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危険!自分の判断について


避難訓練って小さいころからやってましたよね?

小・中・高校の避難訓練では、先生が事前に「○○時間目の○時△分に地震・火事が起こります。」または、「○○時間目あたりに不審者が校内に侵入する予定です。」

といった感じで、事前に何かが起こる事を先生が教えてくれていたと思います。

その時の、周りの反応はどうでしたか?

多くの人は、「ああ、明日は地震が起こるのか。」「不審者が来るのか、どんな人だろう」などと、楽観的に考えていたと思います。(違ったらごめんなさい)

そして、避難訓練当日に非常ベルが鳴っても、「これは訓練、訓練。」と身構えることはすれど、本気で非難しなきゃと思い焦っていた人はどのくらいいたでしょう?

非常ベルが鳴ったのに、異常事態だと思わなかった人、そうでなくても大半の人が「正常性バイアス」がはたらいているのではないかと思われます。


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正常性バイアスとは?


正常性バイアス、あまり聞きなれないですよね。

正常性バイアスとは、認知バイアスの一種。社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のことを言います。

自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となります。「正常化の偏見」、「恒常性バイアス」とも言います。



まだ少しわからない、という方のために簡単な例を挙げてみます。

簡単なお話です。

家の近くで、子供たちが登下校しているときに、突然大きな声が聞こえてきました。

しかしそれは、子供同士がはしゃいで声を上げただけでした。

このようなことが毎日続けば、近所の人はどう思うでしょう。

初めは、「どうしたのかな。」「何事だ!?」と思い様子を見に来る人もいたでしょう。

しかし、はしゃぎ声だと認識し、しかも毎日はしゃぎ声がきこえてくると、「ああ、また子供たちの声が聞こえるわ。」

と、大きな声に対して非常事態だと思わなくなります。

これなら、分かりやすくなったと思います。


非常ベルが鳴った時、周りの誰かが「大丈夫でしょ。」と根拠のない根拠を言ったとき、大丈夫、という考えが伝染して、何事もなかったかのように自分の日常に戻っていくのも、正常性バイアスです。



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冷静に判断


正常性バイアスの「バイアス」は偏見、先入観といった意味です。

つまり正常性バイアスとは、多少の異常事態が起こっても、それを正常の範囲内としてとらえ、心を平静に保とうとする働きのことです。

この働きは、人間が日々の生活を送るなかで生じるさまざまな変化や新しい出来事に、心が過剰に反応し、疲弊しないために必要な働きです。

しかし、この働きの度が過ぎてしまうと、本当に危険な場合、例えば警報装置が鳴っているといった非常事態の際にも、それを異常と認識せず、避難などの対応が遅れてしまうといったことになりかねません。

日頃から、異常が発生した場合では楽観的にならずに、冷静に物事を判断するようにしましょう。


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