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転職日記

20代で一度、30代で一度、そして、今回40代で転職活動を経験し、これまでの転職活動では感じなかったたくさんの気付きがありました。そんな備忘録です。

自分の属性
・年齢:40代
・経験職種:マーケティング(主にBtoB)、商品企画、市場投入、PRなど
・事業内容:広告、データなどインターネット系サービス
・経験企業:3社(社員数 7000名、100名、20名)


■ Phase0 転職背景

きっかけについては本題ではないので、手短に述べたいと思いますが、観光業が中心だったこともあり、コロナによってまあまあの打撃を受けたわけですがようやく売上も回復し、良くも悪くも今、自分にできることはここまでで、次の年代を見据えてチャレンジするなら今かなと感じました。

■ Phase1 情報収集

前回は知り合い経由で入社に至ったのですが、今回は主に転職エージェントにお世話になりました。(定番なものからスタートアップに特化したものまで。)
もちろん職務経歴書を用意する段階で、ある程度の自身の方向性はあるつもりでしたが、色々知らない企業もあるのでカジュアル面談やエージェントの紹介など話を聞いてみたのが最初のステップでした。(※あまり多いと対応が大変なのでご注意下さい。特ににdodaは一応登録したところ、ものすごい電話が来たのですぐ停止しました。)

主に利用した転職エージェント/転職サービス
・リクルートダイレクトスカウト
・ビズリーチ
・ForStartups(フォースタートアップ)
・ケンブリッジリサーチ
・Wantedlyなど


■ Phase2 多くの問題

・問題その1:どの企業にも興味が全然湧かない
最初の問題は、びっくりするほど自分の興味が湧くもの(企業や役割など)がなかったこと。幼稚と言わればそこまでなのですが、自分で調べてみても、エージェントから紹介されても、気持ちが動かなかったことにびっくりしました。後から自己分析すると、やはり色々な経験が増え「ああ、あれね」みたいな想像の範疇に収まってしまい新鮮さを感じなかったように思います。20代〜30代の頃は、あんな企業に行ってみたい、とか、今まで出来なかったことをやってみたいとか、新鮮な気持ちがあった気がしますが、薄れたことに危機を感じました。

・問題その2:スキルの幅が曖昧に広がりすぎている
全部当たり前なのですが、企業の求めているポジションと応募者のスキルセットが完全に一致することの方が珍しく、特に経験を重ねると良くも悪くも幅が広がっていて、どのスキルを強調するか自分が迷うという現象がありました。
特に企画系の職種など、その会社で必要とされた(もしくは自分が必要と思って実行した)業務に自分が最適化されているので、その業務を社会的に何と呼ぶべきか、他の企業が求めているものと同じなのかが不明なケースが多々あるなと思いました。

・問題その3:採用期待とのミスマッチ
それなりの経験値や若い世代以上の貢献を求められるわけで(当たり前ですが)、そうするとやはり今持ち合わせているものの横展開が中心になります。しかし、同じ業務を横展開するだけだと自分の次の年代を見据えた時に、心もとないので、経験値は低いのだけれど、応用が効く余白を希望するかどうかという点も、採用ポジションとのミスマッチを生む気がしました。(若い世代であれば、ポテンシャルで採用ということも十分あると思いますが、この辺が地味にシニア採用との差異でしょう)

■ Phase3 苦悩と出会い

実際は文章で書くほど考え込むこともなく、とりあえず色々話を聞いてみる、みたいな感じではありましたが、せっかく3回ぐらい選考を通過して最終選考で実らないというのがあると、時間もかかりますし(2~3週間ぐらい)誰しもしんどくなってきます。

そんな中、とあるエージェントの担当者と連絡を取った時に、同じ大学の同じ学部だったことが分かり「おお!」と盛り上がりました。自分自身が特殊な学部だったのもあり、どういう個性なのかも少し背景を理解してくれていたことに安心感がありました(偶然ですが)。
結果的には上記で挙げた転職サービスの中から、最後までお世話になったのは2社(2名)の担当者の方でした。向こうも仕事とはいえ、色々ご提案をいただきありがとうございました。(無駄に連絡が多いところは早々に退会しましたし、多すぎると対応できないので結果的に1〜2社に絞られました)

そんな活動を続けていると、企業からのスカウトなどもちょくちょく来たり、面白そうだと思える企業との出会いもあり、本格的に転職活動が軌道に乗って来たと思います。

■ Phase4 今だからこその発見

業界や職種などにもよって大きく違うと思いますが、やはり気付くことが色々ありました。この辺りは今後の社会人経験にも活きてくると思いました。

・気付きその1:強い会社の強い組織
直接、企業にお話を聞いたり、質問をしたりしていて気付いたのは、売上が向上していたり人員を増強している会社の強さです。
1:組織の各部署の役割がとても明確(組織図も公開している)
2:組織が明確なので、そのKPIや人員バランスも明確
3:給与レンジやグレードを公開している(おそらくそれなりに練り上げられたものだろうから簡単には変えないし、社員の納得感も醸成していると思われる)

