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入院中に、Audibleを始めました。透析中、時間もあることから、2ヶ月の無料トライに申し込み、まずはハードカバーなので買うのを躊躇していた「黒牢城」(米澤穂信)を聴き始めました。

耳からの情報の素晴らしさを改めて感じています。小学生の時、ラジオで聴いたドラマ「室戸台風のドキュメンタリー」のことを思い出しました。ラジオから流れる音声と、自分で想像する映像が合わさって、固唾を飲んで聞き入っていた記憶が未だに残っています。

映像が先に入ってしまうと、それに引っ張られてしまうこともありますよね。例えば、東野圭吾さんの「新参者」は先にドラマを見てしまいました。後で本を読んでも、主人公が阿部寛さんにしか思えないのです。

読むというのは、どういうことなんでしょうか? 視覚がベースにあるはずですが、聴覚や映像的な視覚よりも想像力をかき立てられることも多々あります。脳内の言語野と視覚野の違いに起因するのでしょうか?

言語野は、言葉を理解したり、話したりするための脳の領域です。視覚野は、視覚情報を処理するための脳の領域です。この2つの領域は、密接に関係していますが、言語野は視覚野よりも広く、複雑な機能を担っていると言われています。

読むという行為は、言語野を介して、視覚野に情報を送る。しかし、言語野は視覚野に情報を伝達するだけでなく、想像力も働かせる。その結果、読者は、本に書かれている内容を、自分の想像力を駆使して、より豊かに感じることができるのでしょう。

もちろん、映像も想像力をかき立てることができます。しかし、映像は、作者が意図的に作り上げた世界を画像化したものです。一方、読書は、自分の想像力で、自由に世界を創造することができます。その自由度が、読むという行為の魅力の一つなのでしょう。

Audibleは、聴覚によって、読むことの新たな可能性を教えてくれると思います。「読む」ことにハードルを感じている人は、トライしてみるのも良いのではないでしょうか。

追:ある程度の速読ができる人には、audibleはイライラがつのるかもしれません。黒牢城、audibleで聴くと、15時間くらいかかると思います(私もまだ途中です・・)。普通に読めば、数時間で読み切れると思うので、その時間の差と、没入感(聴きながらだと、どうしても”ながら”になってしまうので、集中しきれない・・)の不足をどう感じるか。とりあえず、試して確認してみて下さい。

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