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元公務員視点で見るNISA:政策の有効性を考える

公務員クエスト失敗おじさんの「ありのこ」です。

2023年に潰瘍性大腸炎かいようせいだいちょうえんという病気のため国家公務員を当てもなく退職。

今は無職です。

〇〇省勤務ではなく出先機関に20年以上勤務していた事務系公務員です。

もし国家公務員を退職していなければ明日からお仕事開始でした。
私のように無職でなければ明日からお仕事と言う方も多いと思います。

明日からお仕事なのに気が沈むような重い話は避けた方が良いと思い、今回は軽い話にしたいと思います。

選んだテーマはNISAニーサです。

NISAとはざっくり言えば「株や投資で利益が出ても無税にしてあげるよ。上限はあるけど」という制度です。

このNISA、2024年から制度が変わりました。
よってNISAは今取り上げて良いホットな話題とも言えます。

NISAの話をしますが、NISAの制度についてはざっくりとしか話をしません。
間違えがないように書いているつもりですが、投資推奨記事ではないのでNISA制度について正確性を保証するものではありません

NISAで投資を考えている方はきちんと調べてから投資をしてください。

「命の次に大切なお金」に関することです。
自分でよぉぉぉーく考えて、自分でよぉぉぉーく調べてから投資をしてください。

そもそもこのnoteブログ記事はNISAで投資することを勧めているわけではありません。

無職・無収入の私が投資を勧めるのもおかしな話です。

NISAについて怒っていることを書いていきます。
出先機関に勤務していた元国家公務員としてNISAに怒っていることを書いていきます。

10年間にも渡る怒りです。


NISA制度の目的

2014にNISAが導入されました。
ちょうど10年前です。

NISAという制度を作った目的は何か?

簡単に言えば「貯蓄から投資へ」です。

私が覚えている限り2000年代前半から「貯蓄から投資へ」と言われてました。

貯蓄から投資へ」=「日本人は銀行預金しすぎ!もっと株や投資信託を買おうぜぇぇぇぇ!!

この「貯蓄から投資へ」が正しいかどうかはここでは述べません。

政府は「貯蓄から投資へ」が正しいとしてNISAを作ったという事実が大事です。

今まで銀行預金ばかりしていた大多数の国民に株・投資信託へ投資させる。
NISA「多くの国民の行動を大きく変える」ための制度です。

NISAのダメなところ2選

①制度が複雑
②規模が小さい

2014年にNISAが始まりました。

まぁ、分かりにくい。
そして何よりもしょぼい。

私の母が2014年に言ったこと。
NISAってよくわからない

母のような人間でもパッと分からないとダメです。
そしてその母から生まれた息子である私(=知的レベルは遺伝)にもパッと分からないとダメです。

「非課税期間は5年です。ただしロールオーバーで10年にできます」
こんな説明をされてもわれわれ親子にはわかりませんよ。

What is ろぉーるおーばぁー???

私の母には似てない・・・

「投資をするならそれくらい勉強しろ!」
ご説ごもっともです。

しかし政府はわれわれ親子のような人間に投資をしてほしいんですよね?
投資への足掛かりにしてほしいんですよね?

ハードルを上げてどうするんですか?
意味が分かりません。

「制度が複雑」よりももっと問題なのは「規模が小さい」こと。
しょぼい!しょぼすぎる!

さきほど取り上げた「非課税期間は5年です。ただしロールオーバーで10年にできます」。
これって何ですか?

ずーっとの期間、無期限で非課税(=税金タダ)にしろよ!

そして何よりもしょぼいのが上限の金額。

非課税になる上限が年間120万円、最大600万円。

年間の上限が120万円ってインパクト皆無

しかも2018年には「つみたてNISA」という仕組みを新しくスタート
これまた「非課税の年間上限40万円&期間は20年まで」というしょぼいしインパクトがない仕組み。

年間上限が40万円ってなんだよ
「毎月同じ額を積み立てしたいなぁー」と設定。
「よし!上限額40万円で設定するぞ!」とやる気を出しました。

しかし・・・・40万円って12か月で割れないじゃん!
40万円÷12か月=3.33333333円

官僚さま、正気ですか?
12で割れる数を上限にしろよ!?

