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コンテナの子ウサギ

今日はハムスターの床材とエサを買うため、昼に近所のペットショップに行った。
小動物コーナーに入ると珍しくたくさんのコンテナが積まれていて、中を覗くと子ウサギやハムスターが入っていた。3段に積まれた45×30×15センチくらいのコンテナには新聞紙が敷かれ、エサとなる牧草、保冷剤とおぼしきボトルが入っていて、子ウサギがそれぞれ2匹ずつ、計6匹がいた。
店に入荷したところに出くわしたのは初めてだったので、面白かった。どこかからはるばる運ばれてきたんだなぁと思うと、よく分からないが無性に感動を覚えた。

ウサギ…というかペットは輸送の際に死んでしまうこともあるという。狭い空間に閉じ込められることによってかかる強いストレスがひとつの原因になることもある。病気などで弱っているタイミングに外に連れ出すと追い打ちをかけてしまう可能性があり、動物病院に連れていくことを躊躇う飼い主もいる。

今日見たコンテナは、見た目にはエコノミークラスといった感じの状態。ファーストクラスではない。中の子ウサギたちは元気そうではあった。狭いが多少は動く余裕はあり、人間の通勤電車の方がよほど過酷に見えた。

輸送のストレスに弱いペットより、すし詰めのバス電車にも毎日耐えられるホモ・サピエンスの方が家畜度が高いなと思った。あれほどの過密な環境でもおとなしくしていられる従順で温和な性質。痴漢やら喧嘩やら急病人などはあれども、人数比からしたらトラブルの発生率は極めて低いと言えるのではないか。他の動物ではこうはいくまい。ヒトは他のどんな動物よりも家畜らしい性質を備えているというのは「自己家畜化説」でも採用されるひとつの見方である。

動物の「家畜化」は「ヒト化」とも言ってもいい。オオカミよりイヌの方が、ヤマネコよりイエネコの方が、イノシシよりブタの方が、人間に近い。我々はある動物がヒトに近いかどうかを知能の高低でばかり推し量りがちなように思うが、例えば賢い野生のカラスやイルカよりも温和で鈍臭いペットのホーランドロップの方がヒトに近いと見ることは出来る。

そんなことを考えながら、必要な買い物を終え、ペットショップをあとにした。

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