旅の記録(2)「熊本(前編)」(2023/08/12〜08/15)

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は旅の記録です。
大学時代の友人と熊本旅行に行ったので、書いておこうと思います。

一日目 移動(青春18きっぷ)

旅は移動から始まる。
というと、ちょっと格言っぽい?
始発で出発し、16時間以上かけて、日が暮れてからなんとか到着しました。


山口県岩国駅で食事
改札出てすぐのカフェにて
ふつうに美味しかった


Kyusyu railway
なんかおしゃれ


友人達は明日新幹線や夜行バスで来るので
一番乗りでした

この日は移動だけで終わりました。

二日目 県立美術館と阿蘇山と馬刺し

二日目は友人と熊本駅で12時集合だったので、午前中に熊本県立美術館を訪れました。

彫刻が結構たくさんありました
「西川貴教おった」
と友人に言ってもあまりウケませんでした。
完全に一致していると思ったのですが……


古賀春江〈海〉
形は似ているが対立的なものを配置
超現実を目指しているらしい?

以下、いくつか特に覚えておきたいことを箇条書き

・『白樺』はセザンヌやゴッホを芸術で自己を表現した「人格者」とし、岸田劉生や萬鉄五郎らを後押しした
・岸田劉生
→〈壺の上に林檎が載ってある〉
→神秘的写実を自称
・萬鉄五郎〈裸体美人〉
→ゴッホやマティスの影響
・梅原龍三郎〈黄金の首飾り〉
→ルノワールに師事
→平面的(ルノワールは立体的)
・村山知義〈あるユダヤ人の少女像〉
→あらゆる材料と手段を用いて視覚・触覚・連想を呼び起こし、意識を覚醒させる方法=意識的構成主義
・藤田嗣治
〈バイオリンをもつ子ども〉
→日本画風の極細輪郭線、ダヴィデ像などに用いられているコントラポスト(片足重心)、乳白色
・モーリス・ド・ヴラマンク〈湖畔〉
→セザンヌ的な方向性あるタッチ+独自のスピード感・重厚感=ざわめき
・アンドレ・ロート
〈麦わら帽子を被ったマルグリット〉
→形を留めたキュビスム
→なんとなく良い構図
小磯良平〈練習場の踊子達〉
→踊子達の頭の高さが揃っているが、
足やスカートや光の位置で遠近感を表現。
・藤田嗣治〈猫〉→めっちゃ良い
・マルク・シャガール〈ふたり〉
→シャガールは婚礼や故郷の町並みのモチーフが多い
・石垣栄太郎〈腕〉
→ハンマーは労働者の象徴(ソ連国旗)
・藤田嗣治〈アッツ島玉砕〉
→歴史画・宗教画っぽい配色だが、
日本人の表情が写実的でリアル
・岡本太郎〈夜明け〉
→対立する二つの要素を矛盾のまま対置させ、創造のエネルギーに結びつける
山下菊二〈あけぼの村物語〉
→見てると気持ち悪くなる、悲惨

メモが思ったより長くなってしまいました。
博物館・美術館系は別の記事にまとめて、リンクを貼る形にした方がいいかもしれません。

さて、今回は美術館の記録ではなく旅の記録です。
12時頃に全員集合。

駅前のアミュプラザの勝烈亭のトンカツ
車で阿蘇山へ
景色が雄大すぎる
これ草原というものか
映画のワンシーンでありそうな丘

この緑に関して、先日訪れた白神山地と比べると、とても明るく感じました。
白神山地は深緑、阿蘇山は黄緑のイメージです。
こういう自然を実際に体験できたのはかなり良い経験だと思いました。

火口付近まで来ると
一気に雰囲気が変わります。
こんな感じ
ゴロン族は多分こういう感じで住んでる
なんか良い感じの稜線
良い景色

そういえば途中、草千里ヶ浜という所を通りました。
見た瞬間、「草の生えた鳥取砂丘だ」と思いました。ほんとにめちゃめちゃ似てるんです。
こちらは今回時間がなくて行けなかったので、また今度行きたいです。

夜ご飯は馬刺し
めちゃめちゃ美味しくて感動
日本酒もめちゃめちゃ美味しい
この時の為にこれまでの労働があったのだと、心が満たされました。
幸福、至福。
次に熊本に来た時も絶対に来たいお店です。
このデザートの名前、忘れてしまった
マールブランシュっぽい名前だった気がする