もう上限は60万円でイイじゃん!(60万円でもしょぼいんだけど)
60万円÷12か月=5万円

1か月5万円ってわかりやすいじゃん!

いや、きっといろいろな理由があるのでしょう。
いろいろな整合性をとったのでしょう。

知的頭脳のかたまりである官僚さまのお考え。
出先機関勤務のノンキャリア国家公務員しか経験していない私には官僚さまの崇高すうこうなお考えは理解できません。

しかしそんな事情は私みたいな人間(=バカ)には関係ない話です。

NISAって私のような人間(=バカ)をも巻き込んで「貯蓄から投資へ」国民を動かすんでしょう?

大多数の国民は官僚さまのように難しい制度もパッと理解できないし難しい計算も電卓をたたきまくってやりたくないですよ、最初は。

そういう難しいことはファーストステップをクリアーしてからできるんです、私のような人間は。

そもそもNISAに必要だったこと

NISAのダメなところ2選

①制度が複雑
②規模が小さい

と書きました。

ではどうすればよかったのか?

①制度が複雑→未経験のバカでもパッと分かる制度
②規模が小さい→インパクトがある規模にする

単純なことですがこの2つが必要だったと思います。

誤解されると困るのですがバカとは私(レベル)のことです。
高級なお官僚さまの頭脳ではないという意味です。

さて、ここでちょっとNISAの話から離れます。

出先機関に20年勤務し続けた国家公務員の視点から「制度」について考えてみます。

現場公務員が見続けた「優秀な官僚さまが作りがちな制度」

NISAとは関係ない話をします。

私のような「出先機関に勤務するノンキャリア国家公務員」は優秀な官僚さまにお会いすることはありません。

「お会いすることはない」とは比喩ひゆではなく本当に会ったことがありません。

しかし20年以上も現場で国家公務員として働き続けるといろいろな「官僚さまが作った新しい制度」を見ることになります。

官僚さまのイメージ

優秀な官僚さまが作りがちな制度」には2つの大きな傾向があります。

①整合性をつけまくってまったく齟齬そごがない制度を目指す
②小さな規模でやってみて徐々に大きくする

①も②も「なるべく文句をつけられない制度を作る」のを目的としていると思います。

小さなところから確実に積み上げていく」イメージです。

実はこの①②の制度設計は良い方式だと思います。

齟齬そごがないことを目指して小さな制度を作ります。
しかし実際に制度を実施すればいろいろ問題が出てくるものです。

いろいろ問題が起きても制度自体が小さいので問題も小さくて済みます。
その問題点を改善して、少しずつ制度を大きくしてきます。
ちょっと行政っぽく言えば「拡充する」。

最も混乱が少なく良い制度設計です。
しかし条件が付きます。
「通常は」。

①整合性をつけまくってまったく齟齬そごがない制度を目指す
②小さな規模でやってみて徐々に大きくする

①②は最も混乱が少なく良い制度設計です、通常は

この「通常は」が曲者くせものです。

NISAは「通常」じゃないでしょ、と言う話です。

「多くの国民を動かすための国策」なので難しいセコセコした制度を作ってはダメ。

それでは多くの国民は動きません。

「批判されるのが怖い」というのなら最初からやらなければ良いです。
多くの国民を動かすのだから摩擦も批判も齟齬そごも出るでしょう。

2014年のNISAがなんでこんな制度になってしまったのかはわかりません。

役所(金融庁?)のせいなのか、それとも最終的には政治家のせいなのかわかりません。

最終的には「政治判断でOK」になっているはずなので「政治家たちもそんなに本気ではなかった」ということかもしれません。

そして2014年から10年経って2024年に「新しいNISA」が開始します。

わざわざ10年後に新しくするということは「NISAはこの10年間の成果が十分じゃなかった」ということですよね?
「国策」だったのに。

2024年の新しいNISAはすばらしいのか?

