Googleの親会社Alphabetが24’1Ｑの決算を発表しました。AIにおいて厳しい評価をされ続けてきた同社ですが、つい先日ScreenAIというものを発表したばかりです。注目の決算内容はいかに！？、そしてAIの戦略はSundar Pichai CEOからどのような発表があるのか俄然注目したいと思います。※個別銘柄に言及する内容が含まれますが、筆者の経験と知識に基づいた見解を述べているもので売買を推奨するものではありません。この先に進まれる方はこの件に同意されたものとみなさせていただきます。

24’1Q決算内容

Revenue 80.54B（805億4000万＄）Consensus 78.70B　Y/Y+15.4％
EPS 1.89＄　consensus 1.50　Y/Y+62％
Youtube広告収入　8.9B（80億9000万＄）Y/Y+21％
Google Cloud　9.57B（95億7000万＄）Y/Y+28.4％
Google検索とその他　46.16B（461億6000万＄）Y/Y+14.4％
Google Network　7.41B（74億1000万＄）Y/Y-1.1％
Google subscription　8.74B（87億4000万＄）Y/Y+17.9％
その他（others）　0.495B（4億9500万＄）Y/Y+71.9％
Buybuck（自社株買い）70B（700億＄）相当を上限
Dividend（配当）1株辺り0.2＄

もうごちそうさまでした・・・って感じの文句なし決算ですね。

決算カンファレンス

Sunder Pichai（CEO）のコメント抜粋
第二に、インフラストラクチャーのリーダーシップだ。我々はAI時代に最適なインフラを持っている。世界をリードするインフラを構築することは、私たちのDNAに組み込まれています。私たちのデータセンターは、世界で最も高性能で、安全で、信頼性が高く、効率的です。最先端のAIモデルをトレーニングするために構築され、前例のない効率向上を達成するように設計されています。私たちは、1年半前と比べて100倍以上効率的な新しいAIモデルとアルゴリズムを開発しました。当社のカスタムTPUは現在第5世代で、次世代の野心的なAIプロジェクトに力を与えています。GeminiはTPUでトレーニングされ、TPUを使ってサービスを提供しています。私たちは、技術インフラの最先端を維持するために必要な投資を行うことを約束します。

※TPU：Googleが2016年から独自開発をしてきた機械学習用のAIプロセッサ。従来のCPU、GPUと比べ飛躍的に高い処理能力と省電力性能（両方とも数十倍～数百倍）を実現し大規模な機械学習モデルの訓練と推論を高速化することができる。

最後に、収益化の道筋について。私たちは、広告やクラウド、そしてサブスクリプションを通じたAIの収益化への明確な道筋を持っています。GeminiモデルをPerformance Maxに導入するなど、広告主を支援する新しいAI機能について、フィリップが詳しく説明します。Googleのクラウド事業は、世界中の企業のお客様や組織にGoogle AIの最高の機能を提供することで成長を続けています。また、Google Oneの有料会員数が1億人を突破しました。また、第1四半期には、ジェミニ・アドバンストによる新しいAIプレミアムプランを導入しました。

〈相当長い文章ですがこのカンファレンスを読む前に2つの疑問がありました。1つ目は何故ここまで全てのカテゴリーにおいてこの1Qは業績が拡大したのか！？（時価総額2T企業の拡大スピードではないレベル）これについてPichai CEOは中心をAI開発に置き、構築チームをGoogle Deepmindの下に統合し意思決定を簡素化した。これらのモデルを使ってジェネレーティブAIアプリケーションを構築する際の単一のアクセスポイントが確立されます。このアクセスポイントを各チーム利用し、Geminiやその他のモデルを開発し、急速な進歩を遂げている。これが一つのモデルとなった様で、進化したGenAIは当然のことながらあらゆるセグメントに用いられ世界最高レベルのデータセンターによって急速に他社との差が縮まったのだと感じた。

2つ目は世間からGoogleのAIは開発が遅れていると言われていた点についてだ。日本人は特に情報を入手しにくい環境にいる為判断が難しいが、pichai CEOの力強い説得力のあるコメントを聞いて個人的には懸念が払拭した。『ジェミニの新モデル・ファミリーや新世代のTPUなど、数々の技術的なブレークスルーによって、マシンのスピードと効率が向上しています。例えば、約1年前にSGEを導入して以来、ハードウェア、エンジニアリング、技術的なブレークスルーにより、SGEの反応に関連するマシンコストは、ラボでの導入当初から80％減少した。私たちは引き続き、このような取り組みに全力を注いでいきます。』前項で意思決定の簡素化という点に触れたが世界最高のデータセンターがあって、世界最高レベルの人材が揃っていてAIに対して投資（1Qで12B＄）を惜しみなくできる潤沢な資金がある・・・そりゃ強いですよねｗ。

24’2Qガイダンス

来期ガイダンスについて言及をしていないので従来の見通しを載せておきます。今回の決算とコメントを見ていると軽々と超えてきそうですが。
2Q Revenue Estimates（売上高見通し）83.13B　Y/Y+11.43％
2Q EPS Estimates（1株利益見通し）1.68＄　Y/Y+16.35％

こんな凄い決算を見たのは久しぶりでした。