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エッセイ・ノンフィクションマガジン

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作家、アーティスト、大島ケンスケによる実体験に基づいたエッセイやノンフィクションをまとめたマガジンです。
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#変化

17歳の少年。

今回は、自伝的ノンフィクション小説です。少し長いです。自分自身の懺悔のような気持ちもあります。 * 高校生の頃。日曜日の日中は大抵、俺は母の入院する病院にいた。その病院は地元から車で1時間ほどかかる、札幌市の外れにある総合病院だった。母の病気が難病なので、地元の病院ではなく、その札幌の病院に入院するようになった。 日曜日はいつも憂鬱だった。遊びたい盛りの高校生が、毎週、陰気臭い病院で、半日過ごさねばならいのだ。 残念ながら、当時の俺は“母親想いの息子”、なんていう少年

大人の男になりたかった。酒とタバコとコーヒーと。

俺は1978年生まれで、いわゆる一般的に“青春”と呼ばれる十代は、1990年代。時は『世紀末』だった。そういえばこれを書いててデーモン小暮閣下率いるハードロックバンド「聖飢魔II」を不意に思い出してしまったが、今も健在なのだろうか? (で、今ググったら、1999年に解散してるが、その後も「期間限定再結集」を何度もやっていて、去年も今年もLIVEやってる。ちなみに閣下の「歌」に対する考え方や姿勢は、とても影響を受けた。) 聖飢魔IIの話などどうでもいい(自分で書いたんだろ!

古い友人との再会に。

「いやぁ、久しぶりだなぁ」 4、5年ぶりに会った友人は、とても嬉しそうに言った。 都内で、この人混みの新宿で、顔見知りに会う確率はかなり低い。そもそも僕は都心に出ることはたまにしかないし、その友人の家は横浜だ。だからなおさらこの出会いの確率はもはや天文学的数値に近い。 「なあ、今時間あるか?せっかくだから、どっかで少し話そうぜ」 僕はその時用事を済ませた後だったので時間はあった。 少し迷った。昔は確かにそれなりに親しかったが、今はさほど親交を深めたい相手でもないのだ