過去問研究【スパン調整/ポイント】


ポイント

スパン調整のポイントは、問題用紙に書かれている 一つの条件(情報) だけでスパンを 判断しない ことが一番重要である。
一級建築士試験を作成している 建築技術教育普及センター は、平成21年に『一級建築士試験設計製図内容の見直しの具体的な対応について』というタイトルで公表している資料の中に 製図試験 で 確認する内容 を 明確 にしている。
この資料の中に

専門分化している建築設計を 調整 し、取りまとめ ていく基本的な 知識・能力 等を 確認 する

平成21年6月19日 中央建築士審査会とりまとめ

と書かれている。
製図試験に求められている能力は、専門的な知識ではなく、様々な情報を整理し、取りまとめられる能力 だとこの文章から読み取ることができるのではないだろうか?
そこで今回は、以下のことを意識しながら、平成28年令和5年令和4年の課題を使い、具体的に問題用紙から得た情報を俯瞰しながら、どのようにそれらの情報を使い調整し、取りまとめていけば良いのかを考察してみたい。

01. 全体構成の把握

  • 『調整し、取りまとめていく』には、全体を把握 できていなければ不可能である

  • 問題用に書かれている一つ一つの情報に惑わされないためには、まずは 情報を整理 し、俯瞰 できる状態をつくる

02. 主たる機能の把握

  • 計画建物には 目的 がある

  • その目的の機能を果たすために 主となる 『部門』や『要求室』 を 把握 する

  • 主と従の関係 を理解し、計画の 優先順位 を明確にする
    ※倉庫から計画しない

03. 6マル

  • 敷地の条件 を確認

  • 計画建物の オモテウラ を把握

  • 主たる機能 を意識

  • 要求事項 を反映
    『直接行き来』など ツナガリ考慮 しながら作成

04. 24コマで計画

  • 答案用紙Ⅰのサイズ(A2)を考慮すると 敷地の大きさ想定 できる

  • 敷地の大きさから 計画建物の大きさ想定 できる

  • 1コマ7m×7m の49㎡(約50㎡)を 基準 とした 24コマ (6コマ×4コマ)で 計画 を始める

  • 24コマ変形 させていく

※24コマになる根拠が知りたい方は エスキスを始める前の【基礎知識/敷地】 を参照

05. ゾーニング・動線計画

  • 製図試験は ゾーニング・動線試験 である

  • 『想定した ゾーニング が各階で成り立つのか』、『利用目的の異なる人たちの 動線 が交錯していないのか』を 常に意識 する

06. 情報を俯瞰

  • 問題用紙から得た 情報俯瞰 する

  • 一つの情報 だけを元に 計画ない

  • 情報 をまずは 俯瞰できる状況 をつくる

  • 情報を俯瞰 し、問題点を把握 する

07. 調整・取りまとめ

  • 問題点を解決しない 状態では 合格答案 が完成し ない

  • 情報を俯瞰し、プランニング優先順位 をつける

  • 優先順位にそって プラン修正 を行う

  • 全て の居室を 良く する 必要はない


◀◀◀ 前のnote 次のnote ▶▶▶

過去問研究【スパン調整/目次】に「 戻る

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?