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対話型鑑賞ファシリテーター活動報告②

2月21日、栃木県立美術館にて
ミルキクの代表及び内科医である
森永先生のご厚意に預かり、
VTSの見学をしてきました。

白衣の中に、アートの心を。
というキャッチコピーを掲げる
ミルキクの森永先生は
主に医療従事者の方々にアート教育として
VTSを実施し続けています。

見学の日は医学部5年生の生徒たちに
美術館でVTSを行う課外授業でした。

この記事ではそんな見学での
気付きや注目した点を残していきます。


この日のVTSのデザイン

まずこの日のVTSは
以下のようにデザインされていました。

①まずは生徒たちにお気に入りの作品を
 各々1つずつ選んでもらう(3分程度)
②それぞれ選び終えたら
 1つずつ選んだ作品でVTSを行う(各10分程)

非常にシンプル。

また、この日は栃木県立美術館の
学芸員さんのVTSも行われており、
生徒たちを2つのチームに分けて

A:森永先生のVTS
B:学芸員さんのVTS

所定の時間が過ぎると
チームを入れ替えて
またVTSを行うという感じでした。

見学させて頂く
ファシリテーターの私からすると、
異なるファシリを2つも見学できて
1粒で2度おいしい感じ。

ちなみに学芸員さんの
VTSは以下のようなデザインでした。

①あらかじめ決められた
 作品でVTSを行う
②作品にまつわる制作話などを解説
③再び同じ作品でVTS

過程の中に「作品の解説」が
入っているパターンなのですが、
これは学芸員さんがVTSに
「日本の伝統的工芸品」を用いたから。

詳しくは割愛しますが、
VTSは用いる作品によって
多少解説を入れた方が想像や表現が
しやすくなるものもあり、
日頃美術品の勉強や研究をしている
学芸員さんらしいVTSでした。


ここからは森永先生のVTSに戻り、
印象的だった点を振り返ります。

好きな作品はそれぞれ違う

森永先生のVTSはまず生徒たちに
好きな作品を1つ選んでもらう
というもの。

で、当然ですが人によって
好きな作品は違いますよね。

ある生徒には刺さる作品も、
別の生徒には全く刺さっておらず
「(鑑賞しても)なにも言葉が出ない」
「この作品からは離れたい」
ということもあるわけで。

当然といえば当然ですが、
それを直接目の当たりにできる
デザインも面白いなと感じました。

加えて、
VTSのメリットというか
大事な部分の1つに
「普段はスルーしてしまう作品も
一生懸命、鑑賞する機会になる」

ことがあげられます。

普段の思考(嗜好)の枠の外で
なにか発見が得られるかもしれない
とても良い体験です。

無題について

個人的にですが森永先生から
とても面白い質問が出ていました。

それは無題について

ある生徒が選んだ作品で
VTSを行っている途中、
その作品が無題の作品だったことから
「皆さんはなんで無題だと思いますか?」
と質問をしていました。

美術館などに行かれる方なら
1度は無題の作品に出合ったことが
あるでしょう。

私も今まで何度も無題の作品を
見てきましたが、
「なんで無題なのか」とは
考えたことがありませんでした。

無題に対する考え方の違い、
無題に対する感じ方の違い。

とても興味深かったです。

最後に

私は現在、
自身の運営する「絵.cocoro」にて
オンラインVTSの無料体験会、
ココナラにてオンライン1対1VTSを
実施中です。

ご興味ある方は是非!
最後まで読んで頂き、
ありがとうございました!

サポートは全額、絵.cocoroの運営やアート事業のために利用させて頂きます。