「神様っているのかな 」#2 (短編小説)
母が足を怪我をしてから、しばらくの間、“アズキ”の散歩が私の日課になった。
私が住むマンションから、母が一人で暮らす実家まではふた駅分の距離。電車に乗るほどの距離でもないので、私が生まれ育った家まで自転車を走らせ、それから柴犬の“アズキ”を連れて近所を散歩する。
運良くというか、ちょうど私が昨年からフリーランスになったばかりで時間が取れるので、母の代わりに散歩をしているのだけど、さすがに疲れてる日などは億劫で仕方ない。
でもこればかりは引き受けざる得ない。なぜならアズキ