2024年に「一般NISAとつみたてNISAが一本化」されます。
最初から一本化しとけよ!

実はほかにも「ジュニアNISA」というのもあったのですが、説明は省略しました。
「どんだけ複雑な制度を作っていたんだよ!」と思います。

他には2024年の新しいNISAから「非課税保有期間の無期限化」。
これもまた「最初から無期限化しとけよ!」と言う話です。

そして2024年の新しいNISAから「年間最大360万円(成長投資枠240万円+つみたて投資枠120万円)、保有上限1800万円)」に変わりました。

規模を大きくしてきましたね。

しかし私に言わせれば「まだまだしょぼい」。

年間360万円ってしょぼくないですか?
イメージとしてしょぼい。
いや、無職・無収入の私から見ればすごい額ですよ。

でも多くの国民が動くのはイメージです。

「貯蓄から投資へ」で国民をNISAで動かしたいのなら次の2点が必要です。

①ガチクソシンプルである
②ガチクソインパクトがある

インパクトが大切です。

年末ジャンボ宝くじはいくら当たりますか?
一等前後賞合わせて10億円です。

10億円ってインパクトありますよね。
これですよ、これ。
このインパクトが大切なのです。

しかも非課税ですから夢がありまくりです。

本当は確率を計算したら宝くじなんて絶対に買えません。
計算上はガチクソ当たるわけがない。

だって年末ジャンボ宝くじを買ったみなさん、10億円当たりましたか?
聞いてはいけない質問でしたか??

それでも多くの人が年末ジャンボ宝くじを買うのは「10億円」インパクトの力でしょう。

年末ジャンボ宝くじに比べてNISAの年間360万円ってなんですか?
インパクトないですよ。

「実際に360万円をNISAにぶっ込めるか?」という話ではないのです。
多くの人たちを動かすのは合理性ではなくインパクトです。

年間上限額は360万円の10倍、3600万円でも良いと思います。
いや分かりやすい5000万円でも良いと思います。

年間5000万円なら大多数の国民にとってインパクトがあります。

多くの国民を振り向かせようと思ったらインパクトが必要なのです。
国民をビックリさせるくらいバーンとやらないといけない

年末ジャンボ宝くじの10億円がそうでしょう。
国民をビックリさせるくらいバーンとやっている。

年末ジャンボ宝くじみたいに10億円は無理だけど、年間5000万円くらいじゃないと多くの国民はNISAに振り向いてくれません。

「NISA拡大は金持ち優遇」批判は妥当か?

「NISA拡大は金持ち優遇」という批判があります。

年間360万円の拡充にて出てきた批判です。

しかしですよ、、、本当の金持ちは年間360万円を非課税枠で使いたいと思いますかね?

「NISA拡大は金持ち優遇」と批判している金持ちを想像してください。
その金持ちは360万円で影響を受けるような人なのでしょうか?

年間360万円で影響を受ける人は金持ちではないと思います。
年間360万円非課税で影響を受けるのは庶民です。
「そんな庶民は年間360万円非課税で救ってあげようよ」と思います。

「NISA拡大は金持ち優遇」と批判する人は私の「NISAは年間5000万円まで」なんぞ発狂するでしょう。

確かに年間5000万円なら金持ちもNISAを使ってくるかもしれませんね。
しかしNISAは投資

確実に儲かるわけでもありません
「利益が出れば非課税にしてあげる」と言っているだけです。

「株や投資信託に5000万円を投資したら2500万円になってしまった」なんてよくあることです。
下手をすれば大損します

だって年末ジャンボ宝くじはなんと10億円が非課税ですよ。

リスクを取っていることを考えると「別に年間5000万円くらい非課税にしてあげても良いんじゃない?」と思ってしまいます。

もちろん私が5000万円貯蓄しているわけではありませんよ。
私は別にお金持ちの味方ではありません。

いちばん最初に書きましたが、私は「潰瘍性大腸炎という難病で将来の当てもないまま退職に追い込まれた哀れな人」です。

note社会復帰へのリハビリとしてがんばっています。

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