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archiroid.comダウンロードデータできれいなCG作って遊んでみた。

株式会社アーキロイドでインターンをしている、林飛良です。
私は大学四年生で、意匠設計を専攻しています。
現在は休学中で、幾つかの事務所でインターンやアルバイトをしながら、来年度の卒業研究に向けて準備中です。
将来、最高にカッコ良くて素敵な自邸を設計するのが夢です。

「アルゴリズミックデザイン」「コンピューテーショナルデザイン」といわれる分野に興味があります。また、最終的に出来た建築よりも、どのように考えてその建築のかたちにたどり着いたのか。いわゆる「設計プロセス」にも興味があります。

最近は、本制作のようなCG動画をつくったり、Grasshopperで建築(住宅)内部での視線を分析し、評価するプログラムをかいたりしました。

株式会社アーキロイドでは、当社が開発・運営するarchiroid.comの、主にVRで使用する建具・家具の3Dモデリングを担当しています。特に建具では、開口の寸法を指定すると精巧なサッシをパラメトリックにモデリングするコードを実装しました。興味があって学習していることを、すぐに実践できる環境がありがたいです。

さて、ここからは急ですが、これまでのアーキロイドnoteにはなかった、マニアックな内容をお届けいたします笑
今回は私は、archiroid.comで設計した家の3Dデータをダウンロードし、現在提供中のVRモードよりも美しいCGでPVを制作してみました。データダウンロードはまだ公開機能ではありませんが、次の段階として、こんな事もできるよ、という参考にしていただければと思います。

1.PV

まずは、完成した動画をどうぞ。

2.CG制作の大まかな流れ


今回使用したソフト一覧
Twinmotion
Adobe Premiere Pro

手順①:3Dデータ(fbx)をarchiroid.comからダウンロード(今後、アップデートで公開される予定です)

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ダウンロードデータ

↑ダウンロードしたfbxデータ

手順②:ダウンロードしたファイルをTwinmotionでインポート

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Twinmotionには、デフォルトで多くのマテリアルが用意されています。マテリアルを選択し、置換したいオブジェクトにドラッグアンドドロップするだけでマテリアルの設定が出来ます。

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またTwinmotionでは、他にもこのように家具や小物を置いて、シーンごとに複数の動画を作成することが出来ます。

手順③:Twinmotionから動画、静止画ファイルをエクスポート

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手順④:Adobe Premiere Proで動画を編集し、書き出す

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Twinmotionでつくったシーンごとの映像をつなげて、BGMを付けて完成です!

本制作では、Twinmotionというソフトでレンダリングをしました。建築学生の間では、もうお馴染みのレンダリングツールですよね。インターフェイスが使いやすく、簡単に綺麗なCGを作ることができる、かつ使ってて楽しい!!最強のツールだと思ってます。
CGは僕自身、ちょっと興味のある分野でもあります。建築を魅せるための表現方法として使うというよりも、「何かCGで人の心を動かす素敵なものをつくりたい」という、すごくアバウトな野望があります笑、なんでまぁちょっとずつ勉強しようかなと、、、

3.ID:91の家は、どんな家?

「多様な風景を切り取る家」

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この家の大きな特徴は、
内側の風景を切り取る「室内開口
LDKや寝室、洗面所などの部屋をつなぐ「土間空間
です。

それでは早速、家の中をご案内しましょう。

「玄関」

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家に入るとすぐ右側に、ちょっと広めの玄関収納スペースがあり、靴などを収納しておくことが出来ます。

「土間廊下」

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玄関を抜けるとまず、この土間の廊下を通ります。

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土間廊下を進んでいくと、左手にはダイニングキッチンがあり、その様子を室内開口(archiroid.comでは自由開口)から、のぞくことが出来ます。家族で住んでいる場合、キッチンに立っているだけで、誰かが家に帰ってきたらすぐに分かります。お母さん「おかえりー」、子ども「ただいまー」的なやつですね。

「土間」

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 土間の廊下の先には、LDKに隣接するちょっと広めの土間空間があります。狭い廊下から、視線が通る開放的な空間へ。この土間空間は庭とLDKを接続する役割も持っており、「LDK、土間、庭」を一体的に使うことが出来ます。

「LDK」

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 室内開口で切り取られた日常の風景が素敵ですよね。

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 あまり大声では言えませんが、「のぞく」という行為自体に、興奮をします(ヤバメ)。絶妙に空いている隙間とか、のぞかずにはいられません。皆さんも、壁に穴が開いていたら、とりあえずのぞきたくなると思いませんか?私はここに、建築空間的な面白さが潜んでいるのではないかと考えています。

「寝室」

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うん、良き雰囲気ですね、、、

建築家的コメント
 この家のコンセプトでもある「室内の開口」は、内側の生活の風景を切り取ります。それは、のぞく視点、角度、時間によって全く異なります。多様で豊かな日常の「風景」を垣間見ることが出来るでしょう。

4.CG制作中に感じたこと

「家具を置く楽しさと重要性」
 プランの段階で家具を置いてみることの重要性を改めて感じました。Twinmotionには、デフォルトで多くの家具や小物の3Dモデルが用意されています。これらを置いてみるだけでも、空間の「スケール」「雰囲気」「使われ方」を直感的にイメージすることが出来るようになりました。
ある場所に椅子を置いてみたところ、「ここの壁ちょっと邪魔だなー」とか、ダイニングテーブルを置いてみたら「意外とキッチン狭かったかもなー」とか「廊下の延長線上に窓を追加したいなー」など、プランニング的な操作に戻りたい場面がいくつかありました。つまり、プランニングで、いかに具体的で多様な使われ方のイメージが出来るかが建築設計の肝なのでは、、、?

