旅の記録(2)「熊本(草枕の道編)」(2023/08/12〜08/15)


はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は前回の続きで、熊本旅行の記録です。
後編は最終日、草枕の道を歩いた記録です。
せっかく熊本に来るなら、読書好きとして夏目漱石『草枕』の聖地巡礼をしておこうと思い、友人を見送った後に一人延泊をしました。

起 いざ、草枕の道へ

午前三時半起床。四時チェックアウト。
Googleマップによると6時間弱歩かなければならないので、できるだけ暑くならないうちに山を登っておきたいと思い、早起きしました。
近くの吉野家で朝食を摂り、四時半に出版。

夜明け頃
ダンジョン1「はじめの森」へ
割とちゃんと舗装されていたので安心
坂もそれほど急ではなく、普通に歩ける
しかし、とにかく虫が多い
5秒立ち止まったら蝿のような虫の音
数分事に蜂っぽい虫が横から飛び出てくる
勿論戦闘は行わず、すぐに走って逃げた
慣れてくると、虫の羽音が少し遠くても
聞こえるようになってきた。
常時臨戦態勢、行住坐臥武士たることが、
いかに精神を消耗するか身を以て実感

承 絶景と記念撮影

しばらく歩くと、左側が開けた場所に到着
登り始めて一時間くらいだっただろうか、
いつの間にこんなに登ってきたのか不思議
奥の方に美しい光のシャワーが見えたのは
ラッキーだった。
歌碑
木瓜咲くや漱石枕を守るべく
(小さな羽虫と戦いながら撮影)
新潮文庫とツーショット
思えば、ここが地獄への入口だった
草枕の道はコンクリの道
峠の茶屋
ぼくのなつやすみ
(カラスアゲハ、モンキアゲハ、
カラストンボらしき虫たちを発見)
歌碑
家を出て師走の雨に合羽哉
石畳の道
割とがっつり坂道
ついに海が見えるところまで到着
とく特に何もなかったけど一応


歌碑
天草の後ろに寒き入日かな

転 冒険は危険

ダンジョン2「草の道」
ちょっとヤバそうだなと思いましたが、
ここまで来たのだから、と覚悟を決めて
ダンジョンに入りました。
虫たちから逃げながら進んでいくと、
草の背はどんどん高くなっていきます。
胸の高さまで草が生い茂っているところも
ありましたが、引き返すわけにもいかず、
思い切って強行突破。
蜘蛛の巣がかかっていたら、
横にある蔦で切って進むのが攻略法。
ゼルダっぽいなと思いながら進みました。
立ち止まる余裕が無かったので、
ダンジョン内の写真は撮れていません。
しかし、逆に言えばそのくらい厳しい
ダンジョンでした。
後半は走り抜けてなんとか踏破。
ダンジョン3「恐怖の森」
前のダンジョンで「草枕の道」コースの
恐ろしさを味わったので、入口で警戒。
しかし、ここまで来て引き返すわけには
いかないし、引き返すということは、
あの「草の道」ダンジョンをもう一度
通らなければならない。
覚悟を決めて、ダンジョンに入る。
しかし、こちらは「草の道」とは
比べ物にならないほどの獣道であった。
襲い来る蜂、逃げる私。
下り坂なので、容易に止まれない。
枝をくぐる。蜘蛛の巣を間一髪で避ける。
腰の高さまで生い茂っている草など
気にかけている余裕はない。
走る、走る、出口が見えない。
「無理無理無理
ごめんなさいごめんなさい
助けて助けて助けて」
叫びながら走り続ける。
ようやく出口に着いたときには
服は所々露で濡れ、蜘蛛の巣まみれ。
葉っぱや蜘蛛の巣を払い落としながら、
それでもほっと一息つく。
この時思ったことは二つ。
「連れがいなくて良かった」
「二度と来たくない」

結 文明の安心感

恐怖の森を抜けると、車の音が聞こえてきました。現代に帰ってきたんだなぁと実感しました。
この後は特に厳しいダンジョンもなく、のんびりと歩きました。下り坂は膝に甚大なダメージを与えましたが。

