クロモの休み時間#2

最近の趣味は(いくつあるんだと聞かれると困るのでやめてください☆)シャンパンのコルクと針金を使った人形を作ることです。
作業に集中できなくて「だあーもうー!やめだやめだー!!」ってなった時は大体これをしてます。
もう3人いるから、そんなことが少なくとも3回あったことになりますね。(うふふ)
友達にいっぱい作りたいんだよねーと相談したら「うち嫁とよくシャンパン開けるから、今度持ってきてあげるよ!」と話してくれて(同時にのろけかこのやろおと思ったのは内緒です)、おかげで今僕の作業机の上にはコルクと針金が散乱していつでも手が出せる状態となっております。
もっと色々アレンジして作れるようになったら販売するのもいいなあと、そんなことも考えております。
ちょっとだけお楽しみに。





とうとう新曲『 蛍と龍 』のリリースが決まりました。
前作『 aura 』が3月だったので4ヶ月かけてのリリースです。
以前は毎回6曲収録のミニアルバムを毎年出していたのでそれを1年に6曲+αとすると、1年に3曲くらいのこのペースは比べるとかなりゆっくりですね。
待ってくれているみなさんにはちょっと待ちくたびれさせてしまっているような気もするのですが、僕個人的には一つ一つの作品に集中できることも、歌の変化や成長を確かに感じることも気に入っていたりします。
ことこの3部作は1曲1曲の繋がっている流れや脈絡を大切に選曲、製作をしているので、あまりフィジカルで慌てて取り組みたくないというのが僕の気持ちです。
「売れることのために今すぐ、一曲でも多く、早く、曲を書く」というのが一番大切だった時の僕から見たら、きっと今の僕は言い訳をしてサボっているようにも見えるかもしれません。
でも僕はこうして大切に音楽をやっていきたいんだよと……いやきっとあの時の僕はわかってくれないな。
とにかく必死だったもんな。
なんとか箸にでも棒にでも引っかかるように、力を貸してくれる人の期待を裏切らないように、怒られないように。



今回のリリース3部作は僕にとって一つの集大成として企画したものでした。
ここまでずっと歌ってきた道のりの中で、一つの区切りをつけたいなと思っていました。
もちろん音楽活動をやめるとか、そういう区切りではありません。
ただ僕がここの時代に生きて何を考えていたのかが、聴いてくれる人に対しても、未来の自分に対しても、明確に示せるような大きいテーマのあるものを作りたかったんです。
僕自身と僕の音楽というものについてもっと向き合いたかったんです。
音楽をやっているのに別のことに気を取られて集中できなくて、そうやって僕の思う「素晴らしいメロディ」「気持ちの良いハーモニー」を感じることができないということがとても辛かった。
俗にいう「なんで音楽をやっているんだろう」という気持ちにもなって、考えてみたらそれも一つ、僕がやりたいことをやろうと走り出したことの要因になっていたのかもしれません。
僕にとって音楽は生活の一部であって、表現するための道具でもあって、人生を豊にする手段、それはもちろん売れてたくさんの人に知ってもらいたいという欲求もあります。
断言したいのはそれも含めて諦めたわけではない、ということ。
でもそれだけというわけでもないから。
僕は大切にしたことがたくさんあることに気づいたから。
せめて今回だけはそのためにちゃんと思いを巡らせて、丁寧に曲を書いて歌おうと思ったんです。



ここまでは第1部が「宇宙」そして第2部「大地」とネイチャーな2つのテーマで2曲ずつリリースしてきました。
第1部の2曲は同時リリースの『EBE』と『えくぼ』、昨年の9月10日でした。
本当はもっと前からこの3部作の話は出ていたし、実は曲もできていたのですが、当時コロナ渦突入ということで社会が混乱し始めた真っ只中で、現在となってはたくさんの人の力で積み上げたノウハウのようなものも少なからずできつつありますが当時は誰もが暗中模索の状況で、僕もライブは今まで通りできず、リリースについても消極的になり、どんどんとそのまま時間だけが過ぎて行きました。
精神的にもこんな状況下で僕は歌をリリースしていいのだろうかとかなりネガティブになっていたと思います。
それが「どんな時代であっても僕は歌って生きていくんだ」と整理をつけ、リリースに踏み切ったのが昨年の9月、3部作の始まりでした。

僕は「不謹慎」という世の中にあふれた言葉がとても怖かった。
大切に作った曲なのに裏目に出て誤解されてしまうのは絶対に嫌だった。
この曲たちもそうなってしまうかもしれない、だから状況が変わったら出そう、製作作業を続けながらいつもそう考えていました。
でも状況は変わらず、このままずっとコロナというウィルスと共存していくことになるのかもしれないということまで脳裏をよぎりました。
いつになったらリリースできるのか、以前までの音楽活動に戻れるのか、もしかして一生できないのか。

でもそんな状況下、僕はたくさんの映画や小説に触れる機会があり、物語や登場人物に出会い、そこで気づきました。
いつの時代も人は闘ってきたこと。
苦しい思いを抱えながら生きている人が誰もいなかった時代なんてなかったこと。
いつだって誰かにとっての至高は、誰かにとっては不謹慎なものであったこと。
それなのに悪く言われることを怖がるなら、そんなのコロナ渦なんて関係なく、アーティストとして生きていくことなんかできない。
誠心誠意作って、胸を張ってパフォーマンスして、それでも悪く言われることだってあるかもしれないけど、それは仕方ない。
覚悟して、作って放つ、そうしよう、リリースしよう。
考えをまとめるために気持ちを走り書きした紙を何枚も机に重ねて、ペンを持ちながら、僕はそう決めました。




しかしそんな風に迷って迷っての決心でしたが、今となってはこの時世だからこそ作る意味のあるテーマだったんじゃないかなと思っています。
こんな時代になるとは思いもしなかったし単なる偶然ではあるのですが、そういう意味では奇跡的に降りてきたくれたテーマなのかもしれません。
「宇宙」そして「大地」、どちらも人間とは対照的に描かれる「自然」という存在です。
どちらも僕らが生まれ育つという恩恵を与えてくれた存在であり、そして僕らに牙を剥くこともある、どこか決して相容れない存在。
でも宇宙は大地を生み、大地は僕たちを生んだ。
そんな風に時系列順に「宇宙」から「大地」と小さいところへとフォーカスしていった第1部、そして第2部。
だから最後の第3部は人間というところまでフォーカスして「生命力」というテーマで描きたいと思っています。





実はそのうちリリースする1曲はもう決まっています。
でも最後の最後、第3部の2曲目としてリリースする曲がまだできていません。
現在も製作中です。
描きたい景色もモチーフも出揃っているのに、どうしても思った通りの曲ができてくれません。
3曲も4曲も書いたのにどれもふに落ちたものになりません。
でも理由はわかっています。
だからあとはその問題と向き合っていくだけ。

ここから3部作の大詰めです。
大切に書いて、必ずリリースします。
もう少しだけ待っていてください。

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