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銀座メゾン・エルメス: 「転移のすがた」アーティスト・レジデンシー10周年記念展に行ってきました

所要時間:40分ほど(私は見るのがゆっくりな方です)
混雑:平日日中 10人くらいは鑑賞者がいましたが、じっくり鑑賞できました。

銀座メゾン・エルメスへ行ってきました。
今回は過去に行われた「アーティスト・レジデンシー」の回顧展のようです。
「アーティスト・レジデンシー」は、エルメスの工房でアーティストが作品を制作するプログラムで、一流の技術を持ったスタッフと一緒にチームを組んだり、素材なども上質なものを使えるようです。

ただの回顧展ではなく、今回の展示では、アーティスト・レジデンシーに参加した3組のアーティストそれぞれのメンター(こちらもアーティスト)の作品が展示されています。
ちょっと複雑なのですが、計6人の作品が展示されています。

アーティスト・レジデンシーはメンターの推薦で人選されるようです。

アーティスト・レジデンシーに参加するアーティストとメンターは師弟関係であったり、バーで知り合ったりと色々なパターンがあるようです。
いずれにしろ、メンターにとって将来が有望な人が選ばれるでしょうね!

「転移のすがた」というタイトルに私が思ったのは、エルメスの工房の技術などの力がアーティストにも伝わっていくというイメージです。もう一つは、メンターとアーティストの間に吹いている風のようなもの。今回の展示はアーティストとメンターがコラボレーションしているとまでは言えないけれど、同じ空間に作品が展示されていたりします。相互に関係し合っていて、どことなくメンターとアーティストの作品は似ている気もしました。


アーティスト/エンツォ・ミアネス Enzo Mianes
メンター/ミシェル・ブラジー Michel Blazy

エンツォ・ミアネスは1988年、トゥールーズ生まれでパリを拠点に活動しています。
若い方ですが、いろんなバリエーションの作品があって才能溢れるイメージがしました。

この動物や人?に見える作品はエンツォ・ミアネスがエルメスの工房とコラボした作品です。

メンターのミシェル・ブラジーは1966年、モナコ生まれでパリで活動しています。
有機的な作品が特徴的なアーティストです。今回初めて知ったのですが、とても好きになりました。
2016年にこのギャラリーで企画展をしていたようです。

↑こちらのニョキニョキしている作品はメンターのミシェル・ブラジーの作品です。
じっくり見ると細部のグラデーションが見事で「癖」になります。生き物のような感じです。
ぜひじっくり見てほしいです!

これらは同じ空間で混ざり合って展示されているイメージでした。
この部屋は入っていいのかな?と迷いましたが、入っていいそうで、花を踏まないように注意だそう。
卵の殻を踏んでパリパリ言いながら進みます。


アーティスト/小平篤乃生 Atsunobu Kohira
メンター/ジュゼッペ・ペノーネ Giuseppe Penone

小平篤乃生は1979年広島県生まれ。パリで活動しています。
とても繊細で美しいイメージの作品でした。

クリスタルの中に時計が入っていてその針がクリスタルの面に当たります。その音が響いて、美しい作品でした。

ジュゼッペ・ペノーネは1947年イタリア生まれ、イタリア在住。
2階にメンターであるジュゼッペ・ペノーネの作品が展示されています。
木の絵と楽譜です。音楽も流れているのですが、その木から音楽が流れているような美しい作品でした。

1階と2階でつながりを感じるような展示でした。


アーティスト/クロエ・ケナム Chloé Quenum
メンター/イザベル・コルナロ Isabelle Cornaro

クロエ・ケナムは1983年パリ生まれ、同地で活動しています。
展示室に入ると美しいガラスが目に入ります。
フルーツの形をしたもので、色合いも美しくバナナなどは腐った?表現もされているように感じました。

メンターのイザベル・コルナロは1974年フランス生まれで、パリとジュネーブを拠点に活動しています。とてもコンセプチュアルな作品に感じました。ブロックとオブジェクトを組み合わせています。


メンターとアーティスト・レジデンシーに参加したアーティストの作品が互いに響き合って面白い展示でした。
事前にしっかりとメンターとアーティスト・レジデンシーに参加したアーティストが2組×3いる!と頭に入れてから展示を見るとより理解が深まる展示だなと思いました!

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