・気付きその2:人事が語る会社のビジョン
あまり人事の方が出てくる面接はなかったのですが、人事の方が会社概要を説明して、会社の未来まで話してくれる会社がありました。これはちょっと感心しました。それだけ未来図が共有されて浸透しているのでしょうし、会社への信頼感を感じました。

・気付きその3:面接のフローの多様化
「部門担当者→役員→社長」のような決済権限の下から上へ行くのが普通だと思っていたのですが、いきなり役員や社長クラスの方から始まる企業もあるなと思ったのと、その場合は逆に上位レイヤーの次に下位レイヤーの選考があるというケースもあり、なるほどと思いました。全体的に面接のステップが増えている企業が増えている気がしましたし、リファレンスチェックを必要とする会社も増えている気がしました。

・気付きその4:ビジネスモデルの違い
全部当たり前なのですが、ビジネスモデルが違うと必要な人員配置が変わるということ。(例えば、アプリユーザーを対象にした課金モデルと企業向けのデータソリューションによるコンサルでは、組織も変わる)。
やはりメディアやサービスを自社開発している企業だと半数がエンジニアになるので、ビジネス系の割合は大幅に減ります。ToC向けがメインだと営業の数がほとんどいないことも。一方、ToB向けだと営業系やカスタマーサクセスの数も多くなる。

・気付きその5:THE MODELとSaaSの急発展
感覚的には分かっていましたが、SaaSモデル(クラウド型のサービスで多くが月額課金など)が大幅に増えていること。自分のスキルセットの話もありますが、SaaS系企業の募集ポジションは本当に多かったように思います。
それに伴い、THE MODEL型(マーケからインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの流れ作業で顧客を創出していくデマンドセンター)を採用している企業が増えていたこと。THE MODEL型でやります、と事前に募集要項に書いているものあったり、そもそも組織図を見れば気付くことでもありました。

・気付きその6:AIによる推薦
しばらくして、エージェント担当者から「AI使いますか?」と聞かれて、「は?」と思ったのですが、提案された募集を”気になるボタン”や”興味なしボタン”を押していくことで、だんだん最適な募集が提案されるという仕組みです。提案される数が多くて大変でしたけど、経験にはなりました。

■ Phase5 突破口

どのスキルセットを押していくか、は最後まで悩みました。これまでの通り、会社の採用ポジションによって必要としているものが異なるので、完全にマッチはしなくとも的が外れると「なんか違うな」となる可能性が高いので。

私の場合かもしれませんが、最後はオープンボジションにたくさん応募することで、どのスキルを押していくか問題が解決されました。
(※オープンポジション:職種や業務内容が提示されておらず、応募者の職務経歴を見て、合いそうなポジションを再度提案してもらえる仕組み)

手持ち(言い方悪いですが、希望する採用応募の中で順調に選考が進んでいるもの)が全部なくなると不安感が出てくるのですが、逆に最終面接や内定が出てくると気持ち的には安定してくるので、一喜一憂ではあると思います。

■ 最後に

特にシニアの転職は、知り合い経由のお誘いやフリーランスへの転身、特定のヘッドハントなど、様々なパターンがあると思いますが、やはり自身で道を切り拓いていくという孤独な戦いになると思います。私の場合は、先に現職を退職したので、時間の焦りも多少はあったと思います。(有休期間である程度目処をつけるつもりだったのと、逆に転職活動をしながら現職の業務のモチベーションを保てないだろうと思ったのもあります)

給与面、期待度、マネジメント経験など年代を重ねるにつれて、転職が厳しくなるので、より企業の期待と自身のスキル&マインドがフィットする企業を探すのが難しいと思います。結果的には2ヶ月ぐらいの転職活動期間ではあったのですが、一日たりとも心休まる日はありませんでした。最後は希望する企業とご縁があり、また新しいスタート地点が見えました。(それでも、お断りをしなければならない企業もあり嬉しい悲鳴ではあるのですが、少し悩ましいこともありました。)

シニアの転職として、一言で言うと「Too Much, No Match」で、年齢や経験値だけがToo Muchで、その企業の求めるちょうどいいポジションがマッチしないというケースがいくつかあった気がします。

今回はようやく転職活動を振り返る余裕が出たので、自分への備忘録としての記録でした。

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