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新型コロナの「戦中と戦後」(1)~4年間の新聞切り抜き記事に見えたもの

 新聞の切り抜き、スクラップブックづくりは、記者時代からの習慣でした。スクラップブックは自分の記事を中心に糊付けしていたので、参考にする他の記事は、「袋ファイル」(注1)に入れる方式をとっていました。たまった農政の記事の棚卸を思い立ち、新型コロナウイルスの「戦中と戦後」としてまとめてみます。
■農政の4年間
 2020年に拡散した新型コロナウイルス。2023年5月に5類に移行しました。この間、農業の現場にも環境変化がありました。見過ごしていた景色があらためてありがたいと思えてくる4年間を振り返ります。
■2021年
 「4月7日は何の日?」。21年の日本農業新聞のコラム「小話往来」にあった見出しです。1881年のこの日は、農商務省が設置された日です。その後、農林省と商工省、さらに農林水産省と通産省(現・経済産業省)へと変遷しています。
 日本農業は地産地消を進めていますが、人口減少で国内マーケットは縮小傾向にあります。政府も輸出に力を入れていますが、コラムは農商務省当時の1次産業が引っ張った農業の主導的な役割を促した内容でした。
 5月12日は農水省が「みどりの食料システム戦略」を正式に決定。2050年に農林水産業の二酸化炭素排出量をゼロにするなど意欲的な目標が明記されました。
 エコシステム見直しにも注目です。愛知県常滑市の中部国際空港会社と知多半島の酪農家との協力は6月。捨てられていた滑走路周辺の雑草を牛の餌にする試み。私もnoteで紹介しました。
■スマート農業
 遅れる農業高校のスマート農業教育への提言をした記事(農業新聞10月21日社説)は、気づきがありました。私も記事で情報通信機器やドローンを活用した農作業の現場を紹介していましたが、将来を担う農業高校生。現実は、IT化がかなり遅れていることを知りました。24年現状は大きく変わっていないのが残念ですが。
■農業スタートアップと障がい者就労
 月で菜園を目指す名古屋大学発のスタートアップ「TOWING」。私もnoteで紹介していますが、11月24日の読売新聞愛知県版に名古屋市の繁華街のビル屋上で、菜園をつくり、障がい者の就労を目指す取り組みが印象的でした。農福連携のなかでも、障がい者に
が主役を務めることができるのがうれしいですね。名前は「ゑびす農園」。また取材してきます。 
(2024年4月2日) 
注1:ノンフィクション作家の山根一眞さんの資料整理法。私は地方勤務時代の30歳ごろから採用。使い終えた封筒の上部をカットして、右端に3文字、例えば「フクロ」(袋ファイル)と書いて、新聞や雑誌記事、写真、パンフレットなどなんでも袋に入れて、あとは50音順に本箱に並べて置くだけ。取材や執筆に必要な時にすぐに取り出せるメリットがありました。「押し出し式」といって、使った資料袋を右端に返して、1年たって使わずに左端に押し出された袋を捨てていく方法もあります。
 

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