セメスターの前半が終わりました

ひとまず最初に取った2コースの試験課題と試験セミナーが終わりました。今回はプログラムの構成とか試験とかについて書こうと思います。

プログラムの構成

プログラムの構成について前に書いたことがあるか忘れたが、スウェーデンでは1セメスターのうち、おおよそ4コースとる。
日本では多くの授業を取り、同時に進めていくことになるが、スウェーデンでは少ない科目を集中して学ぶ。

上記の4コースのうち、前半2コース、後半2コースといった感じ。もちろん、コースによって進度が違う。上記は進度が50%の場合で、進度が25%とかだと、学習期間が長めになり、100%だと進度が早め(その分期間も短くなる)らしい。
進度が50%だと、8/31に始まって、10月の後半には終わる感じであった。

試験課題について

これは一発試験のコースとレポートを提出するコースがある(他の方法もあるかも)。分量の一例は以下の通り。

(例)Sociology of Education, Tradition
12-15ページ、55,000~70,000文字(大体10,000ワード)

もう一つのコースは30000文字程度であったが、こちらは課題図書の数が多く、必要な事項をどれくらい多く盛り込めるかもポイントだった気がする。

レポートを提出した後には試験セミナーがあって、他の人のレポートを読んで議論する、というもの。ただし、一般的にはレポートでほぼ、決まるらしい。ウプサラの場合は、pass with distinction, pass, failのどれからしく、pass with distinctionはめったにもらえないらしい。
こちらでの成績のつけ方にまだ詳しくわないのだが、KTHはどうも別の指標らしく、A~F(Fは不可)で示されるらしい。

さて、上述のTraditionのコースだが、こちらは課題が言い渡されたときに固まった。一体、どうやってこの分量を書けばいいのだ。。
お題は「教育における不平等を社会学の様々な主義、説を使って論ぜよ」といったもの。「教育における不平等」の部分は自分で選ぶので、実社会の不平等を選ばなければならない(そしてこういう時、大抵の場合は出身国の例を扱うことが好まれる)。
というわけで、多分すごくクラシックな話題だと思うが、東大に進学する人の多くが高所得世帯の出身であることを取り上げて論じた。
もちろん、それを書くには日本の教育制度とか進学の仕組みとか偏差値とか書くことになるが、それのみならず、東大女子学生お断りのサークルの話とかまで広がった。

テーマを決めて書き始めると思わず夢中になった。現社会の経済における問題(社会階級、男女差別etc.)が教育にも反映される、教育は社会における不平等を是正しない、という説には何とも言えぬ説得力を感じたし、一国家における一社会の構成員を育てるプロセスだもん、当然か、、とも思った。
レポートが求める方向性と合致しているかも気になったが、とにかく書いて書いて書きまくってという感じ。
途中、プログラムコーディネーターの方に見てもらえるチャンスがあって、恐る恐る、レポートの方向性があっているか聞いて、「大丈夫よ」とコメント貰えた時は一安心した。
それでも締め切りの15分前にぎりぎり提出した(そしてこういう時の締め切りは大抵、金曜の23:59とかなので必然的にそこまで粘ることになる)。
レポートを無事提出し、深夜の公園を散歩した時は忘れられない。
あとはレポートを書いている途中でクラスメートと勉強会を何回かして、書いているものの方向性とか必要なデータとか、追加すべき論点とかそういったことも話し合えた。
ちなみにオランダの研究大学と応用科学大学の社会的な扱いが如何に違うのかも教えてもらって、やっぱり書面だけではなくて現地調査やインタビューがいかに大切なのかも痛感した(オランダ担当2年間くらいやってたのに何もわかっていなかったなと。。)。

社会学を勉強することについて

日本で大学に通っていた時は学部だったし、語学だったので、論文というよりもとにかく一発試験が多かったから、何というかこうやってたくさん読んでレポートを書くのは新鮮だった。

文系不要論が一時、流行ってたし、私も私で純粋に興味を惹かれて入学した訳ではなかったけれど(学部は雇用可能性とか全部無視して純粋に惹かれたものを専攻したので趣味みたいな部分もあった)、社会学やってよかったなと思う。
今まで思っていたことの部分が社会学に答えを見いだせたことは特に大きい。特にブルデューの文化資本とか社会資本とか、ハビトゥスとか、そういった概念は分かりやすく社会を説明しているというか、これまでの人生を振り返って色々と腑に落ちることがあった。

そしてこのブルデュー、後半の授業で集中的に勉強するのだが、めちゃくちゃ課題が多く(まだ授業始まっていないのに課題が出されている)、多分、プログラムの中で最も厳しいコースになる予感がしている。
なんでも、1週間に課題図書1冊らしいので、何とか頑張って耐え抜こうと思う。

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