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大腸がん日記 148日目

この日は土曜日で仕事はお休み。朝は休日恒例のスロージューサーで人参ジュースを絞った。断固として人参は嫌いなんだけど、リンゴとレモンで割って飲むととても美味でございます。

カペシタビンの服薬はこの日が10日目。あと少しで飲み終わる。
1サイクル目は6日で脱落してしまったから、私にとってここ数日は未知の世界だった。急に調子が悪くなった数日前までの山場を越せたことで、自身がついたみたい。最後まで飲みきれると思う。

この日は吐き気はほとんどなくて、多少のだるさはあるものの手足のしびれも辛くなかった。お腹ピーピーはもう書くまでもなく、というところ。

午前中は家のことをあれこれ片付けて、お腹の様子、体の様子、しっかり見極めて、お出掛けしちゃった。
2週続けての神奈川フィル。ソリストは務川圭吾さん。いつか聴きたいと願っていたピアニストさんだから、本当にうれしかった。
そしてなんと、ゲストコンマスで東亮太さん!こちらもいつか聴きたいと思っていた方。先月、JNOの公演を泣く泣く諦めたことがあって……ようやく夢が叶いました。

正直なところ、今週の半ばまではあまりに具合が悪くて、残念だけど演奏会は諦めるしかないと思っていたから、喜びも一入とはこのことだ。

大腸がんに罹る前は、いいなぁと思う公演があっても何かと理由を付けて「また今度」とすることがよくあった。
場所が、とか、時間が、とか、お金が、とか……

でもね、「また今度」って、ある?

そう思うようになったんだ。
だから、気になったらなんでもチャレンジしてみよう。
長年沁みついた行動様式を簡単に変えることはできないけど、今、できそうなことからやってみる。

どこかに出掛ける。
誰かに会う。

こんなに簡単で、そして二度とはないかもしれない、そんな体験を。

もちろん、一番大切なのは自分の体。
だから、なかなかのお値段のチケットを紙切れにしてしまったり、出掛ける直前になって、わざわざ休みを取ってくれた友人にごめんなさいをしてしまったり、そんなこともないわけではないけど。
(その友人とは改めて別日に会うことができて、お詫びもできた。よかった。)

この日はすばらしい運命の一日だった。

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