見出し画像

初代れんこんグランプリ~愛知県愛西市で11月下旬開催~荒玉note改訂

 この記事は2022年10月にnoteに提稿した記事です。ちょうどレンコンのおいしい季節です。マガジン「農政ジャーナル~長靴をはいた記者」にも収録されています。

 蓮根~れんこん~レンコンがおいしい季節になりました。
 愛知県で最もレンコン生産量が多い愛西市で、初の「愛西れんこんグランプリ」が11月25、26日に開催されます。主催はJAあいち海部と愛西市で構成する愛西市農畜産業振興会です。

れんこんうどんなどレンコンの加工品も増えた

 このイベントは、レンコンの品質改良と産地振興、ブランドPRを目指して開催されます。
 参加資格は愛西市在住の農業者。2本1組で出品し、3品種(備中、ロータスホワイト、金澄)ごとに審査し、最優秀1点、優秀賞5点を決定します。
 審査結果は11月26日に開かれるJAあいち海部還元祭の会場内で発表後、出品物の展示即売会を同時に実施します。同JAでは合計250点の出品数を見込んでいます。
 ポスターには「初代れんこんキングは誰だ!?」とあり、戦国時代を思わせる絵柄にユーモアが感じられます。
 愛知県西部は木曽川の伏流水の恵みで、お米や野菜の栽培が盛んです。なかでもレンコンは、1959年の伊勢湾台風後、稲作転換の作物として急速に増え、水堀りと土堀りの両方でおこなわれてきました。なかでも鮮度を保つために表面に土がついたままで出荷する「土つきレンコン」が有名です。JA愛知の担当者によると、土がレンコンの表面を保護しているため、乾燥を防いでいます。食べ比べてみれば、土つきの方が鮮度が高いことがわかるそうです。
 思い出しました。2015年10月に当地でレンコンの土堀りを体験させてもらいました。長靴をはいて、田んぼに入って生産者の方の指導で根元から抜くと、いくつも連なって丸々としたレンコンがでてきました。大魚をつり上げたような満足感でした。
 課題は消費拡大です。煮物以外でも使ってもらおうと、JAあいち海部は10月14日、特産レンコンを材料に使った「れんこんらーめん」や「レンコンうどん」という商品を開発しました。1袋の値段はいずれも税込280円です。
 さらにレンコンチップスの「れんこち」や具材にレンコンが入ったカレー、シチューなど3種類の「れんこん缶」もセットにして、お歳暮など贈答用の「れんこんざんまい」(1箱税込3000円)を売り出しました。
 レンコンうどんにはレンコンが練り込んであり、風味を感じることができました。セットにしてオリジナルギフト商品としたことでレンコン需要につながると期待されます。
 レンコンの出荷額のトップは茨城県ですが、愛西市を中心とした愛知県も佐賀、徳島両県についで全国4位と健闘しています。
 一方で、2015年の視察当時の栽培面積は10年前と比べて100ha減少して150haになっていました。生産者の6割以上が60歳を超えているう聞きました。
 当時の海部れんこん組合は170人が148haで栽培していましたが、現在は133人、145haと減少しています。1996年に広域出荷施設及び共同選果施設として「れんこんセンター」が稼働しています。土つきレンコンの魅力を残しつつ、「洗いレンコン」や「パック詰め」など様々な量販ニーズに対応していくことも求められています。
 初代れんこんキング目指す生産者の意気込みに期待しています。
(2022年10月31日)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?