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タケノコ

土曜日朝8:00、通り道、車で走っていると道端で知り合いを見かけた。道路脇に軽トラを停めて知り合いの友人同士で何やらしていた。「おはようございます。なんかあったのですか?」「タケノコ買ってくれる?」タケノコの無人販売のしこみをしていたようだ。こちら愛知県東三河と呼ばれる地方はとてもローカルなので、野菜、くだものをテーブルに並べて銭入れ箱に入れて購入するシステムが普通にある。

え?タケノコ買うものなの?もらうものだと思ってた。「5:30から掘ってきた。スーパーよりは安いよ。買いん」と方言で攻めてきた。しょうがない、買うか。
「いくらですか?」
「500円、米ヌカもついてる、茹でるばっかりにしてある」

500円。む、む、なかなかいいお値段。どうしてもタケノコに目がなくて、家に帰ったら、靴を脱ぐのも惜しいぐらいタケノコを欲して食卓に滑り込むほどタケノコが好きなら500円は安いのであろう。こちとら、そこまで特にタケノコ萌えではない。そもそもどうやって調理するのだろ。

と思考停止の目をしていたのだろう。
「インターネットに全部出とる。先っちょを斜めに6センチくらい切って、鍋に米ヌカを入れて煮る。落とし蓋わすれんとって。春の味がするよ」
わかったようなわからんようなセールス文句だ。しかし、数年前妻がタケノコを友だちからもらってきていた。
春だね、どう調理するの?と話すと
「タケノコ茹でてあるの、だからもらってきた。自分で茹でるだったらいらん」
という。それなのに、このタケノコを買ったなんでことを言ったらどうなるか。
どうしよう。
このままでは持って帰ることができず、クルマの中で水浸しになって腐る可能性大だ。

「よし、事務所で茹でよう!」
心に決めた。
鍋はフィリピン従業員さんのお宅から拝借。いざ調理。

先っちょ5〜6センチを落として
まず強火で茹でる、米ヌカ、赤唐辛子を入れる
沸騰してから弱火にして40〜60分茹でる
その後お湯を覚まして皮剥き冷蔵庫保存だそうだ。

40分以上も茹でるとは!しかも収穫後すぐ茹でないとアクが出てくるとのこと。
茹でた日は月曜日。すでに2日経過。アクっぺえのかな。

とにかくmagumpisa magluto ng labong
とタガログ語で気合を入れる。

茹で終わり、おお、柔らかい!
皮剥き、あれすごく小さくなってしまった。少し味見。
うん、アクっぺ、でも春の味かも。

さあ、茹でタケノコ、どう調理しょうかな。
もう次は買わないかな。

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