謎の朱色の釣鐘
『草枕』の源さんのモデルの生家跡かな?
伝書鳩?流石に違うかな
熊本城で習った「算木積み」
ただの民家(空き家?)でした。
この石垣がいつできたのかはわかりません。
草枕交流館
優しい夫婦が色々と教えてくださいました
草枕の道は春から冬にかけて
ハイキングツアーがあるため、
夏は草が伸び放題だそうです。
春や冬に来たら、あんな怖い思いは
せずに済んだのかもしれません
ここでは公募で俳句の募集や選考も
行っているようでした。
那古井の宿のモデルであり、
夏目漱石が実際に泊まった前田家別邸
那美さんが現れた風呂場はこんな感じ
あとで訪れた草枕温泉てんすいでは、
これを再現したお風呂がありました。
こんな感じ
こんな感じ
こんな感じ
残念ながら日帰り入浴はやっておらず、
写真を撮っただけでした。
歌碑
温泉や水滑らかに去年の垢
少し引き返して、日帰り入浴できる温泉へ
草枕温泉てんすい
ここまでの登り道が地味にきつかった
入口の看板
たっぷり一時間、入浴しました。
上がったらソフトクリームを食べながら、
この後の計画を練ります。
しかし、一回休憩すると一気に疲れが来て、歩くのが嫌になりました。
というか、左膝が限界を迎えていました。
この時、歩数計は3万2千歩くらいでした。
この後、最寄りの駅まで二時間弱歩く
つもりでしたが、諦めてバスに課金。
二時間に一本のバスがちょうど30分後に
来たので、熊本駅に直行しました。
ちなみにここで、「草枕まんじゅう」というお土産を買いました。
熊本駅に着いて、まずお土産を購入
その後、朝四時半に吉野家で食べて
温泉でソフトクリーム食べたけど、
まともにご飯を食べてないことに気づき、
駅前のラーメン屋・富喜製麺さんへ
おいしかったですが、
わざわざ熊本に来て食べなくてもいいかな
と思いました。でもおいしかったです。
ラーメンを食べ終えたのが確か16時半頃
ここから観光するのは
時間的にも体力的にも厳しかったので、
コメダで本を読んで時間をつぶすことに
徒歩20分の距離をのっそのっそと歩き、
おばあちゃんに追い抜かれつつ30分で到着
ジャスミンマンゴーのかき氷を注文
とてもおいしかったです
ジャスミンマンゴー、飲み物でも飲みたい
駅に戻ってきて、やっぱりお腹が空いたので
駅前のラーメン屋・桂花さんへ
一番人気の太肉麺を注文
野菜が多くておいしかったです
欲を言えば、卵が半熟であって欲しかった
あとチャーシューの醤油味が少し濃くて辛い
それ以外はとてもおいしかったです
ただ総合的に見ると、
前日に食べた黒亭さんのラーメンの方が
バランスが良くて好きだったかなと思います
ラーメンを食べた後、
夜行バスで帰りました。
Googleマップに嘘をつかれ、
バス停に着くのがギリギリになって
とても焦りましたが、なんとかセーフ。
三列シートで深夜休憩無しだったので、
一回も起きずに寝ることができました。

おわりに

朝帰ってきて、次の日にこれを書きました。
膝の痛みはだいぶなくなりましたが、筋肉痛はまだ治っていません。
山を上り下りしたので、足の前も後ろも筋肉痛です。早く治ることを祈ります。
けれど、そのくらい安い対価だと思えるほど、充実した旅行でした。
また熊本に行きたいです。
あ、そういえば書き忘れていたので最後に書いておきますが、熊本はかなり整備されていて住みやすい街だと思いました。関西や東京に行きづらい地理的なデメリットがなければ、永住したいくらい良い街でした。
良い街だったなぁ、熊本。馬刺しも日本酒も美味しかったし。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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