見出し画像

ラピュタへの道30 いざ権現

来週奥様が友人と出かけるのでワイは1日フリー!フリーダム!どっか遠くに行くでしょ!
…しかしここのところ寒さやら雨やら暴風やらつまらぬ用事やらで満足に乗れてない。間違いなく衰えている。そこで今日はロングライド、ヒルクライムをすることにする。

関東でも屈指の激坂として知られる子ノ権現。
しかしワイの経験上、激坂はラスト部分だけで、それ以外は優しめの斜度だ。なまったワイには丁度良いだろうとあっさり目的地として定められた。
この時点ではあんなことになろうとは夢にも思わないワイであった…。

という言い回しってよくありますな。これが使えるようなハプニングでも起きればもっと面白いブログとなるのでしょうが、現実的には何事も無くこうしてこれを書いてるのであります。
みなさんもそうですよね?ね?

久々に夜明け前に走り出した。寒い。あ耳当て忘れた。

自宅より子ノ権現までは80キロ弱。
日が昇ると少しあたたかく感じる。
なまった体には程よい距離をのんびりにならない程度で走る。
多摩川を離れ、青梅市を抜け、山王峠、倉掛峠を超える。

個人的には倉掛峠が好きだが何故か倉掛では写真を撮らづ…

思ってたよりもまだ足にゆとりがあって心地よく来れた。

ここまで自分を偽りつつ、ごまかしつつ走ってきた。

正直に書くと、ここのところロードバイクに乗れてなかったのは外的要因だけではなく、億劫だった、というのもあった。むしろそっちのほうが大きいかも知らん。
乗りたくないなら乗らなきゃいいじゃん。って思ってはいたが、実際乗るのが億劫になってみると、何だか不安になっていた。

これってロードバイク飽きてきたってことか…?
と。
 
そんな不安を抱えつつここまで走ってきた。
風を切って走っていると確かに気持ちは良い。
しかし以前のような高揚感は感じない。
飽きてはいない…かな?くらいの気持ちだった。

青梅を抜けると気温がぐっと下がり、耳当てを忘れたことを思い出す。

だけどの普段の生活から離れた場所に来て、違う空気に触れ、馴染のない鳥のさえずりを聞き、焼畑?をしている匂いを感じると何とも言えない心地よさを感じたりするワイであった。

この「何とも言えない」をどうにか表現したいなと考えながら走るけどなかなか思いつかない。
郷愁?…違う。ノスタルジック?…違う。望郷?違う。全部同じか。
過去の記憶を刺激されている?…そうでもない。
結論に達する前に子ノ権現の看板が登場。

要所要所で道を標べてくれるから迷うことはない

日が当たるところは暖かかったのだが、山に入り始めると空気が締まって【「耳当てを忘れてきたことを思い出した」事ことを忘れていた】ことを思い出した。

子ノ権現を登るとはどこからなのだろうか、とか考えながら緩やかな登りをこなす。
70キロくらい走ってきたナマって太ったワイでもこなせる程度の斜度が続く。

ここか?子ノ権初めは

いくつかの集落を抜ける。
斜度もそれなりになってくる。5%〜10%くらい。まだ余裕はある。
なぜかブルーハーツの少年の唄を口ずさむ。なんでだ。
1年ぶり、3年連続の子ノ権現。
頂上がお寺のせいか少々身が引き締まるような、神聖な領域に踏み入れているような気がする。
一箇所だけ一瞬間違えそうな分かれ道がある。
「↑行き止まり」が子ノ権現天龍寺かな?って。しかしここは右折。

ららららーらららーまちがっちゃいないぃ

相変わらず斜度はたまに10%ちょっと越えたりする程度。
こんなもんか!ネノゴン!って世間知らずの余裕をカマしながら半笑いの登坂が続く。
過去2年登るたびに権現リングを買っている。
最初は白。次は赤。
今年は青にしよう!って、あ!お金持ってきたっけ!?あー…持ってきたわ!よかったー!
と一喜一憂しながらついに・・・

ここからだ

ラスト300Mを迎える。
ここからが本番でありクライマックスだ。
たった300mかと心折れること無くペダルに力を込める。
ワイはラピュタを何回も(か)登頂しとるんじゃ!余裕余裕!

でもない!きっつ!マジか!あほか!あスイマセン(権現様に)そういう意味じゃありません!
とか一気にカオスのワイ。
確かにきつかった。そういえばきつかった。
しかしやはり短いので、ここはほとんど根性論で切り抜ける。
斜度が落ち着くとすぐに、ふー結構きつかったな、と余裕が戻ってくる。

到着。ステムに見える赤が去年の権現リング赤だ。

計画通り青リングを購入。800円。値上がりしてない?まいいや。
朝の時点では余裕があれば向こう側に降りて登り返そうと思っていたが、時間的にも、足の残量的にも無理と判断し大人しく帰路についた。

反対側へはまたいつか

特に何事も無く順調に帰った。

今朝の不安が完全に払拭されたという実感はない。
ワイは少しロードバイクに飽きてきているのかもしれない。
飽きたくない、という気持ちがある。
それはどこから来るものなのか。
ロードバイクという高い買い物をしたからなのか?
ロードバイクで何も達成していない、何もやりきった感がないからなのか?
ロードバイクに乗らなくなったら特にやりたいことが思いつかないからなのか?

早起きしてロードバイクに乗って良かった。とは思う。

いつもの多摩サイはいつもの多摩サイであり、誰もワイを気にしないし、ワイがロードに乗らなくったって誰も気にしない。
多摩川がガンジス川に思えなくもない昼下がり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?