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「使えない」とはもう言わせない!ChatGPTで変わる思考の限界

今日は、「ChatGPTは使えない」と思い使用に消極的な方々に向けて、ChatGPTの能力や可能性について書きたいと思います。




1.ChatGPTの本質は「認知拡張」にある


『「頭がいい人」の頭の中を再現! ChatGPT活用法』と題した東洋経済オンラインの記事が私の考えに合致しているため紹介したい。

核となる部分を要約すると以下のとおりです。

この記事は、ChatGPTの能力を認知心理学の観点から分析し、人間の思考プロセスをサポートするツールとしての可能性を探っています。

①認知拡張: ChatGPTの最大のメリットは「認知限界の拡張」にあります。人間のワーキングメモリは限られた情報しか一時的に保持・処理できず、複雑な問題解決や難しい意思決定では、情報過多により思考が停止することがあります。ChatGPTは、その情報処理能力を活用して複雑な情報を整理し、認知の負荷を軽減することで、認知の限界を拡張します。

ChatGPT活用の3つのレベル: 一般的には、基本的な情報処理、複雑な問題解決、創造的なアイデア生成などが考えられます。これらは、単純な質問応答から始まり、より高度な分析や創造的な提案に至るまでのプロセスを含む可能性があります。

意図を言語化: 「頭がいい」とされる人々は、情報の切り分けや優先順位付けが上手いとされています。これは、情報を効果的に処理し、認知負荷を管理する能力に関連しています。ChatGPTは、このような高度な情報処理を模倣し、ユーザーの意図を言語化することで、より複雑な問題に対処する手助けをします。

※東洋経済オンラインより要約


2.私が今、試していること

仕事上、事業計画書の作成支援を頻繁に行っています。事業計画書の基本構造は次の通りです。

①企業(概要・特徴)
②経営課題(現状の問題点)
③あるべき姿(目標)
④解決する実現手段

※補足説明
<①企業>が<③目標>達成のため<②現状の問題点>を<④解決する実現手段>をChatGPTに提案させる

※筆者作成

現在、小規模事業者や中小企業の経営者が事業運営中に直面する経営課題を、ChatGPTを活用して経営者自身が解決策を考える方法の体系化(上記①~④)を試みています。

まだ途中段階ですが、既に成果を感じています。

経営者の頭の中には、現状の問題点、目標、大まかな解決策が抽象的な情報として存在します。しかし、ChatGPTに解決策を生成させるためには、これらの意図を言語化する必要があります。

ちなみに、言語化の高度化具合により、ChatGPT活用レベルは3つに分類できる。

レベル1「自分ができること」を加速させる
レベル2「自分が理想と思うこと」を完璧に近づける
レベル3「自分の思いつく理想」を越えたアウトプットを目指す

※東洋経済オンライン記事より


たとえば、架空の地方都市商店街でパン屋を営む高齢オーナー(又は息子夫婦)のChatGPT活用方法を以下に示します。

あなた:
当社は地方都市の商店街でパン屋を営んでいる。商店街の空洞化により集客数、売上減少が恒常化し業績が低迷している。このままでは事業継続が困難であり不動産賃貸業への事業転換を検討している。当該状況下、息子夫婦が事業を引き継ぎたいとの申し出があったが、引き継ぐべきかどうかを悩んでいるため、将来性のある解決策を提案してください。

ChatGPT:
地方都市の商店街でパン屋を営む御社が直面している業績低迷の問題に対し、息子夫婦が事業を引き継ぐことを検討している状況での将来性のある解決策を以下に提案します。

事業モデルの多角化:
パン屋としての事業を継続しつつ、不動産賃貸業への部分的な事業転換を検討します。これにより、収入源を多様化し、リスクを分散させることができます。
店舗の一部をカフェやイベントスペースとして活用し、レンタルスペースとして提供することも考えられます。

地域コミュニティとの連携強化:
地元の食材を使用した商品の開発や、地域のイベントへの積極的な参加を通じて、地域コミュニティとの結びつきを強化します。
地域の他の事業者との協力を模索し、共同プロモーションやイベントを企画します。

オンライン販売とデジタルマーケティングの強化:
オンラインでの商品販売を開始し、より広い顧客層にアプローチします。
ソーシャルメディアやメールマーケティングを活用して、店舗の魅力を発信し、顧客との関係を強化します。

新しい商品やサービスの導入:
ヘルシーやオーガニック、地元産の食材を使用した商品など、新しいトレンドに合わせた商品の開発を行います。
定期的なワークショップやパン作り教室の開催を通じて、顧客とのエンゲージメントを高めます。

サステナビリティへの取り組み:
環境に配慮した包装材料の使用や、フードロス削減の取り組みを通じて、サステナビリティへの意識を高めます。
これらの取り組みをマーケティングの一環として積極的に発信し、ブランドイメージを向上させます。

財務状況の見直しと効率化:
現在の財務状況を詳細に分析し、コスト削減や効率化の機会を探ります。
必要に応じて、資金調達の選択肢を検討します。

これらの施策は、御社の事業を現代の市場環境に適応させるとともに、新しい収益源を生み出す可能性があります。息子夫婦がこれらの新しい経営手法を取り入れることで、御社は新たな時代に適応し、繁栄することができるでしょう。また、不動産賃貸業への部分的な転換は、安定した収入源を確保する一方で、パン屋としての事業も継続することが可能です。

※ChatGPTより

どうでしょうか?
ChatGPTが生成したアウトプットをどのように活かすかは利用者次第なのですが・・・



3.まとめ

従来は、専門家が経営者の抽象的な情報をヒアリングし、具体化して言語化することで、事業計画書に落とし込んでいました。

しかし、専門家の利用には弱点もあります。専門家の知識領域や事業範囲によって、発想やアイデアが制限され、バイアスを排除するのが難しいのです。

一方、ChatGPTのような生成AIは、今後も進化し続け、人間の能力を超えるレベルに達するでしょう。上述の東洋経済オンライン記事にあるように、ChatGPTの活用レベルを高度化すれば、すでに経営者の理想を超える解決策を創造的に作り出すことが可能なのです。

それにもかかわらず、「ChatGPTは役に立たない」と言い続けるのでしょうか?

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