うたプリのオタクが他ジャンルの3Dライブ映画を見た感想

「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム」
および
「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ」
に70回以上通い“ライブ映画って本当に最高だな”と思ったオタクが、
他に似たような作品はないのか、あるとしたらどんなものなのかを探し視聴した感想をまとめています。

一挙放送や動画配信サービスを利用して流し見た感想なので、間違いがあるかもしれません。
以下「マジLOVEキングダム」を”王国”、「マジLOVEスターリッシュツアーズ」を“スタツア”と省略しています。あらかじめご了承ください。

『KING OF PRISM by PrettyRhythm』(2016年)

たびたび話題に上がる「応援上映」のパイオニア。
テレビアニメ『プリティーリズム・レインボーライブ』に登場した男性グループ「Over The Rainbow」の後日談を描いたスピンオフ作品。
何故スケート靴?と思ったが「プリズムショー」という歌×ダンス×フィギュアスケートの総合エンタメらしい。一応アイドルに分類される模様。
内容はライブシーンを盛り込んだストーリーもので、ダンスシーンのモーションなどはテレビシリーズから使い回していそうだが概ね新作と言っていいと思う。

うたプリの「ハッピーパルス」を煮詰めて3割増くらいにした感じ。ヤバ。
モバイル系乙女ゲームのスチルによくいる顔が影で隠れた女子が出てきて爆笑してしまった。しかも女子のセリフ字幕出た。
女児向けアニメ発にしては肌色多すぎない?と心配にはなるが、うたプリのテレビシリーズのトンチキ具合が好きな人は楽しめると思う。

『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』(2019年)

テレビシリーズと劇場版がある。セプテントリオンというユニットを結成した。スタリ、アイナナに続く7人組グループとなった模様。
おそらく瞳の色とメンバーカラーがリンクしてる。赤担当が青髪、青担当が赤髪、水色担当は緑髪と面白い配色のビジュアル。
ざっと見た感じうたプリ3〜4期の戦いみたいなことをしてる。めちゃくちゃ分かりやすい悪役がいる。
最終話のアイドルっぽい衣装とパフォーマンスがいいなと思った。

前作とあわせて、キンプリは衣装の物理演算がだいぶイカれてる(褒めてる)なと思った。
特に『ルナティックDEStiNy / 如月ルヰ』と『百花繚乱 / 太刀花ユキノジョウ』が怖いくらいにリアル。
前者は神話をイメージしたキトン(古代ギリシア)風の衣装で、後者は歌舞伎をイメージした着物の衣装なのだが、どちらも布がめちゃくちゃ動く。
回転した時に遠心力で広がり止まった時に体にぶつかる感じとか、腕を上げた時に袖がずり落ちるところとか、どう見ても“本物の布”でびっくりする。アレがポリゴンで出来ているとはとても信じられない。どこにリソース割いてるんだ。

『劇場版アイカツ!』(2014年)

2012年〜放送のテレビアニメ「アイカツ!」の劇場版で、2ndシーズンまでの主人公「星宮いちご」のスペシャルライブを周りの人々が支えながら成功へと導く物語。
CGのクオリティは現在とは比べ物にならないが(別に酷くはない)、ストーリーはかなり丁寧に描かれていて楽曲制作の過程やハプニングへの対処など大人でも楽しめる内容だった。
“うたプリのようなライブ映画”とは異なるが、舞台裏を描くドキュメンタリー作品として非常によくできていると思う。
個人的に今回試聴した中では1番面白いと感じた作品だった。
世代だったら確実にハマっていたと思う。

『アイカツ!ミュージックアワード みんなで賞をもらっちゃいまSHOW!』(2015年)

『KING OF PRISM ALL STARS -プリズムショー☆ベストテン-』(2020年)

シリーズ内で使われたライブシーンを音楽番組形式で紹介する総集編。
キンプリはほぼCDTV。
歌とダンスシーンだけ見たい、という人には一見の価値あり。
これを見るとどちらの作品もかなりの数の楽曲、ライブシーンがある事がわかる。元が「ラブベリ」系統のアーケードゲームだからか、衣装もきらびやかで細かい。
うたプリのオタク的にはこれを“ライブ映画”とは呼ばないと思うが、なるほどこういう系統の作品があるんだなと勉強になった。

