見出し画像

無感覚な世界で繰り広げられる人工股関節置換術 その柱となるのが麻酔①

虫歯治療で歯医者さんでしてもらう局部麻酔と違い、
人工股関節置換術は全身麻酔。

「全身麻酔って怖い」って一度は耳にしたことありませんか?
私も、人工股関節置換術は全身麻酔であることをいうと
周りから
「ひえーーそうなの??」と驚かれます。

周りの反応を見るたびに
そんなに怖いものなの??と少しびびっていました。

「もし目覚めなかったら・・」

人は知らないこと、見えないことに対しては過剰に恐怖感を覚えます。

幽霊は見えない怖い
海外は行ったことがないから怖い
などなど

今回は、
全身麻酔について調べてみました。

全身麻酔ってなに?

全身麻酔は、読んで 字のごとく
全身に麻酔をかけること。

完全に意識がなくなります。

虫歯治療で歯医者さんで行う局部麻酔は
意識があるので、お医者さんとも会話ができたり、
目の前に迫ってくる注射針や
時折ウィーンウィーンと歯を削る音にびびったりと
意識がありますが
全身麻酔をかけられると、ぱたりと意識がなくなります。
その時間、体感で30秒ほど。

秒速 
詳しくはこちらの記事↓

https://note.com/artificialjoint/n/n02dc3a4a94a7

全身麻酔は睡眠とどう違うの?

「寝ているうちに手術は終わるから大丈夫」
この言葉もよく人工股関節手術を受ける前に聞いた言葉。

じゃあ、普通に寝るのと全身麻酔はなにが違うの?

それは、全身麻酔は

意識もなくなり、呼吸も自力ではできなくなること

人は睡眠中も夢をみます。
脳は活発に神経が活動している証拠。

夢を見やすいレム睡眠と
夢をほとんど見ない深い眠りであるノンレム睡眠。

睡眠は、その繰り返し。
睡眠中も呼吸をしています。

一方、全身麻酔は、
呼吸が浅くなるか、もしくは自力で呼吸ができなくなります。

私も、
「麻酔で意識がなくなると、酸素マスクをあてがわれ、
人工呼吸を続けるための管を口から気管まで入れられ」

た、と思います。。。、

画像1


思うというのは、すでに麻酔をかけられた私は
その流れを知る由もなく、
ただ、
「骨子さん、終わりましたよ。」の声に意識が戻った時に
なんか口の中にチューブのようなものを舌で触った記憶があり、
後日調べてみて、きっと上記のような状態だったんだな、と。

当たり前ですが、
きっと人工股関節置換術の手術は
メスで太ももを切り開き、
血がドバッと出ても容赦なく
ずずずいっと筋肉をかき分け
筋肉の奥にある私を苦しめた磨り減った
股関節を取り除いて、人工関節を入れる。

これを麻酔なしにすることこそが
怖い。

ギャーギャー泣き叫びながら
間違いなく、痛みで失神。

全身麻酔体験をして思ったことはただ1つ。

全身麻酔が怖いのではなく、すごい!

大きな手術を痛みを伴わずに行う要(かなめ)となる
全身麻酔。

それを実際に実感したのは、
手術先日に、看護師さんからは
「夜9時以降は絶食に入ります。それまでに食事は済ませておいて下さい。
明日の朝8時から手術室に入りますので、その4時間前から水も飲まないようにしてください。」とのおたっし。

人間ドックや市民検診を受ける時によく
夜9時以降は固形物は摂らない。水分はOK。

これと同じレベルのことかと思いきや、
とんでもない。
全身麻酔では、絶食絶水。

全身麻酔は、筋肉を弛緩させて反射をなして自力で呼吸できなくする。
その時に、胃の中に食べ物や水分が残っていたら万が一、口に逆流し、誤嚥を引き起したら、、、。
人工股関節挿入どころではない。。。

市民検査で「なにも食事をとられてませんね」と受付に言われて
「あ、ちょっとうっかり飴をなめてしまいました」
「あ、コーヒーをうっかり飲んでしまいました」

全身麻酔ではこのうっかりが命取り。
食べてしまったとなると、手術の中止や延期もされるとのこと。

そのうっかりをきちんと報告しないことも命取り。

そして、局部麻酔と違い全身麻酔は、
全身麻酔を受けてもOKかどうか術前検査やヒアリングも。

はじめて麻酔、それも全身麻酔の重要さを知ったのは
術前検査の中で「麻酔科医からの説明時間」
があったこと。

そこで
「わざわざ時間をとって麻酔科医直々の説明を受けるほど全身麻酔って
怖いものなの??」と。
診察室で緊張気味に待っていると
麻酔科医登場。

事前に受けた様々な検査に目を通しながら
麻酔科医は、
「検査の結果、手術を受けても大丈夫ですね。」と。

麻酔科医のお仕事は、麻酔の注射をするだけにあらず
麻酔科医のお仕事は、痛みをとるだけにあらず

全意識がない状態の私の体を委ねた麻酔科医についてはこちら↓

無感覚な世界で繰り広げられる人工股関節置換術 総監督は麻酔科医③



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?