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触れ方

「触れる」という行為の奥深さに驚いている
武術の稽古を通して学べることは色々あるが
重要な秘密が
空間の「捉え方」にあり
相手に触れる際の「触れ方」にある

それが分かっているかどうかで
結果が大きく変わってしまう

例えば、稽古の部屋に出入りする際に一礼する
相手と組み合う前に一礼する

これは、何に対して何をしているのか
掴めているだろうか
儀礼的に何も考えずに何となくやっていないだろうか

一礼する行為を通じて
空間や相手と調和するということをやっている
という意識があるだろうか
それをしっかり味わっているだろうか

調和するということは
受け入れるということであり
自分を消すということでもある

それは同時に
空間や相手に受け入れてもらっている
という行為にもなっている

最初に調和があるコミュニケーションを取ることで
いい「場」を生み出し
有意義な稽古ができる前提を作っている

「調和」で場が変わる
それは感じ取れるし
将来は測定もできると思う
物理現象でもあるはずだ

ズカズカ土足で空間に踏み込んだり
無神経に一方的な行為で相手のテリトリーを犯す行為からは
「調和」は生まれない
「場」は乱れる

そんな空間からは
素晴らしいものは生まれない

自然界のコミュニケーションは
「調和を取る」ことが前提で行われているそうだ
蝶が花の蜜を吸う時も
猫がじゃれてくる時も
無意識レベルで双方向のやり取りがある
だから循環が起こる

コツは
自分から一方的に対象に向かうのではなく
対象がこちらに来てくれているという感覚を持って
「触れる」
こと

人でもモノでも
そうやって「触れる」と
調和が生まれる

自然と
とても優しい触れ方になる

結果として
丁寧でキメの細かい技を出せるようになり
相手も自分も気持ちがいい

空間との調和は
自然界の掟でもあり
武術の奥義でもある

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