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大切な人が認知症かも?と思ったら「ボケ日和」を読もう

こんばんは。
今日は先日読んだ「ボケ日和-我が家に認知しがやってきた!どうする?どうなる?」について書きたいと思います。


本を読もうと思ったわけ

私の周りには数人認知症の人がいます。
最初は少し遠い親戚で、たまに介護している人の話を聞いて大変だなぁと思いつつも少し人事のように聞いていました。
なぜなら、実際その遠い親戚の方は電話で話すと認知が始まる前と全く変わらずにお話しされていましたし、会った時も事前に説明されていないとわからないくらいの対応だったからです。
人事だと感じていたのは私自身が認知症だと感じていなかったからかもしれません。

それから数年経ちました。
祖父を亡くした祖母の家に久しぶりに遊びに行った時のことです。
父からは「もうボケてきてるから」と聞いていました。遠い親戚のことを思い浮かべながらなぜか「祖母だけは大丈夫」と思っていた節があったのかもしれません。
同じことを質問してきたり、ちょっと前に話したことを忘れてる風ではありましたが、それは認知症と言われる前からもあったので、なんとなくスルーしながらいつもと変わらない楽しいひと時を過ごしました。
帰り道、父に写真を送ったら「いい写真なので祖母に渡してくる」と言い、翌日祖母のところに行ってくれました。
その時です「え、これいつの写真?昨日?Aきてくれたのー?私その場にいた?」と言ったそうです。その話を母からきいた時、なぜだか涙がでました。
涙することじゃないのかもしれません。
ただ「ちょっと忘れっぽくなった」程度で流石に訪問したことは覚えてくれていると思っていたので、確実に祖母が認知症になったと認識し、思わず悲しくなってしまいました。

この出来事をきっかけに、ショックを受けるだけではなく、認知症についてしっかり知った方がいいと思い本を手に取りました。

今思えばこのタイミングで本を買って読んでとてもよかったと思います。

本のあらすじ

本は、認知症を専門に外来をされている長谷川嘉哉先生が書かれています。

認知症を専門に外来されており、この本では、あれ?認知症かな?と思った時を春、その方がお亡くなりになるまでを冬と称して、認知症になった方の流れから、その周りの家族で起こる色々なことが書かれています。

長谷川先生いわく、自分が長年見ていることなので、認知症が始まって亡くなるまでの流れはみんな知っているもんだと思っていたけど、講演会を通じて、実はみんな知らない。知らないから家族間でボケたボケてない、言った言ってない、なんじゃかんじゃと揉めてしまう。それが少しでもなくなるようにと本を書いてくださったそうです。

本を読んでよかった事

この本を読んでよかったことは、もう…本の全部です…!
全てがそうそう!そうなのよ!で、どうなるのよ?ということが書かれていました。

周りの大切な人が認知症かも?と思ったらぜひ読んでいただきたい至高の一冊です。

と書くと、もっと知りたい方もいると思うので、本の中でいくつか印象に残っていることを書きたいと思います。

認知症には大体の流れがある

認知症がなると思うと、いつまで続くんだ!という不安から「しっかりしてよ!」と思ってしまい、認知症のご本人や、介護をしている家族間で喧嘩が増えていくと思いますが、認知症は始まるとそれから10年で大体の方がお亡くなりになるそうです。
あれ?認知症?というのが2.3年続くと本格的な認知症の症状が出てくるのが4-7年くらい(物忘れや、怒りっぽくなったり、万引きしたり世話してる人を泥棒扱いしたり等)
最後の数年は忘れていくものが多くなり穏やかに最期を迎えるそうです。

どうでしょうか?
今大変な方も、もうこの流れがわかるだけで先が見えてくる感じがしませんか?
私はこれを知ったことで、ショックを受けつつも「あぁ、あとこうやって会いに行けるのも10年ないのか…」とも思いました。

介護施設に入っても少ししか楽にならない

この本を読んで印象的だった二つ目の話は介護施設についてです。
介護施設に入れる入れないで世話している側で揉めることもあるそうです。
本にはだいたいのお世話をしている嫁さんが世話できなくなって施設に入れたい。あまり世話してない夫がまだ家で見れる!と言い張るそうですが…

なぜ施設に入れないでまだ行ける!と夫側が思うのかというと、世話をしていないということと、施設にいれると100%楽になる=罪悪感を持つからだそうです。
確かに自分の親だから自分で見なければ!と思いたくもなりますよね。
ただ、実際楽になるのは3-4割くらいで、施設に入れても電話がきたり、洋服を変えに行ったり、病気になれば病院には家族が連れて行ったり…ということで3-4割楽になるだけですよ。
と話すと意外とすんなり施設に入れることを承諾される方も少なくないそうです。

本を読んで思ったこと

この本を読みながら思ったのは、介護って子育てに似てるな…ということです。(実際に介護したことないので違ったらごめんなさい)

もちろん子育ては終わりがあり、成長という楽しみがあります。
認知症の介護については約10年で終わる部分は似てますが、成長という楽しみはなく、ずっと頼りになると思っていたが老いていく姿を見るのは辛いかもしれません。ただ、この施設に入れるという件なんかは、子供を保育園にいれるのはかわいそうかわいそうじゃない論争となんとなく似てるなと思ったのです。

そして保育園にいれても日中は子育てからは距離がおけますが、仕事もしなきゃだし、病気の呼び出しがあるかもしれないし、帰ってきてからの夕飯とか考えたら100%なんか楽にならないわけです。

祖母についての愚痴を父親から聞くと、我が子と似た発言を祖母がしているなと思うこともあり、カタチや年齢、相手は違えど父と一緒に似たようなことをしている気分になりました。

というわけで、大切な人が認知症かな?と思った方や、認知症について知りたい!と思う方はぜひ読んでみてください。
とても勉強になること間違いなしです。

ではまた。

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