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レタス、さつき、らぬき

もう、いいじゃないか、みんな使っているんだし・・・の
「らぬきことば」

言わずと知れた、長年問題視されている日本語文法上の「誤用」の、もっともポピュラーなヤツ。見れる、食べれる、といった、一段動詞を可能形にしたときの活用ミスだ。
正用は「見られる」、「食べられる」。
なのだけれど、この一段動詞を可能形にする場合は、尊敬の~れる、~られると作り方が同じなので紛らわしい。
「見れる」「食べれる」などは、ひとつの可能動詞として容認してもいいのではないかという流れがあるのだそうだ。
しかも、このら抜き言葉、外で他人の会話を聞いていると・・・

「もうMサイズは着れない」
「スマホでも見れるよ」
「電話、出れる?」

などなど、まあよく使われていること(笑)!
言葉は生き物。かつて使われていた古語が現代語に変わったように、時とともに変化していくものである。だから、日本語を学ぶ外国人学生にはうるさく言わない。言ってはいけない。我々ネイティブが違和感なく使っているのなら、なおさらだ。もう、許容範囲になりつつある、ということだ。
 
もちろん、Webライターさんの原稿校正の際などにはしっかりチェックを入れる。文章を書いて報酬を得ている以上、それがたとえ1文字1円だとしても彼女たちは「プロ」なのだから。現行の文法上は間違いだとされているモノは見過ごせない。
 
ちなみに、「見られる、食べられる、は尊敬動詞と同じだから学習者を混乱させる」という意見について。私は、敬語を学ぶレベルに達した日本語学習者は混乱しないと思う。れる、られるの形を使わずとも、見る・食べるには「ご覧になる」、「召し上がる」という特別な尊敬語があるのだから。
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ら抜きことばの他に、「れたすことば」や「さつきことば」も問題として取り上げられている

「レタスことば」

この名称を聞いたときは、ちょっと笑った。
なんやねん、レタスって!
 
読めれる、行けれる、のようなやつ。
正用は「読める」「行ける」。動詞の可能形に余分な「れ」が入っているので、れ足す言葉なのだそう。
この漢字、読めれますか?
・・・この場合は明らかにヘンなので注意すべきだろう。

「さつき言葉」※

これは、その名のとおり余分な「さ」が入った言葉。
五段活用の動詞を使役形にするときに、出てくる現象だ。
買わさせる、やらさせる、など。(正用は買わせる、やらせる)
 
「お手続きは、私どもの方でやらさせていただきます。」
などという言葉を聞くと、
すっごい丁寧な物言いだなあ、と思うだけで、ほとんどの人は「日本語おかしいぞ」とは思わないだろう。これもまた「ヨシとしよう」な流れになるのかなあ。
※さ入れことば、とも言う


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