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エリアス・シメ:ARTの価値観をどこに置くか?

エリアス・シメ:ARTの価値観をどこに置くか?

エリアス・シメ(Elias Sime,1968- /現代アーティスト)は、アフリカを代表する現代アーティストの1人と言われる。

動物の皮から、廃棄されたPCのマザーボード(ロジックボード)やキーボード、スマートフォンの基盤(それらは、西側諸国からの電子廃棄物)や、使い古されたボタンや紐などを分解して組み合わせて、作品を制作する。   アディスアベバの野外市場(Menalesh Tera)で集めた、実に様々な素材を、異質な価値観の混淆、融合として組み合わせたレリーフやインスタレーションで知られる作家だ。 

そして、その織りや編み込みは、西アフリカの工芸の伝統と統合している。例えば、その詳細は、地元の女性から学んで、銅の電線を編み込んだ作品もあるのだ。

その制作過程と作品

Elias Sime: Tightrope | Exhibition Trailer

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by Elias Sime

アートワーク-Elias Sime

1968年、アディスアベバ(エチオピア)で生まれる。そして、少年の頃からさまざまな素材で彫刻を制作していた。
1986年、Alle School of Fine Arts and Designに入学する。その当時は、エチオピア共産主義の最後の数年間だった。
1991年、大学教育を終える。その年の5月にエチオピア人民民主共和国となる。
1990年代以降、エチオピアを中心に作品の発表を重ねており、2004年に第6回ダカール・ビエンナーレに出品する。
2002年、メスケレム・アセグード(Meskerem Assegued/文化人類学者でキュレーター)が考案したコンセプトから、環境を意識したアートセンターの設立に共同で取り組んでいた。
2019年、そのZOMAミュージアム完成する。そこは、展示施設のほか、図書館や小学校、農園などを併設したアートセンターである。その、こけら落としの個展を開催している。

前後するが、
2008年、メトロポリタン美術館でのグループ展に参加した。エリアス・シメは、この辺りから、グローバルに展開する。

2019- 2021年にかけて、個展「Tightrope」(綱渡り)が北米の美術館4館を巡回する。
近年は、エリアス・シメの作品群は、グローバルに多くのミュージアムで展示されている。

エリアス・シメの視点

ここで申し上げたいのは、エリアス・シメは、Upcycling(アップサイクリング/再生品)の表面性を非難している。それは、スクラップを扱う発展途上国のアーティストたちの表面性だ。

エリアス・シメの作品は、世界の生態系の崩壊の瀬戸際に追いやった事を示唆している。そして、エリアス・シメは、皮肉ではなく、西側諸国からの廃棄物という素材の再利用をしていると言う事だろう。そこには、eコマース(電子商取引)の在り方についても、課題を与えている・・

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Elias Sime

アディスアベバの野外市場(Menalesh Tera)から、「エリアス・シメ:技術的廃棄物の回復を考える」、そして「エリアス・シメの戦うアート」へ、続きます。お時間の許す折に・・・


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