『映画プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪』(2015年)

妖精の国・ハルモニアで開催されるカーニバルに招待されたプリキュア達が妖精達への感謝を伝えるために歌って踊るという内容。
曲同士の合間にMステ風のトークパートがあり、音楽番組のような構成。
3Dで歌って踊るのはサビの一部分だけで、MVのようなイメージカットが多い。ノンテロップOPのサビ部分を3Dのダンスシーンに変えた感じ。
プリキュアなのに歌とダンス?と思ったが、良いとこ取りで終盤はプリキュアらしくパンチで壁を破壊するなど肉弾戦も楽しめる。

『BanG Dream! FILM LIVE』(2019年,2021年)

通称バンドリ。OPからライブシーン、MC、アンコールまで、うたプリのオタクが思っているタイプの”全編ライブ映画”。
何故なら上松さんなので。フェス形式で様々なバンドが出演する構成。うたプリのようなファンタジー要素はなく、リアル(?)志向。
楽器の演奏シーンはかなりこだわっているように感じられた。スタツアの音也よりガッツリ弾いてる。音也のはパフォーマンスなので比べるものでもないが。

全体的にグロー強めの絵づくりが見辛さを感じたが、CGだからではなく元々そういう絵柄らしい。
2作品あってどちらも見たが、ヴァイオリンがいるバンドがありエレガ節が効いていてとても良かった。
王国と同年公開だが、こちらはスタツア同様全編3D。MC中ももたつきがない点が良かった。

番外編:少年ハリウッド「HOLLY STAGE FOR YOU」(2015年)

※完全版が見つからなかったのでテレビアニメ「少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 50-」最終回第26話「HOLLY STAGE FOR YOU」の感想を元にしています。

こちらは”手描き”だが、全編ライブ形式の作品としてよく話題に上がる。
テレビアニメ最終話のセットリストをフルで描いた完全版が劇場作品として制作された。
「新作」と言えるかどうかは意見が分かれると思うが、調べたところによればテレビアニメ(23分)→劇場版(58分)と半分以上が新規カットとなっているようだ。
グループ曲,MC,ソロメドレーなど内容は全編ライブ作品として申し分ない。
ジャニーズやうたプリなど大手事務所のアイドルを想像しているとだいぶ雰囲気が異なるが、カメラワークや間の取り方など生々しい空気感がある。
地下系やZeppなどでライブをしているアイドル歌い手グループみたいな感じ。
自己紹介の口上とポーズがクセになる。“現実味”のクオリティが高い。

総評

歌やダンスものは女児向けアニメの方が歴史が長いという話を耳にして今回視聴してみたが、なかなか面白かった。子供向けということもあってか短い時間で何曲も披露したりしていて構成の違いも感じられた。

3Dのクオリティについては専門家でもないし好みもあると思うので優劣はつけられないが、うたプリの観客とペンライトへの力の入れ具合は頭一つ抜き出ているなと感じた。
ペンライトだけの制作チームが存在したという話があるだけあって、動きや光量のバラつき、曲の途中で振り方が変わるところなど異常にリアルだ。
セルルック3Dのクオリティの高さも話題になっていたが、それ以上に観客の動きや声が“リアル感”を出しているように思った。
あと意外に思ったのが、バンドリよりうたプリの方が男性ファンの歓声がよく聞こえる。ガールズバンドは男性ファンの方が多いのかと思ったがそうでもないらしい。

現状、うたプリのオタクが見て”ライブ映画”と呼べるものは「バンドリ」だけかな、という印象。
全体的に物語の中にライブシーンが盛り込まれたものや総集編のようなものが多く、現実のアイドルが行うような「新曲を引っ提げたライブ」と言った感じではなかったように思う。
“全編”じゃなくても、新作ライブの1公演を描くような作品がこれから増えていくといいなと思う。


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