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【#08】材料力学の強化書 〜不静定問題を変形条件から解く〜

今回のトップ画像は、オーストラリアのメルボルンにある州立図書館の写真を拝借しました。大量の本を置いているので、それだけで重量は計り知れません。建てた後では修正が困難なので、しっかりとした設計が成されることが必須です。

さて、材料力学の話に戻りましょう。

前回は材料力学のフックの法則を利用して、複雑な条件に対する変形の計算問題を解いていきました。

今回はタイトルの通り、不静定問題という形式について解いていきます。材料力学で扱う問題は、基本的にこの不静定問題であることが多いです。重要な項目のひとつなので、しっかり理解していきましょう。

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不静定問題とは

これまでは力のつり合い条件だけ考えれば、問題を解くことができました。それは未知数(値が求められていないもの)を求める上で、力のつり合いの条件を考えるだけで式の個数が足りていたからでした。

一般的に、未知数の個数が独立した方程式の個数より多いと、その方程式は解くことができません。例えば、未知数(変数)が「x・y・z」とある場合は、少なくとも独立した方程式が3個必要です。

しかしながら、材料力学では力のつり合い条件(式)だけでは、独立した方程式の数が不足してしまい、未知数を求められない場合があります。ここで、前者を「静定問題」と呼び、後者を「不静定問題」と呼びます。

・力のつり合いだけで解ける問題:静定問題
・力のつり合いだけでは解けない問題:不静定問題

不静定問題を扱うには、力のつり合いの他にこれまで学習したフックの法則(変形条件)を加える必要があります。演習問題を用意したので、不静定問題の感覚を掴んでみましょう。

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演習問題を解いてみる

今回は説明こそ少ないですが、実際に式を追いながら流れを理解して頂けたら良いです。まずは両端固定の棒の反力を求める問題です。

未知数が2個あるのに対して、力のつり合い(1個)では問題を解くことができません。そこで、変形条件(点Bを境に切り分けた各部材の伸びの総和がゼロになること)を方程式として追加します。

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次に3本の棒にかかる荷重を求めてから、全体の伸びを計算する問題です。未知数である荷重は全部で3個ありますが、力のつり合いとモーメントのつり合いだけでは2個の方程式なので、やはり解くことはできません。

前問の時と同様に、変形条件(3本の棒の伸びは等しいこと)を加えることで、問題を解いていきます。

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このように、力学的なつり合い条件と変形条件を連立することで、不静定問題を解くことができます。今後も何かと登場することになるので、確実に流れを把握しておきましょう。

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おわりに

今回は材料力学から登場する不静定問題について扱いました。前述した通り、力学的なつり合い条件と変形条件を連立することが基本方針になります。

連立方程式を解くことになるので、少し複雑な感じも否めませんが、実際に手計算をしながらひとつひとつを着実に追ってみて頂けたらと思います。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。

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