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WEEKLY REFEREEING ANALYSIS EXTRA「J1第31節 札幌 vs C大阪」R西村雄一さん 無料ハイライト映像で学べるポジショニング+データ

ハイライトで学ぶポジショニング

この分析において最大のネックは映像をフルマッチで用意できないことである。それを解消するために、無料で観れるDAZN公式のハイライトを活用し、2つのシーンから勉強したいポジショニングを見ていく。

セットされた攻撃への理想的なポジション(1:39~)

このシーンではある程度攻撃側と守備側が準備できた状態=セットされた状態でクロスがPA内に上がっている。西村主審は、最初半身でクロスを上げる選手を視野に入れているが、最終的にシビアなポジションであるPA内を見るために正対している。そして、スプリントをしていないで、最初から良いポジションにいるため、動かず視線のブレの少ない正しい判定につながる状態でいられる。最後のPA付近ではなるべく落ち着いた状態で判定したい。

ニュートラルポジションからのカウンターへの対応(1:47~)

動画の最初では、札幌の選手がボールを保持している。そのため、西村主審はC大阪のMFの後ろ、DFの前のスペースを取っている。この「ニュートラルポジション」は今回の分析で再三再四見てきたものであるが、このポジションの利点として、展開がどちらに転んでも対応しやすいということがある。
今回のシーンのように、札幌のビルドアップが失敗した場合も比較的リカバリーしやすい。
この西村主審の動きで特筆すべき点は、「縦の動きではなく横の動きを最初にしたこと」である。このシーンは、素早いカウンターにはならなかったため、比較的時間に余裕があったため、距離を詰めるより先に横に動くことで角度を理想的な角度にした。このことで、主審ーボールー副審の「R-B-A」の関係を作り出した。その後ランニング程度の速さで、理想的な距離といえる10ヤード(9.15m)程度まで近づき、得点時には歩いて判定をした。この動きは本当に勉強になる動きであると考える。


データ編

公式記録
明治安田生命J1リーグ 第31節
北海道コンサドーレ札幌 1-3 セレッソ大阪
審判団 主審 西村 雄一 副審1 野村 修 副審2 堀越 雅弘 第4の審判員 船橋 昭次
得点者 札幌  ジェイ (65')
    C大阪 ブルーノ メンデス (40'・80') 清武 弘嗣 (54’)
警告  札幌  ジェイ (62')
シュート数    札幌  9-14 C大阪
コーナーキック数 札幌  5-1  C大阪
フリーキック数  札幌  13-12 C大阪
(J. League Data Siteより作成 https://data.j-league.or.jp/SFMS02/?match_card_id=24159


反則にまつわるデータ(Árbitro調べ)

オフサイド
札幌1回 C大阪0回

オフサイドはC大阪の前半開始早々の1回のみで間接FK数は札幌に1回のみ。

ファウル数
札幌 11回 
3回 48ジェイ 8深井 一希
1回 20キム ミンテ 7ルーカス フェルナンデス 32田中 駿汰 5福森 晃斗 2 石川 直樹

C大阪 13回
2回 20ブルーノ メンデス 3木本 恭生 15瀬古 歩夢 17坂元 達裕 25奥埜 博亮
1回 22マテイ ヨニッチ 10清武 弘嗣 5藤田 直之

ファウル数は上記のようになり、57分に出場した札幌8深井一希選手が、48ジェイ選手と並んで最多の3回となり、出場時間数のわりに多い数となった。

被ファウル数
札幌 13回
2回 48ジェイ 
5福森 晃斗 14駒井 善成 11アンデルソン ロペス 7ルーカス フェルナンデス
1回 20キム ミンテ 31高嶺 朋樹 30
金子 拓郎

C大阪 11回
3回 16片山 瑛一 
25奥埜 博亮
1回 2松田 陸 20ブルーノ メンデス 10清武 弘嗣 22マテイ ヨニッチ  32豊川 雄太

ファウルを受けた選手については、札幌は満遍なく様々な選手がファウルを受けた。C大阪は16片山瑛一選手と25奥埜博亮選手が多くファウルを受けた。特に片山選手は3回とも75分から90分の間にファウルを受けている。

アドバンテージ数(ファウルをするがアドバンテージとなった回数)
札幌 2回 
1回 32田中 駿汰 5福森 晃斗

C大阪 1回
1回 16
片山 瑛一

アドバンテージは試合中に3回あった。3回ともが30分から45分の間にされている。

被アドバンテージ数(されたファウルがアドバンテージとなった回数)
札幌 1回 
1回 30金子 拓郎
C大阪 2回
2回 清武 弘嗣

アドバンテージとなったプレーでファウルを受けたのは上の2名だった。清武弘嗣選手はファウルとアドバンテージを併せると3回ファウルを受けている。

ファウル・アドバンテージの時間(ファウルをした側のチームの回数)
ファウル・()内はアドバンテージ
0分~15分
札幌2回 C大阪3回
15分~30分
札幌2回 C大阪3回
30分~45分
札幌0回(+Adv. 2回) C大阪1回(+Adv. 1回)

前半合計
札幌4回(+Adv2回) C大阪7回(+Adv1回)


45分~60分
札幌1回 C大阪3回
60分~75分
札幌1回 C大阪3回
75分~90分
札幌5回 C大阪0回

後半合計
札幌7回 C大阪6回

ファウルの時間帯として、後半の最後の時間帯C大阪0回に対し、札幌5回と多くなっている。1-3で負けている札幌が焦りから反則を犯したと考えることもでき、得点状況も反則数に影響するといえる。

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