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【グローバルヘルス留学】Department of International Health @Johns Hopkins BSPHを紹介!

グローバルヘルスを志して欧米諸国に修士留学を検討中の方へ、私が所属する Johns Hopkins Bloomberg SPH, Department of International Healthを紹介します!

特に、現場とのパートナーシップを重視したfield-based approachを学びたい方、及び知識・学位の取得だけでなく、実際にリサーチプロジェクトに飛び込みたい方には、弊学を強くおすすめできる!と思っていますので、魅力の紹介になれば嬉しいです。

Master Program

Departmentが提供する修士プログラムは、MSPHという2年制*プログラムです。大学のWebsiteに紹介されている通り、4つのtrackがあります。下記で、それぞれの強みを紹介します。
1) Global Disease Epidemiology and Control (GDEC)
2) 
Health Systems
3) 
Human Nutrition
4) 
Social and Behavioral Interventions (SBI)

*1年目の必修科目でFを取らない限り、2年目の学費は75%Offになります。また、全ての生徒に12月卒業(1.5年での卒業)のoptionが用意されています。1年目にほとんどの生徒が卒業要件を取り揃えるため、2年目はプロジェクト/インターンに専念したり、希望の発展コースを取ったり自由に過ごすことができます。

どんな研究分野に強みがあるのか?

Department of International Healthの特徴はなんといってもfield-based型のプロジェクトが多いことです。ほとんどのfacultyが現地大学や現地政府とのパートナーシップを基盤にしたチームアプローチのグローバルヘルスを得意としています。

余談:IHは弊学の中でもプロジェクト数の多さに定評があります。所属する学生とスタッフには「IH weekly news」というメーリスが配信されており、毎週10以上のRA求人が載っています。細かい分野に拘らない限り、RA機会が必ず見つかる贅沢環境です:)

プログラム1) Global Disease Epidemiology and Control

大学ページでの紹介文:The GDEC concentration trains students to be future leaders in identifying disease etiologies, and in the design, implementation, and evaluation of biomedical interventions to prevent, mitigate, or treat diseases of global public health importance.

4つのトラックのうち、疫学的な量的分析のアプローチに重きを置くプログラムです。必修科目は、PhD学生と同等レベルの生物統計・疫学などのテクニカル分野の強化に加えて、ワクチン開発など感染症分野での授業が多く展開されています。

しかし、facultyの研究関心は感染症分野に集中しているわけではなく、母子保健・プライマリヘルスケアなど幅広いトピックを扱っています。

Center for Immunization Research などワクチン関係のリサーチセンターでリーダーシップをとっている他、TBやHIVなど感染症関連のグローバルヘルスでの存在感はピカイチだと思います。近年はMonitoring & Evaluation分野の強化にも力を入れており、Institute for International Programs などがlarge-scale evaluationで存在感を発揮しています。また、デジタルヘルス分野でもWHOなどと連携したプロジェクトが増えています(Johns Hopkins University Global mHealth Initiativeなど)。

どんな方におすすめか:疫学の専門性を積みたいが、データ分析に特化するよりもグローバルヘルスでの疫学のapplicationを学びたい方におすすめです。ただし、Epiではなくこのプログラムを選んだだけの専門性を自分で模索していく必要性がありそうです。

プログラム2) Health Systems

大学ページでの紹介文:The Health Systems concentration prepares students to take on leadership and management roles in health policy and planning, health financing and management, and monitoring and evaluation of health programs. Our graduates contribute to strengthening health systems through implementing equitable and cost-effective interventions for improving access, quality, and efficiency of health services for underserved populations.

Policy perspectiveを入れ込んだ研究に重きをおくプログラムです。経済学・政治/政策学などのバックグラウンドを持ったfacultyも多く、学際的な特徴を持ちます。生徒の顔ぶれを見ても、研究経験に加えて、MoH(保健省)などでの勤務経験も重視する傾向があり、一つ目のGDECよりも実務との連結が強い印象です。

International Vaccine Access Center (IVAC) は、ワクチン政策の中でも配分などeffectiveness evaluationを超えた政策観点でリーダーシップをとっています。Center for Humanitarian Health を筆頭に、fragileな状況での対応でも多くの研究チームが存在感を発揮しています。International Center for Maternal & Newborn Health など15年以上続く母子保健分野でのパートナーシップを実践してきました。Data for Health Initiative では、大規模家計調査をmobile phone surveyに置き換えるための取り組みが多く行われています。Johns Hopkins International Injury Research Unit (IIRU) では、交通事故やリハビリなどのテーマで新たな分野を開拓するチームが活躍しています。

どんな方におすすめか:program単位を超えて政策スケールでのグローバルヘルスがやりたい方におすすめです。ただし、量的分析も、政策分析のような質的アプローチもどちらも取れるプログラムですし、上記のようにかなり幅広い分野にプロジェクトがばらついており、実務との距離も近いため、「研究者としての専門性」をどう磨くかに苦戦する学生も多いように感じています。しっかりとしたロールモデルを持って実務と研究の両立に挑戦できる方が向いていそうです。

プログラム3) Human Nutrition

大学ページの紹介文:The Human Nutrition concentration provides students with the theoretical knowledge and state-of-the-art scientific, programmatic, policy, and leadership skills for addressing pressing international and domestic challenges in public health nutrition.

