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【無料】好調な米国経済と潜在成長率

投資猫レイです。

米国経済は大方の予想を裏切る形で堅調を維持しています。

そして、このことは「米国の潜在成長率が上昇しているのではないか」という憶測に繋がっています。

・最新の米国経済見通し
・潜在成長率の上昇は何を意味するのか

こういった点について解説します。

まずは最新の米国経済見通しです。

このチャートは、アトランタ連銀の公表しているGDP NOWの推移を示しています。

GDP NOWとは、アトランタ連銀が複数の経済指標等から独自のモデルで算出している米国の経済成長率の予測値です。

緑色のラインが最新の2023年第3四半期の米国経済の成長率見通しです。

最新の見通しでは、今期の米国経済成長率は年率+5.8%程度と予想されています。

これは極めて高い数値です。

つまり、FEDが急速に金融環境を引き締めているにも関わらず、米国経済はかなり好調なのです。

そして、このことは、米国の潜在成長率が上がっているのではないか。という思惑に一部で繋っています。

潜在成長率とは、ざっくりとは、その国の中期的に持続可能な経済成長率のことです。

「経済成長率の実力」というイメージですね。

Source, NY FED BLOG


このチャートはNY連銀のスタッフが算出している米国の潜在成長率の推移です。

二つのモデルによる推計値が示されていますが、DSGEモデルの算出する潜在成長率はコロナ禍以降に大きく上昇しています。

潜在成長率の推計値はかなりの幅を持って見る必要があります。しかし、一部のモデルでは、潜在成長率が引き上がっている可能性がたしかに示されているのです。

それでは、潜在成長率の上昇は何を意味するのか。

まずは、金利の上昇を意味します。潜在成長率が上昇すれば、経済を加熱し過ぎない金利水準も上昇すると考えられるからです。

もしコロナ禍前より潜在成長率が上昇しているのであれば、米国の金利もそれに合わせて上昇するのが自然だと考えられます。

そして、金利が上昇するのであれば、ドル高になりますよね。

また、経済成長率の上昇は、企業利益の成長率上昇にも繋がることから、株価にもポジティブな材料です。

実際に米国の潜在成長率が引き上がっているのかはまだ分かりませんが、潜在成長率は中長期的な投資リターンに大きい影響を与えることから注目の指標です。

See you!

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