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【無料】JPモルガン決算、利上げが追い風に?

投資猫レイです。

米国最大の銀行、JPモルガンの2023年4-6学期決算が公表されました。

最大のポイントは、NII(純金利収益)の急増です。


このチャートは、JPモルガンのNII(純金利収益)の推移を示しています。

FEDの利上げとともに急増していることが分かりますね。

背景は次の通りです。

銀行の貸出金利の大部分は、市場金利に連動します。

したがって、FEDの利上げによって貸出金利収入は増加するのです。

一方で、預金金利は、貸出金利ほど市場金利に対するセンシティビティが高くないです。

そのため、預貸利鞘が改善し、NII(純金利収益)が増加するのです。

しかし、なぜ、預金金利のセンシティビティは低いのでしょうか。

預金金利のうち、決済性預金(当座預金)の金利はゼロであったり、市中金利より大幅に低く設定されることが多いです。

預金者は、たとえ金利が低くても決済性預金を常に保有する必要があることから、銀行は金利を引き上げる必要がないのです。

そして、JPモルガンは、米国最大の銀行として、決済ビジネスで大きなシェアを持っていることから、多額の決済性預金を保有していると見られます。

また、JPモルガンのような大手銀行の信用力は非常に高いことから、多少、金利が低くとも預金が集まりやすいという要因もあります。

特にシリコンバレー銀行の倒産以降はこの傾向が強まっています。

こうした預金調達力の優位性が、利上げ環境下で、JPモルガンの強力な追い風となっている訳ですね。

MMFと呼ばれる預金代替商品との競争には晒されていますが、高い金利は今後もJPモルガンの業績を下支え続ける見通しです。

See you!

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