この後、駅近くのホテルに帰ってこの日は終了。
めちゃめちゃ充実した一日でした。

三日目 熊本ラーメンと熊本城と熊本市現代美術館

この日は10時にまったりとチェックアウト。

ブランチは熊本ラーメン
焦がしにんにくが特徴だそうです
おいしかったです
熊本城へ
なかなか良いビジュアル
本丸の上から見た景色
自然と建物が良いバランス
あつすぎて豆乳マンゴーフロート購入

熊本城は観光案内が充実していて良かったです。
築城主の加藤清正は、歴史に疎い私でも名前を聞いたことがありました。
豊臣秀吉に仕え、柴田勝家との戦いで活躍し、「賤ヶ岳(しずがたけ)の七本槍」と呼ばれる槍の名手の一人だそうです。
印象に残っているのは熊本城の堅牢さです。加藤清正は築城経験が豊富だったそうで、色んな工夫があったようです。
具体的に覚えているのは、武者返しや算木積みです。
それはともかく、築城経験豊富って、冷静に考えるとすげえな、と思いました。
この日も熊本城の色々を見る度に「やっぱ築城経験積んでるからな〜」と内輪ネタで盛り上がりました。

本州に台風が迫っていたため、
早めの新幹線を予約した友人に合わせて
熊本駅に戻ってきました。
一人見送って、残りの三人でクレープ
そういえば大学時代もこの三人で、
よくパフェを食べに行ったものでした。
今年でもう七年目の付き合いになります。
後の二人も見送った後、熊本市現代美術館へ
YouTuber特集みたいな特別展でした
ネットの歴史、YouTuberの生活やQ&Aの他、
実際にゲーム実況や動画作りを体験できる
コーナーなどがありました。

以下、ネットの歴史まとめ
個人的には、iPhone日本上陸より初音ミクの方が早いことに驚きました。

・1995 Windows95、プリクラ
・1999 2ちゃんねる、iモード
→匿名性・オタクへの注目
 →「電車男」(2004)
・2006 YouTube、ニコニコ動画
    Twitter、Facebook
・2007 初音ミク
・2008 iPhone3G(日本初iPhone)
・2009 Android端末
・2011 LINE
→東日本大震災でSNSでの繋がり拡大
・2014 Instagram
・2015 SNOW
・2016 キズナアイ(VTuber)
・2017 TikTok
・2021 新型コロナウイルスの影響
→Zoom、Vlog、YouTubeショート、
 おうち時間

この後、同じく熊本市現代美術館でやっていたもう一つの展示を見ました。
武内明子さんの「空っぽと詩」というタイトルです。
解説パネルによると、「空っぽ」とはさまざまな可能性を呼び込むもの、詩とは空っぽから生み出された色や形やタイトルなど、だそうです。

〈ほんとうを掬う〉
写真では見えにくいですが、穴開きお玉です
〈四本足の花〉
〈雨を二粒なめるスプーン〉
〈ミルフィーユ畑〉

また、写真は撮っていないのですが、作者である武内明子さんの日記帳が展示されており、とてもエモかったです。
小学三年生の日記帳なのですが、
「何を書いていいかわからない」→「次からはちゃんと書こう」→「次からちゃんと書こうと書いたから書くけど、そんなこと書かなければよかったと心の中で思いました」
とこんな風に書かれています。
そして、それに対して先生が赤ペンで丁寧にコメントをつけておられます。
「そうやって一生懸命考えているのがわかるからそれでいいんだよ」と。
そしてエモいのが、その日記帳を十八年ぶりに見つけた作者が、また日記帳を書いて、先生に提出したそうです。
「また何を書いていいかわかりません」という内容に対して、「また持ってきてくれてありがとう」という先生の赤ペン。
また、小学三年生の時に「トマトが嫌い」という内容に対して先生が「いつか好きになれるよ」とコメントしていたのですが、大人になってからの日記で「本当になりました」と書かれていました。
その後も先生とのやりとりが続き、その一冊を終えるのに三十一年かかったそうです。
私の文章が下手で上手く伝わっていないかもしれませんが、心の奥の片隅が震えるような感じで、涙をこらえながらの鑑賞となりました。

最後に武内明子さんの言葉を引用して終わります。

Y字路のように、一方から絵がやってきて、もう一方から言葉がやってきて、出会った時に一つの道になって完成に向かっていく

この視覚的イメージは何か参考になりそうだと思いました。

おわりに

かなり長くなってしまいました。
後編は旅行最終日、草枕の道編です。
こちらは小説が書けそうなほど色々あったので、忘れないうちに書きたいと思います。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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