4つのプログラムの中で、最もfocusがはっきりとしたプログラムで、あまりIH内の他のプログラムと授業がかぶることがありません。どちらかと言うとDepartment of Popfam との比べられることが多い特化型カリキュラムです。

母子保健の栄養分や肥満などかなりfacultyの関心分野がはっきりしています (Center for Human Nutritionなど)。また、栄養学専攻など関連したバックグラウンドを既に持って入学する学生がほとんどの印象です。一つ目にあげたGDECの疫学アプローチが死亡率やカバレッジなどのアウトカムを扱うプロジェクトが多いのに対して、よりマイクロな栄養指標等のアウトカムをとる方向性のプロジェクトを探したい方におすすめです。

プログラム4) Social and Behavioral Interventions

学校ページの紹介文:The Social and Behavioral Interventions concentration offers multi- disciplinary training for researchers and public health practitioners who wish to use the social sciences in the design, implementation, and evaluation of public health programs, particularly community-based interventions. Students are exposed to applied theory and methods from the fields of social psychology, medical anthropology, and sociology. The combined use of qualitative and quantitative methods is a defining characteristic of the program.

質的分析のアプローチや、行動科学、community密着型のアプローチに強みのあるプログラムです。学際的な特徴の中でもHealth Systemが経済学とのつながりが強い傾向にあるのに対し、このSBIは社会学や心理学・人類学などとの結びつきが強いです。必修科目は、method系が充実しているのに加えて、リサーチクエスチョンをどう組み立てるか?など、human-centered アプローチらしい丁寧なhow to講義が展開されている印象があります。

Center for Indigenous Health などの国内でのリーダーシップに加えて、グローバルヘルス分野では HIV患者の経験の深掘りなど "sensitive" トピックや、ナッジなどをキーワードにした生活習慣病予防政策に強みを持っているfacultyが多くいる印象です。また、mixed-methodの専門家も多くいます。


余談:MPHとMSPHの違い

MPHは公衆衛生大学院の全学プログラムとして提供されている1年制の専門職修士です。Johns HopkinsにはMPHの他にも本記事で紹介するMSPHやより研究に特化したMHSなどがあり、メンタリングの仕組みや想定している卒業後のキャリアが異なります。

MPHとMSPHの違いを私の経験からまとめると以下の通りです!(MSPH推しのため多少のバイアスをご容赦ください。)

  1. ひと学年の人数:MPHが200人overの大所帯プログラムなのに対して、MSPHは各プログラム20人超程度で構成されています。広い興味関心を持った同級生同士のネットワークを重視したい方はMPHの方が容易にネットワーキングしやすいです。

  2. メンタリングの仕組み:MPHは大所帯なのもありconcentrationごとに分かれてグループメンタリングを受けるような仕組みです。どれくらいの指導を受けられるかどうかは学生個人それぞれがどれ程積極的に動けるかにかなり依存しています。一方でMSPHは入学時に選んだ指導教官が全員に割り振られ、1対1のメンタリングを必ず受けることができます。また、MSPHは所属departmentがあるため、キャリア相談機関や事務スタッフの窓口がMPHよりはっきり組織化されている傾向にあります。MPH生は所属先が全学な分、必要な支援は自分で探し出す必要性が高いです。

  3. 必修科目:MPHは幅広い必修科目が多く、general に学ぶ特徴が強いです。一方でMSPHは各trackごとの必修科目であり、さらに必修の数が少ないため、それぞれが取りたい授業をとる形式です。

  4. 入学前の実務経験:MSPHの方が全体としてearly キャリアの生徒が多く、約半数が学部卒業後直接進学していますし、その他も実務経験が5年未満の生徒がほとんどを占めます。一方でMPHはmidキャリアを想定しているため、学生層が少し異なります。

余談:現状、"STEM" (卒業後のOPT延長ビザの適用)はMPH, MSPH international healthともに認定外です。Update: 2023年5月卒業の期よりMPHはSTEMに認定され最長3年間の卒後ビザが取れるようになりました。MSPHは未だ認定外ですが、この流れにのって、MSPHも近年のうちにSTEM認定へと進む可能性が高いです。
(EpiのMHSなど弊学でもSTEM適用されるプログラムもあり、それを理由にプログラムを選ぶ留学生も多いです。)

また、卒業要件となるcapstone/practicumの要件は大きく変わりません。どちらのプログラムに入学しても、研究プロジェクトに寄せることも、実務としてのグローバルヘルスを追求することも可能です。(しかし、MSPHは2年目をフルに使って多くの学生がfield workに赴くのに対し、MPHでは1年間のハードなコースワーク/ジョブハンティングとの両立になるため、プロジェクトに割く時間を捻出するのは容易ではない印象です。)

留学の目的やキャリアの段階によって、最もフィットするプログラムは異なるかと思いますが、特に 1) 30代前半までなど比較的early キャリアでの留学,  2)留学をするからにはガッツリプロジェクトに関わりたい という方にはMSPH International Healthをおすすめします。併願もできますので、合格してから選ぶなどの戦略も取れます!

まとめ

この記事では、Department of International Health @ Johns Hopkins BSPHの4つのプログラムの特徴、及びMSPHとMPHの比較をまとめました。イギリスの開発系修士に比べて、このDepartmentには日本人がとても少ない印象を持っています。その背景には、組織形態が複雑で実際にどの分野に強みを持っているのか伝わらないことがあるのかな、と思いましたので、プロジェクト/リサーチセンター単位で関心のマッチングができる助けにこの記事がなっていれば幸いです。

グローバルヘルス分野で留学を検討中の方に弊学の魅力が少しでも伝わっていますように! :)  

"【グローバルヘルス留学】Department of International Health @Johns Hopkins BSPHを紹介!"  おしまい。

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