見たのは国立西洋美術館のロダンの作品かな。
数日後、ニヤッとしながら「おかあさん、幼稚園にマティスさんあったよ。」と報告してきました。
幼稚園にマティス作品…?と疑問に思い、話を聞いてみると作者はわからないけれど幼稚園に何点か飾られているブロンズ像のことを言っていることがわかりました。
彼の中でブロンズ像は全て「マティスさん」になったらしい。

美術館に行った後の楽しみは、日常生活の中で気に留めていなかったものへ視線を向けられるようになることだと思う。
息子の幼稚園にあったブロンズ像だってずっと前からそこにあった。
姉である娘が入園する前からそこにあったのだから。
でも息子にとってはマティス展に行ったことで「何か見たことのあるもの」として目に入るようになったのでした。

娘と《背中》

展示室の中でもちょっと特別な空気を醸し出していたのが20年にわたって作成された作品群、《背中》。
I〜Ⅳまであり時代が進むと作品の「背中」は単純化・抽象化していきます。

「これは同じものを表現しているんだって。最初に作ったのはどっちだと思う?」
「右から作っていって、だんだん上手になって言ったんじゃない?」
「反対なんだって。左から作り始めてだんだん線が少なくなっていったみたいだよ。」
「えー…?」

娘とそんなやりとりをしました。
私たちは写実的に絵を描いたり彫刻を描いたりすると上手だねと褒めますが、マティスが目指したものは逆だったみたい。
図録にはこんな文が記してある。

《コリウールのフランス窓》はマティスの創作の臨海をしるしづける作品であるーーどれくらい要素を取り除いたら、また隠したら、イメージは成立しなくなってしまうだろうか?

マティス展 図録 2.ラディカルな探求の時代(1914-18)p43

ここから切り絵に続いていくと思うとより一層面白い。

子ども用パンフレット

最近、ジュニアガイドが用意されている展覧会が増えました。
子どもだけじゃなく大人にも配って欲しい。
マティス展のジュニアガイドはなんと切り絵が楽しめるようになっていました。

娘 作


息子 作


子どもと展覧会に行く理由

教養を身につけて欲しい
センスを磨いて欲しい
そういう理由は後の後の方にあるけれど、子どもと美術館に行くのは一緒に展覧会を観て楽しめる人を増やすため。
好きなものを一緒に楽しめる人がいるって幸せなことだから。
子どもたちが何の違和感もなく美術館に親しんでくれて「映画観に行く?」くらいの感覚で大人になってからも付き合ってくれたらいいなぁとこっそり思っているのです。

図録とマステは私用。
ポストカードは子どもたちが一枚ずつお気に入りを。
会場の最後の最後でガチャガチャを見つけて1回ずつ回す。切り絵がピンバッジになっていて可愛い。


ではでは〜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?