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Poem

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Arimの詩…風のなかを通り過ぎる時、今日はどんな風景が広がるだろう…。それは、林の中を吹く風とは限らない。街の中を吹く風、貴方との境界を渡る風。…詩と歩く。
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2017年11月の記事一覧

Poem)透明だったり、柔らかかったり…

Poem)透明だったり、柔らかかったり…

どうしたら、平和は来るのだろう

鳥が飛ぶ高度を知っていますか
鳥の家を知っていますか

神さまは
自由の羽を持つものを
お作りになられた
私たち生きるものには
だから皆、羽があるのです
透明だったり、柔らかかったり
小さく折り畳んであったり

自分の羽に気がつかなくて
信じていなくて
使わずじまいになって
だから、忘れることがないように
鳥は毎日、私たちの窓に
訪ねて来るのです

音楽がどこから

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Poem)水は、花になりたかった…

Poem)水は、花になりたかった…

水は、花になりたかった
青々と草の繁茂する土にたどり着き
では、来てごらんと、
木々や野草が水を思い切り吸い込み
枝の先へ上昇させていった

まもなく、水は白い花や黄色い花や
青い花、赤い花と一緒に誕生し
再び、青空を見上げた

水は風になりたいと
空に頼んだ
すると、ふっと力強い風が起きて
水は、風の船に乗り込み波間を泳いだ

そのうち風の流線形を真似た
羽が生えてきて
水は鳥のように
風を孕み

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Poem)寂しさは、優しくなるために…

Poem)寂しさは、優しくなるために…

寂しさは、優しくなるためにある
寂しさは、誰かの幸せを
そっと願うためにある

寂しいときは、笑っていよう
寂しいときは、歌を歌っていよう

人は、2本の足で立っていて
自分で自分を支えている
泣いている自分を、慰める
怒っている自分を、なだめる
楽しい時は、ステップを踏んで
踊り出せるように
沈みこむ心と真反対の気持ちを
運んできて、
優しく優しく
風に吹かれなさい、と

寂しさは、なぜ生きてい

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Poem)イマジズムの詩、についての詩と雑感

Poem)イマジズムの詩、についての詩と雑感

「夜のプリズム」Arim

夜のプリズムは
星に光を灯していく
真っ暗な闇に
誰かが置いていった
割れたガラスの器

球体は壊れて
多面体になり、
誰かの希望という名の落し物
を集めるのだが
何しろ器は
割れているから
自分一人にとどめておけず
漏れ出る光が
乱反射するのだ

…日頃Twにては、時々140字以内の詩を
Upします。
今は休止中ですが、半年ほど前に #言の葉つづり というTw連詩を試

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Poem)それから…

Poem)それから…

それから、…
何度目かの、それから。
言葉は人を引き止める
それから、きのうはね、

満月の夜だった。
あなたに話しかけようと思いながら
満月の光に呼び止められていた。
きっと、満月も私に
それから、と何度も言っていたに違いない
あまりに美しい光に幻惑しながら
魔法にかかるように
長い時間、月と対面していたら
まだ暗い空に
月は横になり
青い光の布団に
徐々に、包まれていった

それから、の物語の

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