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51arts|山形市 歴史ミュージアムめぐり(前編) 山形県立博物館

アート旅行記第2弾! 今回は山形市の歴史に触れる3つのミュージアムをめぐります。(行ったのは2022年冬)山形在住の友人の運転で行きましたが、徒歩でも1日で回れる距離です。

前回は福島県須賀川市をレポートしました↓


いにしえの山形を物語る二大スター

ヤマガタダイカイギュウ模型

山形県立博物館は、山形城跡を整備してつくられた霞城公園内の文化施設の一つです。山形城なの?霞城なの? と戸惑いますが、出羽の関ヶ原合戦「長谷堂合戦」の際に城郭が霞で隠れて見えなかったことから山形城は「霞ケ城」とも呼ばれ、そこからのネーミングだそう。

代表的な展示品は、山形県指定天然記念物「ヤマガタダイカイギュウ化石」国宝土偶「縄文の女神」
入口では、山形県立東根工業高校(現・山形県立村山産業高等学校)の生徒によるヤマガタダイカイギュウの鉄製モニュメント、巨大な木製の縄文の女神像が出迎えてくれます。メカメカしく動きそうでかっこいいですね!

ヤマガタダイカイギュウ

ヤマガタダイカイギュウ化石

カイギュウとは海棲哺乳類の海牛目、つまりジュゴンやマナティのことです。陸上生物から派生したゾウの近縁で、ずんぐりとした胴体や小さい手(ヒレ)をもっています。
ヤマガタダイカイギュウは約900万年前、まだ猿人が出現していない頃に生きていた生物。1978(昭和53)年にふたりの小学生が最上川で発見したもので、世界的にも貴重なものだそう。

縄文の女神

縄文の女神

縄文の女神は山形県舟形町西ノ前遺跡の出土品で、写真後ろの土偶残欠(土偶のかけら)とともに2012(平成24)年に国宝に指定されました。
ほおかむりのような頭部と反り腰、パンタロンをはいたようなどっしりとした脚が特徴です。高さは45cmと大きめで、造形も優れています。

小さい「縄文の女神」を発見

現在、国宝土偶は5体。2018年の特別展「縄文―1万年の美の鼓動」(東京国立博物館)では、国宝《火焔型土器》とともに東京にやってきました。
私は土偶は出土された地域のミュージアムでみたいという願望があり、長野県・茅野市尖石縄文考古館の「縄文のヴィーナス」「仮面の女神」、新潟・十日町市博物館の「火焔型土器」も現地でみることができました。残るは北海道の「中空土偶」と青森の「合掌土偶」のみ。

山形の自然と人の営み

常設展示室は、山形のなりたち、月山や朝日連峰の裾野に広がるブナ林の生態系、山形の人々の暮らしがテーマとなっています。

豊かな地形と生き物たち

最上川の模型
火山岩やかつての海底の名残である泥岩など

山形県を縦に走り、複数の支流を持つ最上川は、「五月雨をあつめて早し最上川」という松尾芭蕉の句の通り、流れの強い河川です。
急勾配な上に急カーブもある河川は岩肌を削り、229kmもの距離を流れて日本海に注ぎます。そうした山あり谷ありの最上川の旅路が、バリエーションに富んだ地形と地質を生み出しています。

海と川の魚たち

山形県の魚に制定されているサクラマス、サケやアユといった淡水魚から、ハタハタ、鱈、岩ガキやアワビ、ズワイガニなどの海産物まで、最上川と河口の庄内地域は豊かな漁場です。

山形のチョウ

日本の固有種であるギフチョウは西日本、ヒメギフチョウはロシアから朝鮮半島と東日本にかけて分布しています。山形ではギフチョウが食べる植物の植生に倣って、庄内地方(海側)にギフチョウ、内陸側にヒメギフチョウが生息、両種の雑種も確認されています。

奥から薬草・毒草・山菜の標本

数ある展示品の中でも、植物標本の美しさには驚きました。いわゆる標本らしく一つひとつを分ける展示方法ではなく、異なる植物を組み合わせるように配置しているので、地面に生えていた頃の生き生きとした様子が伝わってくるようです。

稲作と修験道

最上川の舟運
特産の紅花やお米

最上川は山形〜上方(大阪・京都)・江戸間における物資の輸送路となり、商業の発展にも貢献しました。山形からは米や雑穀、紅花、青苧(あおそ、麻のこと)や真綿などが、上方や江戸からは塩や茶、魚といった食料品から雛人形、古着、藍玉や木綿などが運ばれました。

呉服屋の店先と職人の道具

ことに湊町の酒田は大いに栄え、現在も豪商の屋敷や料亭といった豪勢な建築物が残されています。

出羽三山の信仰

月山・湯殿山・羽黒山からなる出羽三山は修験者(しゅげんじゃ)の修行の場になりました。崇峻天皇の皇子・蜂子皇子を開祖とする出羽三山信仰は、平安時代にはすでに盛んでした。現在も一年を通して多くの神事や修行が行われています。

ケサランパサラン

異色の展示物が「てんさらばさら(ケサランパサラン)」。「見つけると幸せになれる」「おしろいを食べる」と言い伝えられる謎の存在が、なぜこんなところに?
庄内地方の家では昔から飼っている(?)方が多いらしく、友人も飼っているお宅があるという話を聞いたことがあるそう。

小学生のときに同名の玩具があったなと検索してみたら、化粧品もある!!
ケサランパサランの扱いの軽さよ!

★ミニ観光情報 どんどん焼き

おやつ屋さん

「どんどん焼き」は、お祭りの屋台でも食べられる山形名物。霞城公園そばの「おやつ屋さんは、メディアでも取り上げられるどんどん焼き専門店です。テイクアウトもできますが、お店の奥はイートインスペースになっており、夕方はお酒も飲めるそう。駐車スペースが狭いのでご注意!

手前がスタンダードな醤油味、奥はチーズ入りのソース味

海苔・魚肉ソーセージ・紅生姜が一直線に並んでいるのが、ポストみたいで可愛いですね。グルグルに巻かれた生地に割り箸を刺して提供されます。「おやつ屋さん」のものは通常より大きいらしく、ペンケースくらいの大きさ。
おっきくてモチモチでうまうまです!

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