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【#23】材料力学の強化書 〜SFDとBMDについて(3)〜

今回のトップ画像は、京都の一番の観光名所である「清水寺」と京都の街の夜景のコラボ写真です。何処でも街の夜景は綺麗なものですが、歴史ある清水寺と現代の街並みのコントラストが良い形になっていますね。

さて、材料力学の話に戻りましょう。

前回は引き続き、せん断力線図(SFD)曲げモーメント線図(BMD)について確認しました。また、例題として、荷重条件が集中荷重から分布荷重に変化した場合について見ていきました。

今回はSFDとBMDを描く問題の第3弾です。以前にはりの拘束条件のひとつとして「固定支点」を紹介しましたが、今回は固定支点の代表例として、片持ちはりの問題に取り組みます。

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固定支点について

はりの一端が壁に埋め込まれたように固定されているはりを「片持ちはり」と言います。壁に埋め込まれたということで、この箇所の拘束条件は「固定支点」に相当します。

固定支点では移動も回転も拘束されています(移動も回転も不可)。そのため、壁に対して支点反力と固定モーメントが発生しています。片持ちはりの問題を解くときには、この2つが未知数になります。

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基本的な例題

まずはSFDとBMDを描くときのルールを再掲しておきます。

(1)はりの左端を原点にして右方向にx軸(軸線)をとり、y軸は下向きにとる。
(2)支点反力は常に上向きを仮定する。左端の固定端では固定モーメントは時計回りを仮定する。
(3)せん断力と曲げモーメントは常に正であると仮定する。
(4)せん断力と曲げモーメントを未知として静力学的なつり合い式を作り、せん断力と曲げモーメントについて解く。

今回は一定の分布荷重が作用する片持ちはりを考えてみます。左端(x=0)におけるせん断力は支点反力に等しく、左端の曲げモーメントは固定モーメントに等しいことをはじめに確認します。

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一定の分布荷重の扱いについては、前回に詳しく説明しているので、そこも参照しながら読み進めて頂ければと思います。

ちなみに、曲げモーメント(M)の式は3つの項が存在します。左から順番に「分布力のモーメント」「偶力のモーメント」「固定モーメント」という意味があることに注意します。

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おわりに

今回は固定支点を含む片持ちはりにおける、せん断力線図(SFD)と曲げモーメント線図(BMD)について見ていきました。

前回と同様にせん断力と曲げモーメントの分布の様子が複雑です。今回も途中計算を誤らないように注意したいところです。

今回で一旦はせん断力線図(SFD)と曲げモーメント線図(BMD)の話を終えることにしますが、引き続き使い所はありますので、頭の片隅に入れておいて頂けたらと思います。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。

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