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《泣き手紙》Unreliable grudge


情念こもる怖い歌が描きたかった。中森明菜、中島みゆき、椎名林檎…そのあたりが歌うイメージで。これもメロディはあるけれど、未だ形にならない。ナリソコナイノウタ。ちなみに途中のカギカッコ内は、間奏でリーディングしたかったの。手紙を読み上げるみたいに。男の俺が歌う歌ではないだろうな。



あなた宛て
住所不明、切手無し
封筒に入れたままで
丸める

しびれてく右ほほを
しゃくりながら
筆を執り書き進む
あなたの声を思い出す

泣きながら書いていたんだ
心ごとインクに
溶け出したこの浅ましい病を
言葉にすれば途端に色褪せる
どうにもならないわあなた
「いまどこにいるの?」
文字が書いたそばから滲む


この部屋だけには入れない
我が家の3LDKの中の一室

釣り竿や洋書が転がるその場所
置き去られたモノたちに
貼りついたあなたが胸を殺す

そして今馬鹿の一つ覚えに
また一葉生んでは捨てる
だけれども最早これは
あなたに届けるためのものじゃない
わすれられないわあなた

「もう戻らないのでしょう。
それで私はいつまでも、
こんな風にして、手紙に
あなたを封じ込めようとする。
文字は震え、役立たずだ。
好きだの帰ってきてだの、
悲しみはわざとらしく振舞っている。
きっと、ここに書きたいことは、
ただ一つなのに…」

もう終わり!
こんなことはいつまでも
続けていたって意味ない
無駄よ無駄
私書くわ、そう泣きながらでも
そうすれば断ち切れる

ろくでもなかったあなた
「私、捨てられたのね。
今度会うときはあなた、
命があると思わないで。」

ポチッとしていただけたら泣いて喜びます。ヤッターッ!