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Poem

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Arimの詩…風のなかを通り過ぎる時、今日はどんな風景が広がるだろう…。それは、林の中を吹く風とは限らない。街の中を吹く風、貴方との境界を渡る風。…詩と歩く。
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2019年10月の記事一覧

Poem)風が運んでいく時間…

Poem)風が運んでいく時間…

風が揺らしていく。
大きな不安を取り除くように、
葉っぱの上のゴミがほろっと落ちる。
緑色ってどのくらい種類があるのかな、
どこまで人間の目は識別できるのかな、
と光の底を覗いて見たくなる。
風が運んでいく時間に
空色の舟に乗る。
#Arimの詩 #イマジズムの詩 #詩 #現代詩

Poem)水色の花…

Poem)水色の花…

向こう側に置いてくる。
うつせみはどちらだろうか。
ここは、鏡の国と瓜二つ。
敷居は高いよ。
行きは低くて帰りは高い。
だから、気をつけて。
優しい言葉に気をつけて。
甘い言葉に用心しながら、
時には飛び越える。
私が増える、
あなたが増える。
私の、
あなたの、
根が伸びる。
繋がっていく根。
根、
根。
黄泉の国、
蠢く地下の国、
羽ばたく地上の国。
あなたの時間と
私の時間。
ここ。
という

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Poem)空が青くて大きくて…

Poem)空が青くて大きくて…

鳥が飛ぶのは何故だろうね。
花が咲くのは誰が決めたの。
空が青くて大きくて。
理由はわからなくても、
みんながそんな景色を知っていることは、
案外多くて。

悲しいと胸が痛い。
辛いと涙がこぼれそうになる。
笑顔が光のように思えるのは、
そこがいつも希望の灯が着火する場所だから。
経験していて、みんなが知っている心の言葉は、案外多い。

本当は隣の人の気持ちもよくわかる。
耳を澄まして、心を静めて

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Poem)ひところ…

Poem)ひところ…

ひところ、白んでいく明けの空ばかりを追いかけていた。ひところ、最初に地面に落ちてくる雨音ばかりを聞きとろうとしていた。ひところ、水道から迸る水の筋ばかりを数えようとしていた。

鳥の羽を集めて歩くのは、まじないでもなんでもなくて、空を渡ってきた風の手紙を、開きたかったからだ。

ここに生きることが、打ちのめされそうな困難の後ろにも、奇跡のような光が隠れていると信じていたかったからだ。
#詩

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Poem)歩きながら…

Poem)歩きながら…

歩きながら、考えるしかない日々の中で、人類の歩行とは、きっとそういうものなのだと思ったりする。答えなどどこにも用意されていない。辿り着くのは、歩き疲れて立ち止まる場所。

諦めながら、幻想を抱きながら、裏切られたり、信じたり、うつむいたり、空を見上げたり。時々誰かの笑顔にぶつかって、花を手渡されたような光を見つけて。誰もが歩いていく。虫も猫も。立ち止まれない命の回転が、それは宇宙と同じ摂理のように

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