「事務所のトイレを使いやすくしたい」という相談から始まった・・・事務所リフォーム
みなさん、職場のトイレ環境はいかがですか?
駅や公園などにおいても、職場においても、そしてもちろん、住宅においてもトイレ空間や、設置場所が重要視しされています。
トイレが汚かったり、使いづらかったりすると、その場所に行きたくなくなるなんてこともありますよね。
(有)オーライフさんからこんなご相談をいただきました。
「女性従業員の方がトイレを使いやすいよう、自宅トイレを女性用として使えるようにしたいので、自宅への通路を作るために、事務所の壁を抜いてもらえませんか。」
オーライフさんの事務所には、トイレが一つあり、そこは、事務所スペースの中にすぐトイレのドアがある間取りでした。
みなさん、事務所や職場におけるトイレの設置基準などがあるのはご存知でしょうか?
「労働衛生基準」というものがあり、照明の明るさ、トイレの数、室内の温度などなど、基準が定められています。
トイレは、基本的には男性用、女性用、区別して設けることになっています。
でも、常時10人以内の場合は、独立個室型の便所を設ければ、男女の区別なくてもOKとなっています。
独立個室型とは、簡単にいうと、普通のトイレ。
四方壁天井を隙間なく囲われているトイレです。
「心理的な負荷に配慮するなど、労働者の意見をよく聞く」としています。
さて、ここで、オーライフさんのご相談内容に関して、改めてまとめてみます。
<困りごと>
・トイレが一つで、今現在の女性従業員方のためにも、これから増えるであろう女性従業員の方のためにも、使いやすいトイレが必要ではないか。
実際、どんなところが使いづらいと感じるのか、考えてみました。
⚪︎事務所にあるトイレを男性用、自宅トイレを女性用とすることが本当に有効なのか?
→・自宅のトイレを利用した場合、プライベート空間に他人が入るということになり、従業員の方もご自宅の奥様も双方のストレスが大きいと思われる。
・従業員だけでなく、お客様であっても女性は、自宅のトイレまで行かなければならなくなってしまう。
⚪︎従業員の方はどんなことに困っているのか?
→・ワークスペースからはもちろんのこと、ミーティングスペースからもトイレの入り口が丸見えなので、お客様がいらっしゃる時には行きづらい。
・トイレだけでなく、事務所の入り口もミーティングルームから丸見えなので、お客様がいらっしゃる中、退勤しづらい。
・トイレに入っている時の音も気になる。
オーライフさんからのご相談の裏側にあるものは、トイレだけの問題ではないように思いました。
それは会議スペースです。
例えば、大事な話をする時、どんな空間でしたいですか?
銀行で融資の相談をするとき、囲われているだけでちょっと安心しませんか?
1人でラーメン屋さんに行った時、仕切りのないカウンターより、仕切りがあるだけで食べやすくなった経験、ありませんか?
学生時代、図書館の大きな机より自習室の囲われた机の方が集中できた経験ありませんか?
囲われているって、安心につながります。
事務所において会議をしたり、お客様が相談にいらっしゃった時、視界に他の人が入ったり、囲われていないと、心を開いて話しづらいことがあるように思います。
こと、お金の話など人に聞かれたくない話や、込み入った話になればなるほど、その傾向は強いように思います。
全てがオープンの空間には、その空間の良さはあります。
よく、最近のオフィス環境で使われる「風通しのいい」ですが、それは、用途によるなぁと思います。
社長でも社員でもすぐに話しかけられるというオープンな空間ならではの利点。
疑問に思ったこと、アイデアなど、すぐに話しかけられる環境は、仕事の効率化も図れ、さらに良い方向に進んでいくと思います。
でも、その裏返しは、秘密の話はしにくいということになります。
以上のことから、今回は、誰もが安心して使えるトイレと、安心して心を開いて話ができる会議室が必要ではないかという結論のもと、洗面所兼給湯室にもなる部分をトイレの前に設け、独立した会議室を作るプランを出させて頂き、採用して頂きました。
給湯室には、今までミーティングスペースのホワイトボード横にあった冷蔵庫を入れる場所も設けました。
リフォームを機に、家電等を買い替える方も多くいらっしゃいますが、たまたま買い替えの時ばかりではありません。
ですから、今お持ちの物を収められるようにしたいと思っています。
ミニキッチンは、そのまま使い、扉にシートを貼ることで、気になる黄ばみなど解消されます。
高さを揃え横にカウンターを作り、鏡や壁に設置した棚と色を合わせて塗装することで、一体感が出ます。
全て造作ももちろん素晴らしいのですが、市販の棚などを取り付けたりして、それ
とうまく調和させるのも、比較的コストが抑えられ、おすすめです。
既存のものをどうするのか・・・
何をどう設置するのか・・・
壁紙は何にするのか・・・
全て図面に落とし、それぞれ作業してくださる職人さんたちの意思の疎通も図ります。
洗面給湯室のドアにも鍵をつけたので、お化粧直しなどの時は、安心感にも繋がります。
本棚は、広い壁がここしかなかったので、この場所に設置されていました。
しかしながら、この本棚の背後にはとっても素敵なステンドグラスが埋め込まれていました。
太陽光がここから差し込んだ様子は、本当に綺麗なんです。
ですから、今回のリフォームでは、そのステンドグラスが活かされるようにしたいという思いもありました。
ミーティングの時間に癒しと落ち着きを与えてくれるのではないかと思っています。
そして、ミーティングルームに必要なものと言えば、テーブルです。
もちろん、オーダーで作ってもらうことも可能ですが、オフィス家具で理想とするものに近いものがあれば、オーダーするよりコストを下げることもできます。
ここで、ちょっと想像してみてください。
向かい合って初対面の人と話をする時、距離が近いと、ドキッ!としませんか?
身構えてしまって、ちょっと話しづらい感じがしませんか?
相手との関係性やシチュエーションによって適切な距離があります。
落ち着いて、自分を守りつつ、主張したり相手の話を聞く場合は、ダイニングテーブルで多くあるサイズの奥行き90cmでは、ちょっと心許ない感じがします。
規格品で奥行きが広め(できれば120cm欲しいところだが、難しいのでせめて100cm)
幅も部屋に入るもの(人が行き来するためのスペースももちろん確保)
長方形ではなく、できれば柔らかい曲線のもの
この条件でテーブルをお探し、ご提案させていただきました。
これで、工事完了です。
機能面も含め、インテリアのご提案もしております。
日常、困っていることや、「こうだったらいいのになぁ」を、お話を伺いながら形にする、実現させるご提案、お手伝いをいたします。
今あるものを最大限に活かし、よりよい心地よい時間と空間にできるといいなぁと思っています。
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