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【中国語文法】よく使う補語「-不去」「-不来」の使い方を確認しよう!

中国語学習における大きな難関のひとつである補語。ひとくちに補語といってもその種類や用法は幅広く、一般的な理論というものがあまり存在しない領域なので、ひとつひとつ覚えていくしかありません。。今回はその中で日常生活で使用頻度の高い「不去(búqù)」「不来(bùlái)」(方向補語)について詳しく解説していきます。

「-不去」の一般的な用法と例文

動詞+「不去」の意義は非常に明確で、主語となる人の動作が相手方向へ「行く」イメージを持ちながら、結果的に動作「できない」という意味を形成するわけです。

つまり、使う動詞は基本的に「移動」を伴うものになりますが、使用する動詞のほとんどが「进」と「回」になります。ちなみに「できる」という肯定形の場合には、「-得去」が使われます。

例文:
A:小杨,你最近见过老王了吗?因为我要有个事情跟他说一下啊。
B:我没有,也特地去过他公司了,但好像他们也没人。再说我进不去里面,所以我也不知道他去哪里。
A: Xiǎo yáng, nǐ zuìjìn jiànguò lǎowángle ma? Yīnwèi wǒ yào yǒugè shìqíng gēntā shuōyīxià a.
B: Wǒ méiyǒu, yě tèdì qùguò tāgōngsīle, dàn hǎoxiàng tāmen yě méirén. Zàishuō wǒ jìnbúqù lǐmiàn, suǒyǐ wǒ yě bùzhīdào tā qùnǎlǐ.
A:楊ちゃん、最近王さん見かけた? 僕は彼にちょっと話したいことがあるんだけど。
B:会っていませんね。彼の会社にも行ってみたのですけど、会社には誰もいないようです。私も中に入れないから、彼がどこに行ったのか分からないんです。


例文:
A:今天怎么搞的,我们出差来了,也估计今天没办法解决客户的问题。
B:现在时间呢,我们已经回不去了,还不如在这边找个酒店住一天吧,明天一定要解决。
A: Jīntiān zěnmegǎo de, wǒmen chūchāi láile, yě gūjì jīntiān méibànfǎ jiějué kèhù de wèntí..
B: Xiànzài shíjiān ne, wǒmen yǐjīng huíbúqùle, háibùrú zàizhèbiān zhǎogè jiǔdiàn zhùyītiān ba, míngtiān yīdìngyào jiějué.
A:今日はどうしたっていうんだ。出張に來たは良いものの、今日はおそらくお客さんの問題は解決できないね。
B:今の時間だと、もう戻れないし、この辺りでホテルを見つけて一晩泊った方がよさそうだ。明日必ず解決しよう。

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「-不来」の一般的な用法と例文

一方で、動詞+「不来」は話し手のほうに「来る」という方向を意識した用法になりますが、話し手自身が動作を担わないケースは非常に多く、特に別の人を主語として動作を表す際においても頻繁に使われます。

例文:
A:我们家前面路很窄,也很多人还乱停车。
B:我也上次看过一次,有个很大的轿车根本进不来靠你家的那条路。
A: Wǒmen jiā qiánmiànlù hěnzhǎi, yě hěnduōrén hái luàntíngchē.
B: Wǒ yě shàngcì kànguò yīcì, yǒugè hěndà de jiàochē gēnběn jìnbùlái kàonǐjiā de nàtiáolù.
A:俺の家の前の道はすごく狭いのに、多くの人が車を勝手に泊めるんだよね。
B:以前一度見たことあるよ。大きな乗用車が君の自宅に続く道に全然入ってこれないのを。

例文:
A:今天小李没来哦,你知道怎么回事?
B:听说她孩子突然发烧了,家里也没人照顾他,所以她今天怎么样也出不来。
A: Jīntiān xiǎolǐ méilái ó, nǐ zhīdào zěnme huíshì?
B: Tīng shuō tāháizi túrán fāshāole, jiālǐ yě méirén zhàogù tā, suǒyǐ tā jīntiān zěnmeyàng yě chūbùlái.
A:今日は李ちゃん来ていないね。何があったのかな?
B:お子さんが突然熱を出したとかで、自宅にも面倒みる人がいなくて、彼女、今日はどうしても家から出られないらしいね。

動作の「不調和」を示す「-不来」の用法

また、動詞+「不来」には方向を意識しない使い方もあり、動作が「噛み合わない」という意味を成す場合もあります。

例文:
A:你那个新男友最近很少跟你一起出来哦。
B:早就分手了。其实跟他一直聊不来,所以我看跟他没缘分了。
A: Nǐ nàgè xīnnányǒu zuìjìn hěnshǎo gēnnǐ yīqǐ chūlái ó.
B: Zǎojiù fēnshǒule. Qíshí gēntā yīzhí liáobùlái, suǒyǐ wǒ kàn gēntā méiyuánfènle.
A:あの新しい彼とは最近あまり一緒にいるのを見ないようだけど。
B:とっくに別れたわ。彼とは話が続かないし、縁がなかったと思っているの。

例文:
A:上次好像新的客户来公司,跟老板一起谈过生意。你知不知道后来怎么样呢?
B:没结果了,听说人家提过的价格太低,所以老板觉得根本划不来。
A: Shàngcì hǎoxiàng xīnde kèhù lái gōngsī, gēn lǎobǎn yīqǐ tánguòshēngyì. Nǐ zhībùzhīdào hòulái zěnme yàngne?
B: Méijiéguǒle, tīngshuō rénjiā tíguò de jiàgé tàidī, suǒyǐ lǎobǎn juédé gēnběn huábùlái.
A:先日、新しい顧客が来社して、社長と商談していたみたいだけど、その後どうなったの?
B:ダメだったらしいよ。向こうの見積もりが安すぎて、社長も割に合わないと判断したんだとか。

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「-不去」「-不来」に関する疑問

助動詞との比較

これまで、「-不去」「-不来」の用法について述べてきましたが、助動詞(例:「能」「会」など)の否定形と比較した場合、その違いはどこにあるのでしょう。

一般的に「-不去」「-不来」を使った言い回しは動作が「できない」ことを意味するものの、その理由や背景を考慮しない言い方になります。「能」「会」の場合、「できない」物理的な制限や制約が明確に存在するため、文章上でもその使い分けはそれほど難しくはないのです。

類似の補語

一般会話でも使われる汎用否定形としては、動詞+「不了」もかなりメジャーな表現です。しかし、「-不去」「-不来」と比べると使い方のイメージがつきにくいかもしれません。

実は、この違いは非常に分かりやすく、動詞で表す動作を「完了」できないことを指します。「-不去」「-不来」が意味するのは、動作そのものが「不可能である」ことを指すことから、厳密にはニュアンスが少し異なっていることが分かります。

また類似の表現に「-不到」があります。こちらは文字通り「到達できない」という意味で「走不到」のように使われたり、「達成できない」という意味で「做不到」「办得到」のように使われたりします。また他にも定型表現で「想不到」(思いつかない)「意料不到」(予想できない)などの用法があります。

このようにそれぞれの補語の使い分けはひとくちに説明できるものではありません。しかし普段から意識することで少しずつ感覚がつかめてきますので、地道にがんばっていきましょう。

まとめ

「-不去」「-不来」は、とっさの会話でも自分の意志をスマートに伝えるのに相応しい用法です。自分の現在いる場所を問わず、遭遇するあらゆる状況で使う可能性が高いことから、普段から会話でシミュレーションをしておくことを強くおすすめします。