5.archiroid.comについて

ここでは、8月29日に正式にリリースされたarchiroid.comについて、一人の建築を志す学生、林飛良として、僭越ながら、感じたこと考えたことをお話しします。

archiroid.comのおもしろポイント」

①自由に家をつくれる。
在来木造のグリッドシステムでつくるというルールはありますが、割と自由につくれます。つくり方も簡単で、部屋を並べて、開口を設置するだけ。つくり方次第では、もはや家とは言えないような家もつくる事が出来ます。こういう遊び心をくすぐり、無駄なものをつくりだす精神が、この建築業界には必要だと学生の分際で偉そうに思っています。
構造や法規などは自動(※)で評価し、教えてくれるので、ユーザーは難しいことを考える必要がありません。しかも他BIMとは違い、無料で利用できるので、いわば「誰もが建築家になれる」ゲームです。
(※評価機能とその表示内容は、アップデートにより変更される場合があります。)

②部屋を配置しただけで図面やパースが自動でつくられる。
図面を描く、という行為は今の時代、実際に建てるためには必要不可欠な行為です。図面を媒体に施工する側に伝える。しかし、正直僕はあまり図面を描くのが得意じゃないです。すごく時間がかかる作業である上に、「考えている時間」というより、「ただ手を動かしている時間」という風に感じてしまいます。その点、archiroid.comでは部屋を配置するだけでWeb上で自動で計算し、図面が自動で出力されるので、すげーです。

③VRモードでつくった家に入れる。
ゲームの中で実際に入れる。これがarchiroid.comユーザー視点では、一つの大きな「目的」だと思っています。つくるには何か目的の設定が必要です。この目的をどれだけ「楽しく」出来るかがユーザーを増やす鍵になると思います。自分がつくったVRの世界で鬼ごっことか、シューティングゲームが出来ると楽しいかもしれませんね。

④他の人がつくった家をみれる。
 他の人が考えた家をみるだけでも十分に面白いです。オンラインで遊ぶ一番のメリットだと思います。「この窓の配置が素敵だなー」とか、逆に「このプランは不便すぎるだろ笑」とか。皆さんも自分なりに評価してみてほしいです。そしてお気に入り登録してみてください。ツイッターのいいね感覚で。
個人的にID:160「octopus」が結構おきにです。窓の配置に狂気じみたものを感じます笑、ここで全力鬼ごっことかしてみたい。ちなみに僕は、死角に隠れて待ち伏せするタイプの人間です。


「今後archiroid.comに期待すること」

①開口の種類を増やしたい。
 具体的には、特にFIX窓、引き違い室内ドアが欲しい。意匠的にも、このあたりをつくれるとテンション上がるし、かっこよく出来そう。

②部屋の種類を増やしたい。
 具体的には、子ども部屋、和室(畳の床)、テラス(屋外だけど床ある部屋)、その他の個室など。

③2、3階をつくりたい!
 建築設計の醍醐味の一つは、空間の高さ関係を考えることだと思っています。かなり個人的な考えではありますが。スキップフロアなどもつくれたらかなり自由度が高まりそうです。技術的に難しそうではありますが。

④家具を置きたい。(※2021/10/4に機能追加されました
 出来るだけ多くの種類が用意されていた方が、ゲームとしては楽しそう。スケールや使われ方のイメージが出来る。しかし、家具はかなり空間を支配すると思うので注意が必要かも。「家具シミュレーションゲーム」になってしまう恐れがある。

⑤もっと「ゲームを遊んでる感」が欲しい。
 現状、「モデリングしてます感」が強いかも。ユーザーはキャラクターを操作し、そのキャラクターが家を設計する(部屋の配置や開口の配置)。カメラは三人称視点で、かつキャラクターを追尾する、いわゆるマインクラフト視点でも遊んでみたい。家具同様、キャラクターがいるとスケールも把握しやすくなりそう。

⑥move機能が欲しい。
 つくっている時に、「全体的にもう少し西側に寄せたいな」という場面があった。

⑦月間or週間ランキングトップの家のユーザーに何かしらの特典を。
 3Dモデルあげる?ツイッターで紹介する?とか。ユーザー自身が建築家として成長しようとしてほしい。より良い家をつくろうとしてほしい。プロゲーマーならぬ、プロアーキロイダー(仮)を誕生させる。


「ダウンロードデータの活用方法」

①VRCchatにアップロードしてみる。
②模型キット(レーザーカッター)用の2Dデータ?
 アクリル板で模型つくってみたい。なんかカッコ良さそう。
③販売する。


最後まで読んでいただきありがとうございました。archiroid.comの機能やダウンロードデータの活用方法について、皆さんのご意見、感想お待ちしております!



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