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【#07】材料力学の強化書 〜複雑な条件下の変形の計算〜

今回のトップ写真は新潟県燕市(燕三条)にある木造建築です。燕市はドラマ「下町ロケット」のロケ地にもなった場所だそうです。

木造建築ということで、これまで紹介してきた鉄鋼によるトラス構造とはまた違う雰囲気ですね。木材は鉄鋼とはまた違う変形の特徴があります(木目方向と垂直方向で剛性が異なるなど)。材料を選定するときは、材料の特性を理解する必要があるということです。

さて、材料力学の話に戻りましょう。

前回は応力とひずみの関係式について説明し、そこから求められる変形の導出を行いました。

今回はその発展編として、複雑な条件に対する変形の計算問題をフックの法則を用いて解いていきます。

前回の基礎を踏まえた実用的な問題でもあるので、余裕のある方はぜひチャレンジしてみてください。

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複数の荷重を受ける棒の問題

2箇所で荷重を受ける棒の問題です。このときの伸びを求める訳ですが、中点に位置する点Bを境にして、2通りに部材を切り分けて考えます。それぞれの伸びを求めて、最終的に足し合わせます。

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複数の箇所で荷重を受ける場合は、荷重の個数分だけ部材を切り分けて、それぞれの箇所の伸びを総和するのが一般的です。ひとつひとつを着実にこなせば、そんなに難しくはないかと思います。

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テーパー棒と自重の変形の問題

まず、下記のテーパー棒の変形(伸び)を求めます。ここで微分積分の登場です。

材料力学_#07_01

計算も少し難解に見えますが、計算よりも考え方を理解する方が先決です。微小部分を取り出して、そこでの伸びを求めます。このとき、断面積Aはxの関数になるので、自ずと伸びもxの関数になります。

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微小部分での伸びをxの関数として表せたら、それを左端(x=0)から右端(x=l)まで定積分します。積分計算が少し複雑なので、数学の参考書などを活用しながら最後まで計算を追ってみてください。

次に自重による変形の問題では、重力に基づく内力Nがxの関数になります。これを微小部分の伸び(これもxの関数)に落とし込んで、全体を積分します。

計算自体は単純なので、こちらの方が理解しやすいかもしれません。

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おわりに

今回はフックの法則を利用して、複雑な条件下での変形の計算を行いました。

実際の計算(特に微分積分)については、他の参考書に任せるとして、どのように考えるのかというプロセスをだいじにして頂けたらと思います。

ここで自信がついてきたら、材料力学の書籍の演習問題にチャレンジしてみるのも良いかもしれません。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。

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